中村靖三郎
2015年4月22日16時33分
厚生労働省は、第2次世界大戦後に旧ソ連に抑留され、北朝鮮や旧満州(中国東北部)などで亡くなった日本人数千人分の名簿を近く公表する方針を固めた。ロシア側から受け取った資料をもとに、これまで旧ソ連とモンゴルで死亡した約4万人分の名簿を公表しているが、それ以外の地域は初となる。
戦後70年を迎えてもなお十分情報がない遺族には、肉親の新たな手がかりになる可能性がある。
政府は1991年以降、ロシアなどから4万人を超す抑留死亡者名簿などの資料を入手。日本語に翻訳した上で、厚労省のウェブサイトで氏名や死亡時期、収容所名などを公表してきた。北朝鮮や旧満州、南樺太などの収容所や病院で亡くなった人の資料も含まれていたが、作業が後回しになっていた。
今月初め、北朝鮮の収容所で死亡した869人の名簿の存在が判明。厚労省は、他の名簿も含め、提供されたすべての資料を明らかにする必要があると判断した。重複分を含めて数千人分に上るという。
厚労省の推計によると、旧ソ連による抑留者は約57万5千人で、うち約5万5千人が旧ソ連(モンゴル含む)で死亡。約4万7千人が病気などで北朝鮮や旧満州に移送されたとみられる。(中村靖三郎)
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