アニメ 英国一家、日本を食べる「新宿・思い出横丁」 2015.04.25


プロ野球「楽天対ロッテ」をお伝えしました
(マイケル)
「英国人が料理を語る」そう聞いて首をかしげる人もいるだろう。
だけど心配はご無用。
僕は英国でジャーナリズム精神を培いパリに渡って料理を学びフードライターとしての名声も得た人間だ。
そんな僕がある日一冊の本と出会い日本料理に好奇心をくすぐられ日本行きの飛行機に飛び乗った
僕の愛する家族も一緒に。
これは極東の国日本を訪れた我々家族の100日間の冒険の物語

(リスン)ほら見て。
あれ東京タワーじゃない?アスガーエミルほら窓の外。
…ん?
(アスガー)東京タワーくらい知ってるよ。
今ネットで見てたとこ。
(ヘッドホンから漏れ聞こえる16ビート)もう…もっと景色を楽しんだらいいのに。
今のうちだけさ新宿に着いたらどぎもを抜かれるぞ。
アスガーエミルリスンそして僕マイケル。
我々英国一家は空港からバスに乗って東京の中心部に向かっていた

(雑踏と信号機の音)…日本人…日本人こっちも日本人日本人だらけだ〜!当たり前だ。
ここはもうロンドンじゃない。
まるでヌーの群れの真ん中に紛れ込んだ気分だよ。
ハッハッハ!おしゃれに着飾ったヌーたちだな。
東京の人口はおよそ1,300万人。
日本の人口のが国土の約0.6%にあたる土地にすし詰めになって暮らしてる。
しかもここ新宿は日本一の夜の歓楽街だ。
新宿駅だけで一日に350万人が利用するんだぞ。
うへぇ…。
この5分でもう一生分人を見た気分だよ。
腹は減ってないか?何か食べよう。
そうねエミルおなかすいた?
(エミル)すいた。
今日はピザが食べたい気分だな。
ピザはナシだ。
じゃあハンバーガー。
それもナシ。
じゃあ一体何を食べろって言うの?アスガー我々が日本に来た目的を忘れたのか?言っておくが日本の女子高生がガーターを使わずにノリでソックスを留めるってうわさの真偽を確かめるためじゃないぞ?日本料理を食べてその体験を本に書くんでしょ?それがパパの仕事。
そのとおり。
だからこの国に滞在する100日間我々が食べるのは日本料理だ。
当分の間ピザやハンバーガーはナシ。
えぇ〜!?むちゃ言わないでよ!日本料理なんてどれもこれも見かけばっかりで味も大してしないじゃないか。
食べるメリットなんてある?あるじゃない。
例えばダイエットしたい人にはうってつけよ。
ダイエットをしてる気になって安心したい人にもうってつけだ。
つまり日本料理なんてものは健康ジャンキーの嗜好品だって事でしょ?やっぱりピザがいい!それは違うぞ。
ここに座って。
異文化をあしざまに罵るほど簡単な事はない。
特に心を固く閉ざした人間にとってはね。
かつての欧米では生で魚を食べる刺身なんてものは野蛮な料理だと考えられていた。
だけど今じゃスシは人気だろ?そうだね。
全ての物事の裏側には膨大な歴史と分化の蓄積がある。
異国の食べ物一つをとってもそうだ。
それを食べて味わう事を通して感じてほしいんだ。
世界は僕らが想像もしないような可能性に満ちているんだって事を。
可能性って?例えば?ん?え…え〜っと…。
それは…だな…。
正直言うと僕もいまだに日本料理を語るための自分の言葉を持ち合わせてはいない。
だから自分の足と舌で探しださなくちゃいけない。
地球の裏側のこの巨大な迷路の中から正しく語るための言葉を。
そのために僕らはこの国に来たんだから

