各地から
2015年3月30日
4月に改定される65歳以上の介護保険料=キーワード=について、県内の33市町村に朝日新聞が調査をしたところ、全市町村で保険料の基準となる額が増え、平均で月561円値上がりすることが分かった。最も保険料が高いのは横浜市で5990円、次いで三浦市が5716円だった。逗子市と大磯町は千円以上保険料が上がる。高齢化を背景に、今後も上昇は避けられない見通しだ。
各市町村ごとの今年度までの保険料の基準月額(2012~14年度)の合計を市町村数で割って算出した県平均は4413円で、5千円以上は横浜、川崎の2市のみ。海老名、南足柄、綾瀬の3市と大井、松田の2町は3千円台だった。
だが新年度~17年度の平均は4975円。3年前の改定では値下げや横ばいの自治体があったが、今回はすべてで保険料が値上がりする。5千円を超えるのは16市町村に広がり、町村部でも上昇が相次ぐ。3千円台は綾瀬市だけとなった。
月額が500円以上値上がりするのは17市町で、千円超支払いが増えるのは大磯町と逗子市。同市の担当者は「高齢化率が他の地域より高く、介護が必要だと認定を受ける人が増えているため」と説明する。県の高齢化率(昨年1月時点)の平均は22・5%に対して、大磯町と逗子市は30%台。介護保険サービスを受ける人が増えたり、特別養護老人ホームといった介護施設を新設したりすれば介護にかかる費用は膨らんでいく。
60円増の4150円に改定する寒川町は、積み立てていた基金を取り崩すことで上昇を抑えた。町は「保険料が急激に高騰しないようにと考えるが、対象者の増加が見込まれ増額にならざるをえない」とする。基金の取り崩しを抑制策に挙げた自治体が多かった。
各自治体は所得に応じた保険料の負担割合や区分を設定する。低所得者に重い負担とならないよう、国が定める標準より多くの区分けを設定していた。厚木市はこれまで12段階を設定。最も高い段階で、所得800万円以上の人が7400円だったが、今回の改定で14段階に増やし、1千万円以上で1万395円と高所得者の保険料の上限を引き上げる。
介護保険制度が始まって15年。これまで原則1割の自己負担だった介護保険サービスの利用料は、8月から一定の所得がある人は2割に増える。
制度について、自治体からは「低所得者層には負担軽減策が予定されているのに、中間層の負担増への対策がなく不公平感が生じる可能性がある」といった意見や「被保険者の年金収入の増加が見込めない中で、介護にかかる費用は増加の一途。今後保険料を支払っていけるのか危惧される」と訴える声もあった。また「介護予防に重点を置いて、費用の増加を抑えていく必要がある」と提言するところもあった。
(神宮桃子、及川綾子、佐藤陽)
◆キーワード<介護保険料> 介護保険制度の財源は40歳以上が払う介護保険料と国や市町村などの公費(税金)で、高齢者ら介護保険サービスを利用した人が原則1割の自己負担を支払う。65歳以上の保険料は市町村が決め、3年に1度改定される。所得によって区分があり、支払う額は異なるが、今回は、基準となる月額を全市町村に調査し、回答を得た。厚生労働省によると、制度が始まった当初の全国平均は月2911円だったが、12~14年度は4972円まで上昇している。
■県内33市町村の4月からの65歳以上の介護保険料(基準月額)市町村名 保険料(円) 増加幅(円)
横浜市 5990 990
川崎市 5540 526
相模原市 5375 425
横須賀市 5200 300
平塚市 4820 430
鎌倉市 5170 668
藤沢市 4700 200
小田原市 5060 970
茅ケ崎市 4420 260
逗子市 5710 1130
三浦市 5716 856
秦野市 5200 410
厚木市 4950 950
大和市 4960 70
伊勢原市 5450 472
海老名市 4390 490
座間市 4930 491
南足柄市 4559 611
綾瀬市 3894 126
葉山町 4800 140
寒川町 4150 60
大磯町 5500 1140
二宮町 4450 390
中井町 4950 610
大井町 4300 500
松田町 4600 900
山北町 4950 750
開成町 5150 850
箱根町 5100 950
真鶴町 5300 980
湯河原町 4500 114
愛川町 5165 505
清川村 5232 274
県平均 4975 561
(朝日新聞 2015年3月28日掲載)
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