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米財務長官 AIIBの連携を重視
4月18日 19時13分

米財務長官 AIIBの連携を重視
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G20、主要20か国の財務相・中央銀行総裁会議が閉幕し、アメリカのルー財務長官はAIIB=アジアインフラ投資銀行に関して既存の国際機関との連携を重視するアメリカの考えを各国に伝えたことを明らかにしました。
ワシントンで開かれた今回のG20では、中国が設立を提唱するアジアインフラ投資銀行を巡る議論が焦点の1つでした。
G20の会議を終え、17日、会見したルー財務長官は「この数日、アメリカとして国際機関の運営に積極的に関わっていく立場を改めて明確にした。
また、新たな国際機関を受け入れるにあたっては高い基準が重要だということを議論した」と述べ、アジアインフラ投資銀行に関して世界銀行などとの連携を重視するアメリカの考えを各国に伝えたことを明らかにしました。
一方、アジアインフラ投資銀行の設立を目指す動きの背景には、中国などの新興国の経済力に見合う形で発言権を高めようというIMF=国際通貨基金の改革がアメリカ議会の反対でいつまでも実行できないことへの不満があると指摘されています。
ルー財務長官はこれに関連して「アメリカ議会がいつまでもIMF改革を承認しなければ、同盟国も含めて各国がアメリカの姿勢を疑うことなる。一刻も早く改革を承認するよう議会に求めていきたい」と述べ、不満を強める各国に理解を求めました。

IMF改革 遅れの原因

IMF=国際通貨基金の改革は2010年12月に加盟各国が合意しました。
金融危機を教訓にIMFの資金力を2倍に増やす増資を行って融資の能力を強化する。またその増資にあたって、中国など新興国の出資の割合を引き上げて、経済力を強めた新興国の発言権を高めようというのが改革の柱です。
現在の各国の出資比率はアメリカが17.69%で1位。日本が6.56%で2位、ドイツが6.12%で3位と続き中国は4.00%で6位、ロシアは2.50%で10位、インドは2.44%で11位となっています。
増資が実行されれば、アメリカは17.41%で1位。日本は6.46%で2位と、順位は変わりませんが、3位に6.39%で中国が入り、インドが8位、ロシアが9位、ブラジルが10位となって、新興国の影響力が高まることになります。
各国は合意を踏まえ、それぞれ国内での法改正などの必要な手続きを終えていますが、唯一、最大の出資国であるアメリカが議会から承認を取り付けることができないためにIMF改革は実行できずにいます。
オバマ政権と対立し、歳出の拡大を嫌う野党・共和党がIMFへの出資拡大に反対していることが承認が進まない理由ですが、中国など新興国が一方的に有利になる改革の実行に熱心でないことも背景にあると指摘されています。
IMFで圧倒的な影響力を持つアメリカが原因で改革が一向に進まないことに、加盟各国は不満を強め、今回、G20の会議のあとに発表された声明では、「改革の遅れに深く失望している」とアメリカを名指しして速やかな対応を迫っています。

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