人には他人に言えない秘密が一つや二つあるといいますが…。
子どもの好き嫌いもその一つ。
誰にも相談できないうちにいつの間にか食卓が戦場のようになんて事も…。
よく見る光景。
お悩みを寄せてくれた宮純子さん。
「超」がつく偏食の息子とどう向き合えばいいのか悩んでいます。
(松嶋)でもごはん食べてるよね。
野菜も食べさせなきゃとあの手この手で工夫していますが…。
ジャジャジャ…はい!アハハハハ!いいね。
一人ツッコミいいねお母さん。
この春からは幼稚園。
給食で暴れだして迷惑をかけてしまったらどうしよう…。
夜も眠れないといいます。
(松嶋)偉い偉い偉い。
(三宅)挑戦状たたきつけたな。
(松嶋)いろいろ試しはったんやろうね。
心配しています。
そのお悩み承ります。
こんがらがった毎日を解きほぐそう。
さあ「助けて!きわめびと」今日のテーマは好き嫌いですけどもね。
食べ物のね。
私はねあまりないんですけどもこちらの方はどうでしょうか。
あるの。
だからね嫌いなものを食べろって言われる屈辱とね抵抗半端ないのね。
でもね本当に大事。
あのね私本当に大事と思うの。
(三宅)あららら。
それはすごい分かるの。
だから好き嫌いのあんまりない人ってすごい人に好かれてる気がする。
なるほど。
随分話珍しく広げたね。
いつも松嶋に振るとね話狭めるんだけどね。
ポイントに行くねん。
(一柳)そんな好き嫌いを克服するきわめびと料理研究家上田淳子さんです。
よろしくお願いします。
上田さんはお母さんがマイナスに考えがちな好き嫌いをポジティブに考えるきわめびと。
そのモットーは「好き嫌いはお子さんにとって初めてのマイブーム。
お母さんも一緒に楽しんじゃいましょう」。
(三宅)え〜?
(松嶋)どういう事だ?実は上田さん好き嫌いの激しい双子のお子さんを育て上げた経験をお持ちなんです。
一卵性?はい。
すご〜い!しかも一人は大の野菜嫌い。
もう一人は大の肉嫌い。
ここまでだったらほんまに個性って思うてまうね。
この最悪とも言える状況の中で上田さんが料理研究家として考案したメニューは1,000を超えます。
肉嫌い野菜嫌いの双子のお子さんのために生み出した…どうぞ召し上がって下さい。
頂きます。
肉の味のしみこんだキャベツは肉好きさんにとってはおいしいキャベツで。
おいしい。
先生おいしい。
(三宅)肉嫌いな子にとっては…。
肉の硬いのが苦手なんですよねどちらかというと。
キャベツの水分がじわじわじわじわ入って。
(松嶋)うんうんすてき。
これ大変じゃないんですか?ロールキャベツより。
ゆでたキャベツお鍋の中にピュッと入れてハンバーグ生地をトントンとやってスープ入れてあとは火にかけておしまい。
(松嶋)なるほど。
好き嫌いって2通り意味合いがあると思うんですけど。
本能的にもう動物として「この苦い味は毒かもしれない」とかそれからもう一つは環境それから後天的なもので食べた時にたまたま口に合わなかった。
その印象が強いとかせっかくおいしく食べたのに後でおなか痛くなっちゃったりとか。
それ聞きますね。
それがセットになったらその食べ物は嫌いなものになる。
直るんですか?先生。
私も。
あなたの場合は無理です。
こんにちは。
上田と申します。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
現場検証に訪れたのは速大くんが幼稚園に入るまで1か月に迫った3月上旬の事。
速大くんは白いごはん以外は納豆巻きや冷凍のから揚げしか食べない大の野菜嫌い。
これは強敵。
野菜だけ?食べないのは。
もうお肉もですね。
今度おばちゃんと一緒に…あれ?あれ?速大くん突然の「野菜食べる」宣言。
本当?実際どうなのか。
ふだんのありのままの様子が見たいと上田さんは別室からチェックします。
この日のお昼ごはんはお好み焼き。
中に野菜を閉じ込めて食べてもらおうという作戦です。
味する?それ。
あれ?なめてる。
そして…。
あ〜!ちょっと食べるっていう事?速大くん食に全く興味がない訳ではなさそうです。
この勢いで野菜入りのお好み焼きも食べちゃうのでは?…と思ったやさき。
いらない。
いらない!いらない!速大くんの態度が一変。
食べるのを断固拒否します。
どうした?せっかく作ったのに〜。
どうすればいいんやろ?お母さんしかたなく速大くんが残した料理を一人で食べます。
