6億円がパー? Indiegogo第2位の出資を集めた会社、踏み倒しで訴えられる
詐欺だったとしても、Indiegogoは助けてくれない。
Indiegogoで資金募集していた電動自転車「Sondors」は、早めに申し込めば1台500ドル(約6万円)という手頃さがヒットして、500万ドル(約6億円)超というIndiegogoとしては過去2番目に多い出資額を集めることに成功しました。が、その考案者が今、クラウドファンディングキャンペーンを運営したPR代理店から訴えられています。
そもそもこのキャンペーンは、ちょっと危なっかしいところがありました。考案者のStorm Sondors氏はこの自転車を「電動自転車のテスラ」と称していましたが、バッテリーライフや充電所要時間、走行可能時間などのスペックがコロコロ変更されていました。中には、Sondors氏らによる性能のアピールぶりはほとんど「詐欺」レベルだったと言う人もいました。
Sondors氏を訴えたのはPR代理店のAgency 2.0、理由は「契約上の詐欺」です。要は、支払うべきお金の踏み倒しです。
でも訴えられたからってだけで、Sondors氏が悪いとは限らないし、彼らの自転車がゴミだということにもなりません。Agency 2.0も、今までクラウドファンディングで失敗したことがないわけじゃないんです。以前スマートウォッチ「Kreyos」のクラウドファンディングキャンペーンも運営していましたが、こちらもやっぱり150万ドル(約1億8000万円)ほど資金を集めたあげくに会社ごと崩壊してしまいました。
でも、大成功したはずのキャンペーン費用も支払ってないってことは、Sondors氏が出資者に対する約束も果たすつもりがあるのかどうか不安になってきます。この電動自転車を予約した人は、1万2000人以上にのぼるんです。しかもSondors氏が踏み倒しで訴えられるのはこれが初めてではなく、数年前におもちゃメーカーの社長を務めていたときにも似たようなことがあったようです。ヤフーにはこうあります。
おもちゃ業界のリクルーターであるToyJobsのWebサイトによれば、Sondorsは2008年、ToyJobsからも詐欺で訴えられている。同社はSondors氏が、ToyJobsが見つけた従業員を雇ったにもかかわらず手数料を支払っていないとしている。ToyJobsによれば、ニュージャージー高等裁判所は2011年、Sondors氏に対し4万ドル(約480万円)近い支払いを命じる欠席判決を出している。
メールでその金額を回収したのか聞いたところ、ToyJobsのTom Keoughan CEOは「現在対応中です」と答えた。
どんなクラウドファンディングキャンペーンにも言えることですが、出資とはリスクを取るということです。そしてお金を出したプロジェクトが頓挫したり、実は詐欺だったりしても、Indiegogoのようなクラウドファンディングサービスは助けてくれません。
クラウドファンディングの仕組みでは、熱意と才能のある人のアイデアに共感して出資し、彼らの夢の実現に協力しつつ、うまくいけば新しい何かを手にすることもできます。なんだか理想のエコシステムみたいですが、実際うまくいくとは限りません。そしてうまくいかなかったとき、そんな「理想郷」を動かしている組織も、やっぱり利益を追求する普通の企業なのねってことに改めて気付かされます。
Image by Indiegogo
source: Yahoo! via Alyssa Bereznak
Kate Knibbs - Gizmodo US[原文]
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