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ドローン生かすためにも悪用の道ふさげ

2015/4/24付
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 テロや犯罪に悪用されるのではないか、との懸念が現実のものになった。「ドローン」と呼ばれる小型の無人飛行機が東京・永田町の首相官邸の屋上に落下していた。取り付けてあった容器からは微量の放射線が検出された。

 幸いけが人などはおらず、放射線も人体に影響が出るようなレベルではなかった。官邸を目標に、何者かが意図的に飛ばしたものとみて、警視庁が調べている。

 無人機の使用については現在、ほぼ規制がない状態といっていい。使い方は利用者に任されているのが実態だ。

 ドローンは災害・事故現場での調査や物品の搬送など、幅広い分野への応用が期待されている。健全な発展を促していくためにも、実効性のある規制の導入を急ぐ必要がある。

 ドローンは無線で遠隔操作でき、全地球測位システム(GPS)の機能を使えば、目的地までの自動飛行も可能だ。操縦に免許などは要らず、個人向けのものは家電量販店などで手軽に購入できる。官邸で見つかったものは直径約50センチで、4つのプロペラが付いたタイプだった。

 利用の拡大にともない、近年、課題も浮上していた。昨年11月には、神奈川県で開かれたマラソン大会のコース付近に墜落し、接触した女性が顔に軽傷を負った。米国ではホワイトハウスにドローンが落ち、テロ対策の面からも大きな問題とされていた。

 過去には日本でも、オウム真理教による一連の事件で、教団が無線操縦のヘリを使って上空からサリンを散布する計画を立てていたことが明らかになっている。

 政府はドローンの規制に向け、関係省庁連絡会議の設置を決めた。官邸など重要施設の上空での飛行を制限するといった措置が必要だが、それだけでは効果は薄い。購入する際に住所や名前を確認して記録したり、個々の機体を登録したりする制度などを、多面的に検討すべきだ。

 技術面からの対策も重要だ。悪意を持ったドローンの接近を探知し、侵入を防ぐための研究開発を進める必要があろう。

 ドローンを適切に利用すれば、社会に大きなメリットをもたらす。自然観測やインフラの状態管理、自動測量などビジネスとしても大きな可能性を秘めている。悪用を防ぎ、安全で真に役立つ道具に育てていきたい。

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