2015年4月24日05時18分
首相官邸(東京都千代田区)の屋上で見つかった小型無人飛行機(ドローン)のプロペラ周辺が一部損傷していたことが23日、捜査関係者への取材で分かった。機体は上下逆さまの状態で見つかっており、警視庁は意図せず落下した可能性があるとみている。
捜査関係者によると、ドローンにはプロペラが四つあり、壊れていたのはこのうち1カ所のプロペラを守る枠の部分。機体は正しく着陸すればプロペラが上に向くが、官邸職員が22日午前に屋上の南西側のヘリポート近くで見つけた機体はプロペラが下向きになっており、雨水とみられる水がたまっていた。
機体の中央部分には「PHANTOM」(ファントム)のロゴがあり、同庁は機体は中国のドローン製造大手「DJI」の主力機種「ファントム」とみている。同社の日本法人によると、国内外で100万機ほどが売れたという。
DJIによると、ファントムは6種類売られており、航続距離は数百メートル~数キロ。同社は事件を受け、官邸上空と皇居周辺の上空を飛行禁止区域に追加。半径1キロ圏に入ると自動的に着陸し、離陸もできないようプログラムを改めた。今後販売する機種に導入するほか、すでに販売された機種でも利用者にプログラム更新を促すという。
■重要施設上空、禁止の方針
首相官邸の屋上で小型無人飛行機(ドローン)が見つかった問題を受け、政府は重要施設の上空でドローンの飛行を原則禁止する方針だ。航空法を改正する方向で、どういった施設を対象とするかなどについて検討を進める。
政府は24日に、危機管理を担当する杉田和博官房副長官を議長とする関係省庁による連絡会議を開き、対応を協議する。菅義偉官房長官は23日の記者会見で「犯罪防止策をはじめ、ありとあらゆることに対応できるよう関係機関の連携が必要だ」と述べた。
自民党も24日、党治安・テロ対策調査会(会長=森雅子・元特定秘密保護法担当相)を開いて、対策について、議論を始める。飛行規制などに関する法改正などを検討する見込みだ。二階俊博総務会長は23日の派閥会合で「(関連法成立は)次の国会と言われているが、そんなのんびりしたことでいいのか」と述べた。
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