2013年07月17日

2013インターハイに向かって⑪ 北海道恵庭南高校団体

2013インターハイに向かって⑪ 北海道恵庭南高校団体

ここ数年、恵庭南高校の団体演技には、感動させられることが多い。
とくに昨年のインターハイでは、試技順が早かったため、やや採点的には不利だったか、と思うくらいに、得点以上の印象を残した。

そして、今年3月の高校選抜でも、やはり盤石の演技を見せ、18.275で5位。試技順が最後で、優勝した小林秀峰の直後という独特な雰囲気の中での演技だったが、彼らの演技は、きっちりと確実で、この大会でへっぽこカメラマンぶりを発揮した私が撮っても、しっかりと美しく6人そろった瞬間が何枚も撮れていた。
それだけ、体操をちゃんと見せることができるだけの能力と、見せるに値する徒手をもったチームなのだ。おまけに伝統的に強いタンブリングは、今も健在だ。

この大会では、5位争いの常連である埼玉栄高校が、前日の公式練習中に選手の1人が負傷するというアクシデントで5人編成となってしまい順位を下げてしまったという状況ではあったが、それでも、恵庭南が埼玉栄と並んで、「トップ4(小林秀峰・神埼清明・井原・青森山田)を脅かす存在」であることには間違いない。

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そして、今年6月の団体選手権。 埼玉栄、さらには、インターハイには出場できないNPOぎふ新体操クラブと恵庭南の熾烈な戦いに期待していたのだが、この大会では、恵庭南がアクシデントに見舞われる。メンバーの一人が、ユース予選で足を痛めてしまったのだ。 団体選手権前日の公式練習では、なんとかやろうしている姿も見受けられたが、かなり厳しそうだった。そして、当日、やはり彼の姿はフロアになかった。
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5人編成になってしまった恵庭南は、それでも大きなミスもなく健闘したが、16.500で9位。5人編成によって、1.5の減点もあり、これは仕方ない順位だった。 それでも、構成9.200、実施8.800と、たとえ5人でも、上位争いに食い込める得点は出せている。これが、6人そろった演技だったら、さらに迫力も増し、もっと高い得点も望めるはずなだけに、やはり侮れない存在と言えるだろう。
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先日、国士舘で見た神埼清明もそうだったが、恵庭南もまた、ここ数年で動きの美しさ、深さなどが飛躍的に向上したチームではないかと思う。 ただ、基本的には「そこ」で勝負するタイプのチームではない。 ことさらに、「美しい新体操」や「凝った表現」を見せつける演技ではないように思う。
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ある意味、シンプルにノーマルに、彼らのもつ「強さ」をしっかりと見せるのが恵庭南の新体操であり、彼らにとって「美しさ」は武器ではなく、標準装備という感じがする。 昨年の全日本ジュニアで、恵庭のジュニアチームが団体で優勝したが、その勝因は、恵庭南の強さと通ずるものがあった。 つまり、彼らの新体操は「ちゃんとしていた」のだ。 そして、その「ちゃんとした体操」を、ちゃんと見せる実施だったのだ。
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今の恵庭ジュニア達は、「徒手重視」で育ててきたチームだと、昨年の全日本ジュニア後に聞いた。 そして、現在の恵庭南高校の選手達は、恵庭ジュニアが「徒手重視」に舵を切ったころにジュニアだった選手達なのだ。 だから。 今の恵庭南の演技は、見ていてこんなに心地よいのだな、とあのときわかった気がした。 足先やひざなど、男子には目立つ粗も少ない。さらに、全体的に胸が厚く、そしてその胸が前後によく動く。そのことによって、彼らの動きには深みや重厚感が増している。
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以前のイメージから、「恵庭は徒手が弱い」と思っている人も少なくないようだが、もはやそんなことはない、と私は思う。 きっとこのインターハイで、恵庭南は、「徒手よし、タンブリングよし」の演技を見せてくれるに違いない。 敵はおそらく、九州の暑さ。 それさえうまく乗り切れれば、夏の九州に「北海道旋風」を起こせる可能性は大だ。
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そんな「2013インターハイ台風の目(になることを期待)」である恵庭南高校の練習を、当ブログにたくさんの写真を提供してくれている清水綾子さんが訪ねた。 ちょうど団体選手権の直前だったのだが、そこでは熱のこもった、それでいてなんだか楽しそうな、練習風景があったとそうだ。
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地元で、小さいころから一緒にやっている子達が多いからだろうか。 また、卒業したOB達もよく顔を出し、道内の大会には今だに出場したりもし、現役の後輩達のことも気にかけ続ける、そんな空気があるからだろうか。 今の恵庭南は、十分、強いチームなのだが、いい意味でどこか「のんびり」しているように見える。しかし、そういうチームだからこそ出せる「本番力」もきっとあるんじゃないか。 全日本ジュニアの優勝杯が北海道にわたったのは、昨年が初めてだった。次は、インターハイの優勝杯を! そう欲張ってもいい時期だ。健闘を期待したい。
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                                     <撮影:清水綾子>※選抜大会除く ※ジムラブに「2013ユースチャンピオンシップ女子13~15位」の記事をアップしました。以後、続く予定です。 http://gymlove.net/rgl/topics/report/2013/07/18/20131315/ ジムラブに、Facebookの「いいね!」ボタンがつきました。ぽちっとしていただければ、励みになります。よろしくお願いいたします。


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