蹴球探訪
英に逸材16歳「夢は日本のフル代表」
サイ・ゴダード(3月18日)
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【スポーツ】<首都スポ>体操・宮川紗江が女子ニッポン背負う2015年4月21日 紙面から 数々の栄光を手にしてきた男子体操ニッポンと比べ、これまであまり注目されてこなかった女子に、世界の舞台でメダル争いができる選手がついに誕生した。昨夏の南京ユース五輪の跳馬で銅メダリストになったセインツ体操クラブ(埼玉県新座市)の第1期生、宮川紗江(西武台高1年)。昨年に飛躍のきっかけをつかんだ15歳の有望株は来年のリオデジャネイロ五輪で「跳馬とゆかで金メダルを取るのが目標です」と志は高い。 (フリージャーナリスト・辛仁夏) 「4年後はこの舞台に立つんだな」−そう思いながら2012年ロンドン五輪を見たという宮川が、じっくりと基礎を身につけてきた本領をいよいよ発揮しそうだ。中3で出場した昨年の南京ユース五輪では、跳馬で表彰台に立った。まだジュニアとはいえ、早くも世界の舞台で実績を残した。 「もっといけたなという気持ちもありますが、あの大きな舞台でメダルを持ってこられたことは一歩前進かな。ユースとついていますが、1回オリンピックを経験できたので、得した気分です」 2歳のときに「お母さんがスポーツをやらせたくて家の近くにあった体操クラブに入れてもらった」。そのころから「体を動かすことが大好きで、ただ飛び跳ねることがうれしかった。バック転などの技ができるようになって達成感があった」。これが熱中する原動力だ。 競技を本格的に続けようと思ったきっかけは小2のときに見た08年北京五輪。「内村航平選手の演技を見て、すごい緊張感のあるオリンピックっていいな」と夢が芽生えた。「誰にも負けない技の質と美しさがすごい」と憧れる内村に近づけるように、10年にできたばかりのセインツ体操クラブに入ってからは「世界で戦いたいなと思ってやっています」。他のクラブに比べ、限られた時間の中で、学校帰りの夕方から夜8時まで集中して練習する日々。自由な雰囲気で各自が課題に取り組むやり方で、体重や食事制限もないという。 創立5年のクラブから世界を目指す期待の星を指導する速見佑斗コーチは「まだ原石でしたが、紗江には最初から世界を目指せる可能性を秘めていると言ってきました」と、世界王者の内村のような選手に育成中だ。また、その才能ついて「メンタルが強く、すごく真面目で純粋な子。穏やかな性格でいつもにこにこして楽しそう。きつい練習でも苦に感じないで取り組む忍耐力が並の選手ではない。尊敬します」とほれ込む。 宮川の魅力と強みは、力強い脚力から生まれるスピードと跳躍。体操選手として均整の取れた抜群のスタイル。海外勢の中に入っても見劣りしない。今年は得意のゆかではH難度の技に挑む。最初に「後方伸身2回宙返り1回ひねり」を、そして終末には「後方抱え込み2回宙返り2回ひねり」を持ち技にした。そのゆか演技は、現世界チャンピオンのシモーン・バイルス(米国)と技では互角に渡り合えるといい、迫力あふれる豪快な跳躍は見ものだ。ただ、まだメダル争いに加われない。開花中の15歳は「自分の魅力は高さやダイナミックな演技ですが、表現力や安定感がまだない」と、課題を口にする。 10月に英グラスゴーで行われる世界選手権の日本代表入りが今年最大の目標。その第2次選考会を兼ねる全日本選手権は、24日から始まる。今年はすでに2月に米国での強化合宿を敢行した。 「いろいろ経験できた1年だった」。日本代表として飛躍した昨年を振り返った日本女子体操界の逸材。大舞台が待ち切れない。 「毎年立てている目標を1個ずつクリアしています。だんだん夢見ていたオリンピックや世界選手権の出場が実現できそうなところまで来ているので、ついに来たなという感じで早く戦いたい。今年はまずは世界選手権の代表になって、出場できたら金メダルを取ることが目標です」 世界選手権経由リオ五輪に向けて、宮川の闘志のスイッチはONになっている。 ▽宮川の母志津江さん「明るい子です。いいコーチに巡り会い、すごく信頼して前向きに体操をやっています。オリンピックを目指したいというので、私は送り迎えと食事でサポートして支えるしかないです。リオに向けて頑張っていきます」 ◇ 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」面がトーチュウに誕生。連日、最終面で展開中 PR情報
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