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「砂のクロニクル」で知られる作家、船戸与一氏が死去
「虹の谷の五月」「砂のクロニクル」などの作品で知られる作家の船戸与一(ふなど・よいち、本名・原田建司=はらだ・けんじ)氏が22日、胸腺がんのため、死去した。71歳だった。葬儀・告別式は近親者で行う。
昭和19年、山口県下関市生まれ。早大法学部卒業後、出版社勤務を経て54年に「非合法員」で作家デビュー。早大探検部時代から世界各国を放浪して歩いた体験を生かし、海外を舞台にしたスケールの大きな冒険小説に定評があった。漫画「ゴルゴ13」の原作を手がけたこともある。平成4年に「砂のクロニクル」で山本周五郎賞、12年に「虹の谷の五月」で直木賞を受賞した。日本冒険小説協会大賞を計6回、受賞している。今年3月には、日本ミステリー文学大賞を受賞している。
他の作品に「山猫の夏」、「蝦夷地別件」など。今年2月に、旧満州を舞台に日本の激動の時代を描いた10年がかりの大作「満州国演義」(全9巻)が完結したばかりだった。