全日本個人総合予選を翌日に控えた代々木第一体育館(東京)で、会場練習ならびに試合前の記者会見が行われた。
前年の優勝者であり7連覇中の内村航平(KONAMI)は跳馬で、新しい技リー・シャオペン(D6.2)に挑戦する。これまで行っていたヨー2(前転とび前方伸身宙返り2回半ひねり D6.0)の前にロンダートひねりを追加した、高難度の跳躍だ。
「個人総合でリー・シャオペンを跳ぶ選手は(世界的にも)滅多にいない。それを成功させることで達成感が得られる」と語る内村は「今は跳べそうな気がする」と自信を見せる。
6種目合計でDスコア0.5を上積みし、さらに高みを目指す内村は、今年もわれわれ体操ファンを楽しませてくれそうだ。
昨年の世界選手権個人総合で銅メダルを獲得した田中佑典(KONAMI)は、全日本個人総合を、世界選手権の代表入りするための手段と語る。
3月に行われたワールドカップ・アメリカ大会にも出場し、演技の完成度も高まっている。鉄棒ではアドラーひねり(D)+コールマン(F)という連続技も取り入れ、昨年よりも高難度の構成で全日本に臨む。
2013年世界選手権あん馬の金メダリスト亀山耕平(徳洲会)は、「あん馬は全体のリズムが大事。だから予選も構成は変えない」と言う。Dスコア7.2は個人総合予選の構成としては破格の高難度だ。
「6種目ちゃんどできれば予選通過はできる。でもあん馬が鍵になる」ブルーノ・マーズと久保田利伸の影響を受け「アフロが最高にカッコイイ」と話す亀山耕平は、独自の価値観で今大会もあん馬にこだわる。
TEXT : MASARU “Taroken” MAEDA