既製品の着物を二部式に

私のブログをご覧頂いた方から単衣の既製品の着物を二部式にとの依頼がありました。
海外旅行に持って行きたいとのことでした。
正直なところ作品展を控えて自分としては余裕の無いときでしたが、旅行、それも海外ということでこれは「KIRAKU」の出番だと(笑)喜んでお受けしました。

既製品と言うことでしたので、ミシン縫いで縫い代も少ないのではと思いとりあえず着物を拝見してからと言うことでご理解を頂き送って頂きました。
想像通り全てミシン縫いで縫い代も少ないため裄丈や身幅を出すことは出来ませんが身丈は上下共に別布を足すことで何とかなりそうです。

ですが、ここで一つ私にとってどうしても気になるところが・・・
洗える着物は自宅で洗濯出来ると言うメリットがありますのでその意味ではミシン縫いの方が適していると思います。
とは言え「ここだけは手縫いでなくては」と言う箇所がいくつかあります。
例えば袖口と振りの「くけ」、下衣のおくみと裾の「くけ」ここだけはミシン縫いでは駄目です。
今回お預かりした着物は残念ながえらその部分も全てミシンで仕上げてありました。
ご依頼主の方に別途料金になりますがそこは手縫いで仕立て直しでもよろしいでしょうか?とお伺いしましたところ快諾していただきました。

袖の振りと身頃のくけの部分です。
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おくみと裾のくけの部分です。
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もっと気楽に、気軽にと言うのが私の二部式着物「KIRAKU」ですが、着物本来の美しさについては譲ることなくこれからも追求して行きたいと思います。

浴衣と半幅帯

来月14日からの作品展が近づいてきました。
今年は浴衣と半幅帯をテーマに作品作りをしています。
最近は浴衣も美容院で着付けてもらう方が多いとか。
二部式にすることで誰でも簡単に着られてしかも洗濯も簡単なので、まさにこだわりの二部式着物「KIRAKU」の出番だと確信しています。
作品展に出展販売する浴衣は4点、他に展示のみの単衣が2点仕立て上がりました。
帯は倉敷市児島の畳縁メーカーが手芸用に販売を開始したものを使って半幅帯を仕立てているところです。
材質はPP(ポリプロピレン)が主で適度な張りがあり、これで帯を作ったら面白いかも?と考えました。
サイズが幅約8センチなので2枚合わせるとちょうど半幅帯にピッタリなんです。
ところが仕立てる段階でこれだけでは皺になりやすく帯としては少し難しいと感じました。
そこで表地にこの畳縁を裏地に手持ちの帯地やデニムを合わせてみました。

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あともう3,4点仕立てたいと思っています。

シルックの着物

作品展に出品する浴衣も予定の4点がようやく仕立て上がりました。
あとは半幅帯と二部式帯を5、6点作るつもりですが、その前にご注文いただいている物を順に仕上げて承諾をいただければそれも展示させていただこうと思っております。

そのうちの一点はグリーンの無地に地模様の東レシルックの着尺です。
袷仕立てにするのですが、洗える着物なので胴裏も八掛も絹ではなく化繊のものでなくてはなりません。
市内の大型生地店で洋服地の裏地を探しましたが気に入るものが見つかりません。
仕方なく色が気に入ったのでポリエステルの無地の生地を購入しました。
ところがいざ仕立ててみると生地に光沢や張りがありすぎてどうもしっくりしないのです。
表地と馴染まないのでやはりこれでは駄目だと・・・結局もう一度探すことにしました。

現在では市内で裏地を専門に扱っているお店は1軒だけだそうです。
それも今の店主さんで店仕舞いだそうで在庫分だけの販売だとか。
思っていたとおり探している色は見つかりませんでしたが、手触りや質感などイメージにピッタリの裏地がありました。
東レシルックの裏地です。残念なことにもうメーカーでも生産していないそうで今ここにあるだけだということでした。
渋いオレンジ系のものを購入しました。本来ならば同色系が無難なのでしょうが仕方ありません。
でも私はこの色がとても気に入っています。きっと良い物に仕上がると言う予感でワクワクしているのです。