(電車の音)う〜ん…。
(酔っ払いの歌声)
(酔っ払い)イッヒッヒッヒッヒ!
(物音)
(酔っ払い)おうえぇぇぇぇぇ…。
う〜…。
ねえマイケル一体どこに向かってるの?うん…こっちだ。
マイケル!
(猫の鳴き声)
(リスン)ここ…何なの?思い出横丁だ。
場所は新宿。
線路のガード脇の路地に密集した飲食店のコロニーで1940年代末の東京の闇市の雰囲気を今もなお残している
本当にここで食べるの?きれい…とは言えない場所ね。
ここにトシのお薦めの店がある。
安くて食べずにはいられないほどうまいらしい。
トシ?トシって誰?パパの友達?うん。
トシのおかげで我々は日本に来るハメになったんだ。
少々扱いにくい日本人さ。
やきそばを2つ。
何これ…ふやけたミミズ?やきそばだよ。
文字どおり焼いた麺さ。
パパトシって人に担がれたわけじゃないよね?いや…ん…そんなわけ…ないだろ?ん?うんうん!うんうんうん!どう?冷静に分析するぞ。
まずダイエットには向かない。
しかしピリッと甘辛くて癖になる味だ。
とにかく食べてみろ。
ピザの事なんて忘れるぞ!こんな木の棒切れでどうやって食べろっていうの?これだから日本料理は…。
うぅ…。
うわぁ〜!どうぞ。
日本へようこそ。
あ…ありがとう。
(笑い声)乾杯。
ハッハッハッ。
やきそばしか食べてないのにもう次の店に来ちゃうの?つまりそれはだな…。
「ハシゴ」ってんだよお姉さん。
こういうとこでは一軒の店で軽く食べたら次々に店を移動して楽しむのが通ってもんだ。
長っ尻はいけねえよ。
頼むからたまには長居して下さいよ。
こんな小汚ぇ店にか?アハハハハハ!
焼き鳥は文字どおり焼いた鶏肉だ。
基本的に一本の串に数切れの肉を刺して焼くのだが肉と肉の間にネギやその他の野菜を挟む場合もある。
また鶏の内臓皮などもメニューには欠かせない。
ビールのお供にはもってこいだ
いい匂い。
バーベキューみたいなものかしら?似てるけどちょっと違う。
バーベキューってやつはオーブンで焼くのに比べるといまひとつ出来が良くない。
肉は大抵焼けすぎか生焼けか焦げているかのどれかだ。
その3つがそろっている事もあるね。
だが焼き鳥は違う。
生焼けや焼けすぎを防ぐために単純ながらも画期的な工夫をしているんだ。
工夫って?
(店主)お待たせいたしました!ふん…食材を一口大にしてるんだよ。
外国の坊やどうだ?焼き鳥気に入ったか?うん。
このドロッとしたソースが甘くておいしい!アハハハハッ!それはな「タレ」ってんだよ。
タレ?焼き鳥のタレはしょうゆベースの甘くてとろみのある調味料だ。
焼き鳥を炭焼きグリルで数分焼いたあとタレをつけてもう一度炭火にかざすんだ。
ふ〜ん。
麻酔薬を使わずに子供たちに野菜を食べさせるにはなかなかいい方法かもな。
そういう倫理的に問題のある発言やめてちょうだい。
しょうゆ酒みりん砂糖鶏ガラ…。
このとろみはコーンスターチ?…にしては匂いがないな。
ですよ。
うちの店では粉を使ってとろみを出しているんです。
お客さんも料理人ですか?ふっ…昔ちょっとね。
タレには店ごとに独自のレシピがあります。
本物の焼き鳥屋はタレを使い切らず減ってきたらそこに新しいタレを足して何年も使い続けるんです。
そんな事して腐らないのかしら?きちんと管理すれば問題ない。
(店主)では優秀な回答者に次のお題。
これが何か分かりますか?変わった食感だな。
取り立てて味もない。
プラスチックを食べてるみたいだ。
想像もつかない。
降参するよ。
(店主)それは軟骨。
鶏の胸骨の柔らかい先端部分です。
軟骨か…。
エミルは気に入ったみたい。
僕プラスチックも食べられるよ。
エミルはこのタレがあったらスニーカーだって食べちゃうんじゃないかな。
アッハハ!甘いタレのパワーは絶大だな。
(笑い声)どうだった?日本に来て最初の食事は。
うんまあまあかな。
でもケチャップがかかってたらもっと良かった。
おいおいトシが聞いたら怒るぞ。
