04月25日 19時14分
道東の羅臼町でみつかった海岸の隆起は、雪解けで地盤が緩んで地滑りが起き、その影響で海岸付近の地面が盛り上がったとみられることが専門家による調査で分かりました。
羅臼町幌萌町の海岸では24日、高さ10メートルほど海岸線が盛り上がっているのを近くの住民が見つけ、道と町などが25日、調査したところ、周辺で幅が最大で300メートルにわたって大規模な土砂災害が起きていることがわかりました。
現地を調査した地質学や土砂災害に詳しい北見工業大学工学部の山崎新太郎助教らによりますと、海岸から陸側に150メートルほどのところにある町道の付近から亀裂が入り、道路を含めて地滑りが起きていたということです。
山崎助教は「羅臼町では例年より積雪が多く、一気に雪解けが進んだことで大雨のように地面に水がしみ込み、地中の岩石と岩石の間の摩擦力が低下して滑り始めたとみられる」と分析しています。
海岸付近の地面の隆起については「地滑りの端が海底よりも深い部分に突っ込んでいったとみられる」と述べ、地滑りの影響で海面の下にあった地面が押し上げられたという見方を示しました。
その上で山崎助教は「今後も人が感じることのできないゆっくりとした速度で動いていくかもしれない」と注意を呼びかけています。
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