市内で一つだけになっていた草履の専門店も最近店仕舞いしました。後継者がいないということです。
そしてこの裏地屋さんも・・需要が減って止むを得ないのでしょうが何だかとても寂しい気がします。
こういう専門店がどんどんなくなっていくのは本当に残念ですね。

無心と言う幸せ

今日は公民館の着物講座の日でした。
袷の着物に取り組んでいるHさん、とても針通りの難しい素材で悪戦苦闘ですが何とかあと一歩というところまでたどり着きました。もう一息ですので頑張ってください!

一方襦袢の仕立てをされているFさんとMさん、こちらはメインの素材が晒し木綿と言うこともあり、滑らかに針が進んでいます。難しい衿付けも無事終えました。

私の着物教室は何度もご紹介しておりますように「気楽に、ゆる~く、何でもあり」がモットーですので皆さんそれぞれのペースで楽しんでいらっしゃいます。
和裁の先生がご覧になったら首をかしげることが続出だと思いますが(笑)
プロを目指す教室ではありませんので、着物をより身近に感じていただき普段の生活に取り入れて着物生活を楽しんでいただくことが一番の目的だと考えております。

何よりも針を動かすことで心が落ち着き無心になれる、そんな時間を大切にしたいと思っております。
まさに今日生徒さんからその言葉をお聞きしてとても嬉しくなりました!

私事で恐縮ですが、ちょうどこの仕事を始めたばかりのころとても悲しい出来事がありました。
じっとしていると涙が溢れてどうしようもありません。
でもこの着物教室があったことで生徒さんと接している時間、一人のときでも針を動かしている時間だけは無心になれました。
その繰り返しの中で何とか今日があると感じております。

どういう状況にあっても何か一つでも無心になれること、これさえあれば時間を忘れられるということがあれば人は頑張っていけるものだと思います。
それを見つけることが出来た幸せに心から感謝しております。



反物から二部式を仕立てる

私の二部式着物作り方教室では、主に仕立てあがった着物を二部式にリメイクする方法をお教えしています。
「和裁を知らなくても誰でもできます」というのが私のこだわりだからです。
その作業はほとんど直線縫いですので針を持ったことが無いという生徒さんも楽しく参加されています。

もちろん反物や洋服生地からも仕立てることができますが、その場合は衿付けや袖付けなど和裁の技術が多少必要になりますので誰でも簡単にと言うわけには行かないかもしれません。
型紙を使用する洋服とは違って着物はその都度細かい計算をしながら着物に直接印し付けをします。
私も最初は普通の着物を仕立てておりましたのでこの印し付けが何とかならないものかとずっと考えておりました。

二部式を考案した際その展開図を書いたとき、これで型紙を作れるのでは?と思ったのです。
まず自分のサイズの上衣の型紙を作りました。下衣と袖はそれぞれの長さの長方形で良いので型紙は必要ありません。
そのうち仕立てを頼まれるうちに身長、体重でおおよその寸法が分かるようになりました。
そこで身長160cm前後の方のサイズの型紙を作りそれをもとに着丈、裄丈などその都度増減して裁断しています。

あるとき、仕立てをお受けした方に「私は型紙を使って裁断しています」と申し上げましたところ、ビックリされてしまいました。私の説明不足もあったのでしょうが「キャンセルします」と言われました。
印し付けのために型紙を使用しているだけで裁断、仕立ても全く変わりないのですが・・・
ネットでの注文をお受けする際には特に充分な説明が必要だと痛感いたしました。

作品展に出展する着物(今回は浴衣です)もこの方法で反物から仕立てております。
どこがどう違うのか是非実際に手にとってご覧いただきたいと思います。

プロフィール

Author:avril4th
岡山で二部式着物の作り方教室を開いています。新しく通信講座を開講しました。二部式へのお仕立ても承っております。
お問い合わせは:KIMONO2BU★GMAIL.COMまで
(送信の際には全て小文字で★を@に変えてください)

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