ノーベル物理学賞を受賞した中村修二氏が共同で創業した、米国の発光ダイオード(LED)照明ベンチャー「Soraa(ソラー)」(カリフォルニア州)が紫色LED事業を拡大する。5月に日本法人を設立、日本市場の本格開拓にも乗り出す。中東など海外拠点を増やして照明のラインアップも拡充し、2015年の売上高を前年比約8割増の70億円に引き上げる。
ソラーの主力商品は紫色LEDチップに赤、青、緑色の蛍光体を組み合わせて作ったLEDランプで、ホテルや高級ブランド店で使われている。23日、1日に開設した横浜市の営業拠点で中村修二氏が記者会見を開き、「日本は評価が最も厳しい市場。世界で売っていくために日本の消費者の声に対応したい」と開設の狙いを語った。
5月には日本法人を立ち上げて販路を拡大する。日本ではウシオライティング(東京・中央)などを通じて12年から販売を始め、14年の売上高は1億5000万円。東京ステーションホテル(東京・千代田)やデパートなどで使われている。アイリスオーヤマも販売提携に意欲を示しており、日本での15年の売上高は3億円を目指す。
月内には世界4カ所目の営業拠点をドバイに構える。ラインアップも従来の5倍の10種類に増やす。紫色LEDは電気を光に変える効率が80~90%で世界トップレベル。「自然光に近くてきれいな白色で、照明デザイナーから引き合いが強い」(中村氏)といい14年の売上高は前年比2倍の約40億円に成長した。3年後にも新規株式公開(IPO)を計画する。
中村修二、ソラー、東京ステーションホテル、LED、紫色LED、ウシオライティング、アイリスオーヤマ