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チリの火山 新たに大規模噴火で避難続く
4月23日 18時44分

チリの火山 新たに大規模噴火で避難続く
南米チリで、火山の大規模な噴火が起きて、噴煙が上空およそ1万5000メートルにまで達し、チリ政府は警戒レベルを最高度に引き上げて、半径およそ20キロ以内に住む住民に避難するよう呼びかけています。
噴火したのは、チリの首都サンティアゴから南におよそ1000キロ離れた、標高およそ2000メートルのカルブコ火山です。現地時間の22日午後6時ごろに噴火し、チリ政府によりますと、噴煙が上空およそ1万5000メートルにまで達しました。現地からの映像では、火口付近から噴煙が空高く立ち上る様子が分かります。
チリ政府は、警戒レベルを最高度に引き上げ、半径およそ20キロ以内に住む4400人ほどに避難するよう命じました。火山灰は隣国アルゼンチンの西部の町にも降り注ぐなど、影響が広がっています。
チリ政府は、さらにこの噴火からおよそ7時間後の現地時間の23日午前1時ごろ、カルブコ火山で新たに大規模な噴火が確認されたと発表しました。チリのバチェレ大統領は、23日にはみずから現地を訪れ、被害状況を確認する予定です。
地元メディアによりますと、カルブコ火山が噴火したのは、1972年以来43年ぶりだということです。
チリでは、先月3日にも南部にある別の火山で大規模な噴火が起きています。

巨大地震以降 火山活動が活発に

チリでは、5年前の2010年に巨大地震が発生して以降、火山活動が活発になり、規模の大きな噴火が相次いでいます。
チリの沿岸では2010年2月にマグニチュード8.8の巨大地震が発生し、日本の沿岸にも津波が押し寄せました。
この巨大地震から1年余りたった2011年6月、チリ南部のアンデス山脈にあるコルドンカウジェ火山群で50年ぶりに規模の大きな噴火が発生し、噴煙は上空およそ1万5000メートルに達しました。山麓(さんろく)に大量の火山灰や噴石が降ったほか、火山灰はおよそ1万キロ離れたオーストラリアの上空にまで広がり、南半球では航空機の運航に大きな影響が出ました。
また、今回噴火したカルブコ火山のおよそ200キロ北にあるビジャリカ火山では、ことし3月に噴火が発生し、火口から溶岩が流れ出しました。
火山噴火予知連絡会の藤井敏嗣会長は、「マグニチュード9前後の巨大地震が起きたあとには、世界的に例外なく、周辺の火山で大規模な噴火が発生している。4年前に巨大地震があった日本では今のところ大規模な噴火の兆候は見られないが、今後の火山活動には注意が必要だ」と指摘しています。

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