上田さん速大くんの食べる食べない問題以前に2人の食卓の雰囲気が気になったようです。
食卓が始まっていない?どういう事?確かめたい事があると親子でいつも遊んでいる公園についていく事にした上田さん。
どれぐらいまで勝手に行っちゃいます?まあでもこのぐらいですよね。
50メートル先。
50メートルってもっと向こうですよ。
20〜30メートル。
そうですね。
現場検証を終えきわめびとが目をつけたのは…。
食卓の様子を見てつぶやいた言葉。
全然…お母さんこりゃ。
「食卓が始まっていない」。
その言葉の真意とは?いらないいらない。
何となくどうですか?そうですねやっぱり見てると楽しそうには食べてないし…。
それは速大くんじゃない?お母さんは?私も「食べないのね」って言ってずっと無理やりあげてる事も嫌ですし。
なるほどね。
でもこれはお母さんの食事の場でもあるでしょ?でももう息子の場なんです。
お母さんはもうこれは食卓と思ってない?「食卓が始まってない」っていうのがね。
こちらで説明して頂きましょう。
3歳のお子さんにとって食卓っていろんな食べ物に出会って新しい味わいを知ってっていう食べ物がいっぱいいろんなものが取っ替え引っ替え出てくる場所だと思うんですよね。
私はここは食材の小宇宙だと思ってるんですね。
(三宅)小宇宙になった。
初めて見るもの。
そうです。
でも初めて見るものってやっぱり子どもにとってはちょっと大丈夫かなと。
特に速大くんなんかは…。
(松嶋)不安よね。
ほんまにおいしいんかなっていう。
一緒に食べてるご家族とかお母さんがおいしそうに食べてるとか楽しそうに食べてるとかっていうと「あっこれは食べていいんだな」って思いません?お母さんが安心してにこにこ食べてる。
よしじゃあ食べようって判断基準だと思うんですよ。
(松嶋)はぁ〜!はいはい。
でお母さんにとっての目線で見ると速大くんが全然食べない苦しい食卓じゃないですか。
でもちょっと目線を変えて速大くん目線になりませんか?嫌いかどうかも分からない食べ物を「食べなさい」って持ってくる。
持ってくる食べ物を見ようと思ったその向こうにこんなお母さんが見えてる。
(三宅)今のままでもよかったのに。
(松嶋)私も私もよこれ。
これなるよね。
あっほんとだ。
角あるわ。
ちょっと!いやほんとに。
だからまず…まずはそこだと。
まずは…好き嫌いを生まない楽しい食卓作り。
その極意とは?今日はお母さんの好きなものを何か作ってで一緒に食べる。
えっ?それだけ?ずっと速大くんのために料理をしてきたお母さん。
久しぶりに自分が好きなハヤシライスを作ります。
これはハヤシライス。
知ってる?トマトとね何か入ってんだって。
トマトと…何か入ってるって書いてあったよ。
一方速大くんは大好物の冷凍から揚げ。
あれ?嫌いな野菜を食べさせるんじゃないの?でもこれで食卓が一変するといいます。
ブブーブブー。
茶色。
茶色〜!
(2人)アハハハハ!笑顔じゃん。
自分の好きなものを食べてうれしそうなお母さん。
すると速大くんに変化が。
実はこれが上田さんのねらいでした。
何かお母さん好きそうだなっていう事の知識が彼に入ればいいと思います。
お母さんが好きなものを今日は作って下さいって言ったじゃないですか。
子どもの好きなのはから揚げでしょ。
その時は…それはね逆に言わないで…あとはお母さんがおいしそうに食べてるのを見せるって事ですよね。
そう。
例えばテレビなんかでどなたかすっごくおいしそうに物を食べてたら…。
食べたくなる時あるよね。
ラーメンとかね。
そうそうそう。
すぐつられる。
それですよ。
食卓の悪いイメージを変える事に成功した上田さん。
しかしもう一つ課題が。
食べない。
速大くんの野菜への強烈な警戒心をなくす事。
そのために上田さんはとっておきの作戦を用意していました。
和牛ですよ和牛。
買いません…。
速大くんに料理を手伝ってもらう。
そのねらいは?小さな子どもならみんな持っている食べ物への警戒心。
トマトに直接触れてもらう事でそれをなくそうというのです。
トマトもお風呂に入れられるんだ。
いい匂いなんだ〜。
野菜に触ったり匂いを嗅いだり速大くん大はしゃぎ。
ストップ!お母さん。
シェフのためにお皿をよろしくお願いします。
すごい。
ママの大好きなサラダが。
あ〜出来た!
