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 南米チリ南部のカルブコ火山(標高約2千メートル)が22日、43年ぶりの大噴火を起こした。同国政府は非常事態を宣言し、半径20キロ圏内の住民に避難命令を出した。少なくとも1人が行方不明になり、住民約4千人が避難。近隣の空港が閉鎖され、フライトがキャンセルされるなどの影響が出ている。

 カルブコ火山は首都サンティアゴから約1千キロ南。地元メディアは「今回の噴火は予想外で突然のものだった」と伝えた。噴煙は約1万7千メートルの高さまで立ち上り、巨大なキノコのような雲をかたちづくった。降灰は隣国アルゼンチンまで達している。

 チリは火山国で、同国南部では3月にも別の火山が噴火したばかり。政府は「今回の噴火はさらに大規模で、早急の対応と警戒が必要だ」としている。(サンパウロ=田村剛)