2013年07月08日

2013インターハイに向かって⑤ 静岡県立島田工業高校団体<上>

2013インターハイに向かって⑤ 静岡県立島田工業高校団体<上>

3月の高校選抜大会から気になっているチームがある。
静岡の島田工業高校だ。

高校選抜大会では、男子の試技順2番だった。
まだ、大会序盤で観客席の空気もまだどことなく緩慢な時間帯での登場。しかし、その演技はたしかに会場の空気をきゅっと引き締めるだけのインパクトをもっていた。

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「島田工業高校」は、たしかにインターハイの常連校であり、毎年、「そこそこうまいチーム」だということは私も知っていた。
だが、同時に、「そこそこうまいが、オーソドックスな演技で、それほど印象に残る演技ではない」ということも知っていた。

だから、高校選抜のときも、良くも悪くも、「いつも通り」の演技なんだろうと思って見ていたのだが、演技冒頭から、「えっ? これが島田工業?」という驚きの連続だった。

例年のチームと能力はさほど変わらないんじゃないかと思う。
いや、選抜の段階では夏のインターハイのときよりは、力は落ちていたのかもしれない。が、それを補って余りあるほどに、いつもとは違う島田工業だったのだ。

一言で言うなら「かっこいい」! つけ加えるなら「洗練されている」!
そして、「工夫されている」 じつに魅力的な演技だった。

最近の男子新体操のトレンドをほどよく取り入れつつ、本来、島田工業がもっているオーソドックスな男子新体操の良さも感じられる、とてもいい作品で、しかも実施の面でも目立ったミスはなかった。

得点は17.400。印象よりはやや低いような気もしたが、試技順2番ということも考えれば、まずまずだったかもしれない。
結果、高校選抜で島田工業は7位だった。上の6校は小林秀峰、神埼清明、井原、青森山田、恵庭南、盛岡市立という上位常連校だったことを考えると、かなりの健闘だ。

そして、私は、もう一度、この演技を見る機会を得た。
5月にユースチャンピオンシップと同時開催された男子団体選手権だ。
島田工業はここにもエントリーしてきた。

このときは試技順3番。
島田工業の前が、優勝候補の埼玉栄高校で、埼玉栄はすばらしい演技を見せ、会場が沸きに沸いた。

その直後にフロアに登場することになった島田工業だったが、彼らの演技は会場の空気をしっかり自分達のものにすることに成功した。
独特な入りの技で意表をつき、その後は、動きをしっかりそろえて見せる。そろっていることがわかりやすい徒手の部分はもちろんのこと、今年の島田工業の演技は、その隙間を埋める動きのそろい方が絶妙なのだ。そして、その動きが、うまく音をとらえ、見る者をぐっと引き込む力をもっている。

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高校選抜のときに感じた、あの「おおっ?」という感覚は、やはり間違っていなかった。 今年の島田工業は、ひと味違う。 この作品は、この演技は、今までの島田工業の殻を破るものになる! この団体選手権の演技で、私はそう確信してしまった。 rg-lovers-414939.jpg


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団体選手権では、じつは惜いミスがあった。鹿倒立で1人動いてしまったのだ。しかし、それでも18.025で3位。
島田工業にとっては、男子団体選手権初のメダルだった。

これは、インターハイがますます楽しみになってきた。
そう思った私は、今年の島田工業の変化の秘密を探るべく、先日、島田工業を訪ねてみた。

静岡は神奈川県の隣だから、近いもんだと思ってうっかりJR各駅停車で向かったら、思った以上に遠かった。
静岡県と言っても島田まで行くと、むしろ愛知県のほうに近いのだと、今回の旅で思い知らされた。

しかし、それだけの長旅をしても、今の島田工業は、行ってよかったな、と思わせるチームだった。

「島田工業高校レポート」は、<下>でお送りする。
                                <撮影:椎名桂子←高校選抜、清水綾子←男子団体選手権>

※ジムラブに記事をアップしました。「体操女子、ユニバーシアード銀!」ということで、美濃部ゆう選手の記事です。http://gymlove.net/gl/topics/report/2013/07/08/67-13/


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