ももいろクローバーZの左から高城れに、玉井詩織、百田夏菜子、佐々木彩夏、有安杏果【拡大】
先日、東京・中野サンプラザで行われた「ももクロ試練の七番勝負・番外編」を取材した。
ももクロの5人が、他分野の著名人とトークを繰り広げる人気企画で、この日は「女子プロレス」がテーマ。女子レスラーを代表してゲスト出演した神取忍とブル中野が「ももクロが芸能界でトップを狙おうと思ったのはいつ?」と聞いたとき、メンバーに促されたリーダの百田夏菜子が、恥ずかしげに、あの“名言”を披露した。
「私たちは、天下を目指してきました。でもそれは、アイドル界の天下でもなく、芸能界の天下でもありません。みんなに笑顔を届けるという部分で天下を取りたい」
昨年3月、紅白に続く第2の夢に掲げていた国立競技場公演を成功させたときの名ゼリフ。
高城れには「この言葉を聞いた瞬間に、私たちはリーダーについて行こうと思いました」。玉井詩織は「ライブ中のMCはメンバーも誰が何を言うか知らない」と補足した上で、「頭は良くないけど、(百田の)人間的な部分はすごいなと思います」と称賛した。
会場からは当時を思い返したファンのすすり泣きが聞こえた。かく言う記者も思い返して胸が熱くなった。
ファンのことを第一に考えているからこそ出てきた飾りのない素直な言葉。ももクロのリーダーは、最年長の高城でもなく、しっかり者の佐々木彩夏でもなく、やはり百田しかいないと、ファンが思った瞬間だったに違いない。
まだ6人だった頃から取材しているが、ももクロは本当に変わらない。自分たちが売れっ子であることを、知ってか知らずか、楽屋裏で会っても、まるで“友達”のようにチョッカイを出してくる。良い意味で記者と芸能人との“距離”を感じさせない。もちろん、ファンに対しても。これこそが、ももクロの最大の魅力のように感じる。
「私たち、誰がライバルとか思ったこと、本当に誰もないんですよ」。百田の言葉に、中野は「本当に自分の“目の前”の方に向けて頑張っているんだね」と目を細めた。
マー君(ヤンキースの田中将大投手)効果もあり、いまや世界にも認知されているももクロ。このまま変わらないでほしいと願っている。(まろ)