日銀は30日に開く金融政策決定会合で、今年度の物価上昇率見通しを従来の1%からゼロ%台後半に早くも下方修正する見通しだ。「2年程度で2%の物価上昇」という公約はすっかり空証文と化したが、2%目標について「こだわる必要はない。無理に2%に持っていく必要はない」と言ってのけたのは、内閣官房参与の浜田宏一・米エール大名誉教授(79)である。
先週のBSフジの報道番組での発言で、日銀の再追加緩和についても「さらなる国債買い入れなど技術的に難しくなる可能性もある」と、しれっと答えていた。
ご存じの通り、浜田氏こそ、異次元緩和の提唱者だ。安倍政権発足直前に「目指す物価上昇率は諸外国並みの2~3%が適切」「日銀は国債を大規模に買い入れればよい」などと首相に進言した張本人である。
異次元緩和の開始から2年。成果がちっとも上がらないことへの焦りなのか、自ら大失敗を認めたのか。いずれにしろ、言い出しっぺの“ちゃぶ台返し”発言は、異次元緩和失敗の逃げ口上にしか聞こえない。