(拍手)トマトに親しんで警戒心が薄れてきたみたい。
ありがとう速大。
トマトおいしいぞ。
きれいきれいになったね。
トマト〜。
ママ食べちゃった。
だよね。
そう簡単にはいかないよね。
じゃあどうやったら速大くん野菜を食べられるか。
ここで子どもの好き嫌いに悩む皆さんに贈る上田式メニュー発想術。
用意してもらったのは1週間の速大くんの献立表。
納豆巻き率高いですね。
上田さんは「納豆巻きしか食べない」ではなく「納豆巻きなら食べる」と考えアレンジしていく事がポイントだといいます。
いいんじゃない?いいですか。
速大くん好みに甘辛く煮つけたきんぴらを納豆巻きに混ぜる。
おいしそう。
更に最近速大くんが食べ始めたツナにきゅうりを加えて納豆巻きに。
これはどうかな?あ〜残念。
でもこの柔軟な発想が将来宮家の味につながるかも。
頑張ろうねお母さん。
それは速大くんがトマトに触れた2日後の事。
上田さんも想像もしていなかった事が起こります。
実は現場検証の時お母さんが野菜を買おうとすると…。
ダメ?ママは好きなんだって。
ママ食べたいの。
かたくなに拒否していた速大くん。
恐る恐る売り場に連れていってみると…。
あれ?今日は自分から手を出します。
これ誰が食べるの?更に…。
これいく?大嫌いだったトマトまでも。
じゃあ入れましょう。
この間トマトに直接触った事でこんなにも変わるとは。
警戒心が消えて興味まで湧いてきたよう。
(宮)ゴシゴシゴシゴシ。
持ってってくれる?ありがとう。
よしよし食べよう食べよう。
これはもしや…。
おっいきなり!ダメか〜。
あ〜できた。
あれ?いいよ。
パクッていける?かむ前に出してしまう速大くん。
これは食べても大丈夫なものなの?ママもじゃあいくよ。
いけるかな〜?お母さんが食べる表情を何度も何度も確認します。
ママおいしいよ。
ほんと?ありがと。
半分こ。
やっぱり無理か…。
その時…上田さんがトマトの皮を破りました。
割れちゃった。
割れちゃった?割れたらおいしいかもよ。
はいペロッ。
ペロした!もういっぺんペロする?もういっぺんペロッ。
おいしい?おいしい〜。
え〜!うそだろ?トマト記念日だよ。
アハハハハ。
辛〜い。
うそみた〜い。
すごいね。
はあ〜。
うそ〜!子どもってすごいですよね。
本人も触って切って…。
やっぱり料理するとか触るとかってその食材が怖いもんじゃないんだ敵じゃないんだっていう事の認識ですよね。
そうかも。
でも何かふって今食卓の大事さね今一個だけ思いついたの。
下の子がイチゴを食べなかったの。
一応かわいそうやからいつも1個出してんねんけど全然「いらないいらない」って1歳の子が言っててそれがある時ず〜っと続いてて「食べないんだったら頂戴」ってみんながそこから取りだしたの。
「食べないんだったら頂戴」って。
ほんならある時「のっ」て。
「ららのっ」て言いだして食べだしたの。
食べたの?食べたの。
食べたらおいしかったんだ。
多分。
そこからは人のまで取るぐらい。
たくさんで食べるとこで「あの人が食べられるんだ」とか「この人はこうなんだ」とかっていう事を子どもが認識できる場所が今なさすぎる。
そうかも。
実は松嶋さんのお子さんも好き嫌いが多いそう。
その一つひじきの好き嫌い克服メニューを上田さんが考えてくれました。
うんすごい好きよピザが。
(三宅)ピザとパスタは好きだけどもひじきが嫌い?
(松嶋)嫌い。
頂きます。
ほとんどひじき。
(三宅)えっ?これひじきじゃないね。
でしょ?ひじき感ゼロ。
イタリアンになっちゃうんです。
なってる。
作り方がねニンニクとアンチョビとオリーブオイルとさっとレンジで加熱したひじきをビュ〜ッて潰しただけ。
これいいんじゃないの?こういうちっちゃな仕掛けをお母さんが時々…毎日は大変なので時々何か考えてこれならいけるかもってぽっと出した時に時々子どもって食いつくんですよ。
なるほどね。
子どもの好き嫌いを考えながらいろんな事をしていく事によってやっぱりそのおうちの味が出てくる。
だから好き嫌いは決してマイナスじゃない。
チャンスなんですよ。
2015/04/25(土) 09:30〜09:55
NHK総合1・神戸
助けて!きわめびと「好き嫌い なくせる?」[字]
今回のお悩みは「好き嫌い なくせる?」。好き嫌いの激しい双子の息子を育てあげた、料理研究家の上田淳子さんが、“好き嫌い克服”の極意を伝授する
詳細情報
番組内容
料理研究家・上田淳子さんは、偏食がひどい双子の息子を育てあげた“好き嫌い克服”のきわめびと。試行錯誤を重ねたアイデアレシピは1000を超える。普通、嫌いなものをいかに食べさせるかに目を向けがちだが、上田さんのそれは真逆。○○しか食べないではなく、○○なら食べると考える。好き嫌いは親なら誰もがやってしまうことが大きく影響しているという上田さん。好き嫌いを生まない“楽しい食卓づくり”の極意を伝授する。
出演者
【司会】三宅裕司,松嶋尚美,一柳亜矢子,【出演】料理研究家…上田淳子,【語り】本上まなみ
ジャンル :
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
バラエティ – トークバラエティ
ドキュメンタリー/教養 – その他
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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