情報漏えい:元警部に有罪判決…名古屋地裁
毎日新聞 2015年04月23日 23時53分
指定暴力団山口組弘道会と密接な関係にあった風俗店グループの実質的経営者に捜査情報を漏らしたなどとして、地方公務員法(守秘義務)違反と公務員職権乱用の罪に問われた元愛知県警捜査1課警部、倉木勝典被告(57)の判決で、名古屋地裁は23日、懲役2年6月、執行猶予4年(求刑・懲役2年6月)を言い渡した。
景山太郎裁判長は「暴力団共生者との内通は警察内部に強い衝撃を与え、警察に対する信頼と権威を著しく傷つけた」と述べた。
弁護側は控訴を検討するという。
判決によると、倉木被告は2012年8月28日から9月4日までの間、警察署のコンピューター端末で車の使用者情報を照会。結果を風俗店グループ「ブルー」の元実質的経営者、佐藤義徳受刑者(57)に伝え、職務上知り得た秘密を漏らすなどした。
倉木被告は公判で「他の警察官に依頼されて伝えた」と全面的に無罪を主張したが、判決は倉木被告と佐藤受刑者が親密な関係だったと指摘。「佐藤受刑者の依頼に基づくことに疑いはない」と結論づけた。
佐藤受刑者は県警組織犯罪対策課の警部を脅したなどとして有罪判決を受け、確定した。この脅迫事件の捜査の過程で倉木被告による情報漏えい事件が浮上した。