ドローン:官邸の機体は改造機…性能に詳しい人物か

毎日新聞 2015年04月24日 02時32分

首相官邸の屋上で見つかったドローン(ひっくり返った状態)
首相官邸の屋上で見つかったドローン(ひっくり返った状態)

 首相官邸の屋上で小型無人機「ドローン」が見つかった事件で、このドローンはモーターやプロペラが高性能の製品に取り換えられるなど改造されていた可能性が高いことが23日、捜査関係者などへの取材で分かった。市販の機体は白で、見つかった機体は黒く塗装されていたが、塗装は各パーツをいったん分解して精巧に行われていたことも判明。警視庁麹町署捜査本部はドローンの性能などに詳しい人物が関与したとみて所有者の特定を進める。

 捜査本部によると、見つかったドローンは中国メーカー「DJI」社製の「ファントム」というシリーズの機体(全長60センチ)。ひっくり返った状態で発見され、着地に失敗したのかプロペラを保護するパーツの一部が破損していた。同社日本法人(東京)によると、ファントムは6種類あり販売価格は数万〜数十万円。世界で約100万台販売され、日本国内でも約5万台が売れた同社の看板商品。

 捜査関係者などによると、市販の機体はプラスチック製のプロペラが四つ付いているが、官邸で見つかった機体は軽量で強度が高いカーボン製のプロペラに交換されていた。プロペラを回すモーターも大型のものに取り換えられた可能性が高い。

 機体には小型カメラや液体が入ったプラスチック容器、2本の発煙筒が取り付けられていたことから、捜査幹部は「機体を軽量化して積載量を増やすためにパーツを交換したのではないか」とみる。交換したとみられるパーツは市販されているものだという。また、黒の塗装は夜間に周囲から目立たず飛行させるために行われた可能性があるが、夜間の操縦で目印となる機体の発光ダイオード(LED)ライトも黒っぽく塗りつぶされていたという。【岸達也、大平明日香】

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