中国ソーラー業界の生き残り競争激化-国有企業がデフォルト
2015/04/23 12:58 JST
(ブルームバーグ):中国の国有企業としては初めて保定天威集団 が本土社債市場でデフォルト(債務不履行)状態に陥ったが、供給過剰のソーラー業界において財務基盤が脆弱(ぜいじゃく)な小規模メーカーが犠牲になる構図が浮き彫りになった。
太陽電池メーカーの過剰供給が製品価格急落と利益急減につながる状況で、「経営判断の誤り」が招いたデフォルトだったと中国再生可能エネルギー学会の孟憲淦副理事長は指摘する。
中国南方工業集団傘下の保定天威集団は発表資料で、「2014年に大きな損失を被り、資産債務比率が急激に上昇した」と説明した。同社は国家電網や中国南方電網、中国大唐集団などの企業向けに変圧器を製造するほか、太陽電池・パネルの原材料であるポリシリコンなどの素材を生産している。
中国の大気汚染が悪化する中で、習近平国家主席が代替エネルギー供給を増やす必要があると昨年表明した後、中国のソーラー・風力発電業界で生き残り競争が厳しさを増している。中国政府は、企業の合併・買収(M&A)や再編を通じてソーラー企業に整理・統合を促し、老朽化した生産設備をなくすことを目指している。
ポリシリコン価格は11年に1キロ=80ドル近くとピークに達した後、生産設備過剰を受けて18ドル以下に急落。孟副理事長は中国でのポリシリコン生産は上位10社に集約されているため、小規模メーカーが活躍する余地はほとんどなく、「良い経営者と技術に欠ける競争力のない企業は淘汰(とうた)されるだろう」と話す。
かつてソーラー業界最大のメーカーだったサンテック・パワー・ホールディングスとLDKソーラーは債務を履行できず、いずれも破産申請を行った。
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原題:Baoding Tianwei Default Exposes Weaknesses in China Solar Sector(抜粋)
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更新日時: 2015/04/23 12:58 JST