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 イラク北部で現地当局に身柄を拘束され、帰国した元自衛官の20代の男性について、大阪府警がパスポートを不正に入手したとする旅券法違反容疑で事情を聴いていることが捜査関係者への取材でわかった。男性が拘束された場所は過激派組織「イスラム国」(IS)の支配地域に近く、府警は、男性の渡航目的を慎重に調べている。

 捜査関係者によると、男性は今年2月上旬、トルコから陸路でイラク北部に入った。クルド人自治区の中心都市アルビル付近で検問を受けた際、現地当局に身柄を一時拘束されたという。男性は同月中旬、関西空港に帰国した。

 関係機関からの連絡を受けた府警が捜査したところ、男性がパスポートを申請した際に、交通事故を起こして禁錮刑以上の刑が確定して執行猶予中だったことを隠していた疑いがあることが判明。在宅のまま事情を聴いているが、捜査関係者によると、男性はIS入りの目的については否定している。

 ISをめぐっては、警視庁公安部が昨年、男子大学生が戦闘員になる目的でシリアに渡航しようとしたとして、私戦予備・陰謀容疑で事情を聴くなどしている。