佐藤達弥
2015年4月24日03時00分
日本が中国東北部につくった旧満州国が崩壊してから、今年で70年。その実態に女性の生きざまという視点から迫ろうと、大阪大などの研究者たちが「女たちの満洲 多民族空間を生きて」を出版した。「比較的進んでいた女子教育など、それほど知られていない女性の日常に迫った」としている。
執筆したのは大阪大や同志社大などで北東アジアの歴史や経済、文化を研究する11人で、うち7人が女性。極東ロシアと旧満州に関する研究雑誌「セーヴェル」編集者で、大阪大名誉教授の生田美智子さん(68)が出版を呼びかけた。現地で暮らした日本人や中国人、ロシア人、朝鮮人、モンゴル人、少数民族の女性を対象に、仕事や服装、買い物、結婚の自由度、女子教育などを幅広く取り上げている。
日本から移り住み、現地の日本人男性と結婚した女性は「大陸の花嫁」と呼ばれた。写真による見合いや文通で相手を選ばなければならない不自由さはあったものの、大陸へ渡って結婚すること自体は女性自身が選択できたという。
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