うわさをすればトシだ。
(トシ)ようマイケル。
もう飯は食ったのか?まさか焼き鳥にケチャップなんてかけてないだろうな?それは大丈夫だ。
危ないところだったけどな。
合格だ。
明日から忙しくなるぞ。
常に腹をすかせておけよ。
お前には日本で食ってもらいたいものがたくさんあるからな。
心配するな。
食い意地には自信がある。
アスガーエミルリスンそして僕マイケル。
我々英国一家の4つの胃袋は3か月先まで予約済み。
この国での食の冒険は始まったばかりだ
おっマイケル。
東京名物満員電車を満喫したな?俺はトシ。
マイケルが電話で話していた相手さ。
ふだんは俺パリでシェフをしている。
あいつの事が気になって東京まで戻ってきたが案の定思い出横丁に子連れで来るとは…。
まったく不粋な事しやがって…。
へっ…。
さてと俺も飲んでくかな。
何てったってここは大人の街。
このざわつく感じが好きだ。
気が付いた?焼き場の向き。
どこも路地に面している。
だからこんなふうに…。
トシさん元気?もちろん元気。
路地を歩くだけでウキウキする。
今日は久しぶりにおやじさんの店に行こう。
横丁の真ん中にある串焼きの店。
おやじさん元気?いらっしゃい。
まったく…いつもわざとにらみつけるんだから。
アッハハッ。
何を焼いているのか分かる?答えはうなぎ。
創業は戦後まもない昭和23年。
俺の生まれるずっとずっと前だ。
こちらの紳士は40年以上も通う大先輩。
いい顔してますね〜!よいしょ。
はいっ。
えり焼きね。
えり焼きっていうのはうなぎの頭の後ろの部分。
少々骨っぽさは残るけどその食感がたまらない。
お兄さんどのくらい通ってるの?でそれ以来ここでしたね。
おやじさんまた聞いちゃうけど何でうなぎなの?何で?何でうなぎ屋か?昔っからうなぎ屋だようちは。
まったく…いつもはぐらかすんだよな〜。
ところでこの店にはすごいものがある。
この電球のかさ。
もはや国宝級の品だ。
これはもう六十何年たってる。
人もものも時を重ねた味がここにはある。
3杯飲んだら河岸を変える。
長居は禁物だ。
赤い鹿が目印のここは本格的なカクテルが楽しめる思い出横丁では数少ないバー。
お〜トシさん久しぶりです。
無数のシャンデリア。
趣味がいいのか悪いのか…。
でも通りとのギャップが最高だ。
ねえマスター。
はいはい?何でこの横丁に店を出そうと思ったの?そうですね…何だろうなあ…何だろうなあ…。
(笑い声)確かに温かい。
おいマイケル今度は子連れで来ちゃ駄目だぜ。
2015/04/25(土) 17:40〜18:00
NHK総合1・神戸
アニメ 英国一家、日本を食べる「新宿・思い出横丁」[二][字][再]

イギリス人フード・ライターとその家族が、日本に滞在して各地の料理や食材を食べ尽くす!?「和食」をテーマに、一家の100日に渡る日本珍道中を描くコメディ・アニメ。

詳細情報
番組内容
日本料理の魅力にとりつかれ、自分の舌で確かめようと日本にやってきたフード・ライターのマイケルとその家族。さっそく向かったのは、安くておいしいものが見つかると聞いた新宿・思い出横丁だ。薄暗い路地に飲食店が密集する光景に一瞬たじろぐが、甘辛ソース味の焼きそば、長年つぎ足した濃厚なタレの焼き鳥を味わううちに…。マイケルたちは、最初の晩からディープなニッポンを体験!?
出演者
【声】竹本英史,満仲由紀子,広橋涼
原作・脚本
【原作】マイケル・ブース,【翻訳】寺西のぶ子
監督・演出
【監督】ラレコ

ジャンル :
アニメ/特撮 – 国内アニメ
情報/ワイドショー – グルメ・料理
趣味/教育 – その他

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
英語
サンプリングレート : 48kHz

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