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 2014年度のグループ世界新車販売で、独フォルクスワーゲン(VW)がこれまで首位だったトヨタ自動車を上回った。年度ベースでVWが世界首位に立つのは初めて。13年度はトヨタが27万台多かったが、中国を中心に積極投資するVWが一気に抜き去った。

 トヨタが23日発表した14年度のグループ世界販売台数(ダイハツ工業、日野自動車含む)は前年度比0・3%増の1016万8千台で、年度ベースの過去最高を更新。だがVWは、公表済みの速報値などをもとに計算すると前年度比約3%増の1019万台程度で、トヨタはこれに及ばなかった。

 13年度は、トヨタの1013万台に対し、VWは986万台にとどまっていた。14年暦年でも、トヨタが9万台上回っていたが、14年度は、消費増税前の駆け込みによる14年1~3月の国内での販売急増分が含まれなくなったことなどで販売全体も伸びず、VWに逆転されることになった。

 トヨタは拡大路線が裏目に出て08年のリーマン・ショック後に大赤字に陥った反省から、このところ工場新設など販売増につながる投資を抑制。一方、VWは、トップシェアを握る世界最大市場の中国で、13年8~10月だけで三つの新工場(年産能力計65万台)を稼働させており、大幅に販売台数を積み増した。(高橋諒子)