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【社会】

豊島の公園で高放射線量 2時間で年間限度

公園内の遊具付近の線量を測る区職員=東京都豊島区の「池袋本町電車の見える公園」で

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 東京都豊島区は二十三日、区立池袋本町電車の見える公園(池袋本町四)内の地表で、毎時四八〇マイクロシーベルトの放射線量を測定したと発表した。除染を行う基準値の約二千倍の線量にあたり、区は公園を立ち入り禁止にした。地中に何らかの放射性物質が埋まっているとみて、専門業者に委託して調べる。

 この場所に二時間いると、一般人が年間に浴びてよい放射線の許容量とほぼ同じ量の被ばくをすることになる。区は、区民向けの相談窓口=電03(3987)4174=を設置した。

 区によると、四八〇マイクロシーベルトを記録したのは、すべり台が二つ連なった複合遊具近くの地表。すべり台の階段でも、除染の基準値の約十倍にあたる二・五三マイクロシーベルトを記録した。公園内の他の遊具に異常はなかった。

 二十日に区民から「放射線量が高い場所がある」と通報があり、区が二十三日午後、測定機を約一分間地面に接触させて測った。

 公園は区が二〇一一年一月に都から土地を購入し、一三年三月に開園。かつては都のごみ収集車の車庫だった。都が引き渡し時に土壌を調べ、鉛を検出したため除去した。放射線物質については報告がなかったという。

 今回、測定に立ち会った原子力規制委員会の職員は「東京電力福島第一原発の事故で出た放射性物質ではない」とみている。

 都内では一一年、世田谷区の路上とスーパーの駐車場で、高い放射線量が計測されたケースがある。いずれも、近くの地中から放射性物質のラジウム226や試薬瓶などが見つかった。駐車場の地表では毎時一一〇マイクロシーベルトを計測した。

 公園は東武東上線下板橋駅近くで、周囲は静かな住宅街。日中は幼児、放課後は小中学生が遊び、休みの日にはたくさんの子どもでにぎわう。

 二歳の息子と訪れていた主婦斎木公子さん(36)は「赤ちゃんの時からはだしで遊んでいたのに…。豊島区は公園が少ないのでしっかり測定してほしい」と心配顔だった。近くの保育園関係者は「園児を連れて週に何度も遊びに来ていた場所。これからは控えなくては」と話した。

 

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