川崎陽子(かわさき・ようこ) フリーランスライター、ドイツ
環境ジャーナリスト。横浜国立大学卒。半導体関連研究職及び液晶基板関係の技術職を経て、ドイツ・アーヘン工科大学にて応用工学修士(環境学と労働安全)取得。ドイツ・ ベルギー国境地域在住。共著に「福島原発事故の放射能汚染-問題分析と政策提言」(世界思想社)。
日本人がドイツで設立した脱原発のための登録公益社団法人
ドイツのデュッセルドルフ市で3月14日、脱原発デモ「フクシマは警告する-世界中で脱原発を-NRW州(注1)も!」が行われた。
「再稼動反対!」
「さよなら原発!」
路面電車も走る大通りやライン川沿いの歩行者・自転車天国では、ドイツ語だけでなく日本語のシュプレヒコールも響き渡った。声の主は、これから紹介する脱原発団体「ドイツ登録公益社団法人 さよなら原発デュッセルドルフ(以下SGD)」である。
まず、SGDの産みの親である3名の理事に設立秘話を聞いてみよう。
藤井隼人さん(在独45年目)は、2011年3月11日の東京電力福島原発事故以来、50名ほどにメールで情報を流していた。特に日本では情報量が少ないうえ偏っているので、それを補いたかったという。
2012年の夏、ちょうど大飯原発再稼動反対行動が最高潮の時期だった。藤井さんから情報を受け取ったフックス真理子さん(在独29年)は、「私たちも日本にいたら参加できるのにね」と御礼を書きながら、ふと「ここ(ドイツ)で行動すればいいんだ!」と思いついた。
ノンポリで安保反対のデモにもでたことがなかった藤井さんだが、「今度ばかりは日本も方向転換をすると思ったのに、再稼動とはひどすぎる」という思いは、「嘆くだけでなく何かやろうよ」というフックスさんの言葉に、即賛成するほど強かった。
ちょうど高岡大伸さん(在独16年)からも原発に対する怒りのメッセージが届いたので、フックスさんが「個人で怒らず組織を作ろう」と誘ったら快諾してくれた。こうして3人は7月に、日本の脱原発をドイツから応援するためのSGDを結成した。
8月の第一回デュッセルドルフ脱原発アクションデーでは、初めてのヒマワリアート・パフォーマンス・デモを開催。日本人主体の参加者が300人集まり、ドイツのメディアから大きな反響があった。NPO設立手続きに詳しい参加者の一人が申請を引き受けてくれたおかげで、2013年に脱原発活動の公益法人として認められ、税法上も様々な特典を与えられた。
現在SGDには、多様な職業、特技をもった幅広い年齢層の会員が24名いる。
「日本の状況を聞くにつけ、何かせずにいられない」
「日本のすばらしい景観を
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