Updated: Tokyo  2015/04/23 00:53  |  New York  2015/04/22 11:53  |  London  2015/04/22 16:53
 

安倍首相:過去に「深い反省」、共に繁栄を-バンドン会議演説 (1)

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  (ブルームバーグ):インドネシアを訪問中の安倍晋三首相は22日、ジャカルタで開かれたアジア・アフリカ会議(バンドン会議)60周年記念首脳会議で演説した。

首相は22日の演説で、日本は60年前のバンドン会議で確認された「国際紛争は平和的手段によって解決する」などの原則を、日本は「先の大戦の深い反省と共に、いかなる時でも守り抜く国であろう、と誓った」と語った。日本の過去の植民地支配や侵略への「お詫(わ)び」には触れなかった。

その上で、アジア、アフリカ諸国は「成長のパートナー」と指摘し、「多様性を大切にしながら、共に、平和と繁栄を築き上げようではないか」と述べた。今後5年で35万人を対象に技術の向上や知識習得を支援する人材育成を行う考えも表明した。

バンドン会議には中国の習近平国家主席、議長国インドネシアのジョコ大統領らアジア、アフリカ各国の首脳が出席。菅義偉官房長官は22日午前の記者会見で、安倍首相と習主席との会談実施で中国側と最終調整していることを明らかにした。

談話

第2次世界大戦の終結から70周年にあたる今年、安倍首相はバンドン会議に続いて、28日に米上下両院の合同会議で日本の首相として初めての演説に臨むほか、夏には首相談話を発表する方針だ。

1995年当時の村山富市首相が発表した戦後50年談話は過去の「植民地支配と侵略」に対し、「痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ち」を表明。安倍首相はこれまでの記者会見などで村山談話などで示された歴史認識について「全体として引き継いでいる」と繰り返し述べているが、今年行う海外での演説や首相談話では、これらの文言にどこまで具体的に言及するかが焦点になっている。 

小泉純一郎元首相は在任中の2005年4月に行ったバンドン会議での演説で、「植民地支配と侵略」「痛切なる反省と心からのお詫びの気持ち」に触れ、8月に出した首相談話でもこうした表現を盛り込んだ。

安倍首相は20日夜、BSフジの番組で、小泉氏は村山氏の談話を「下敷きにしているという感じはある」と述べ、「私の場合はそうではなくて、まさに安倍政権として総理大臣である私としてどう考えているか」を発信する考えを示した。村山談話が示した歴史認識に関して「そこに書かれていることについては引き継いでいく。引き継いでいくと言っている以上、これをもう一度書く必要はないだろうと思う」と語った。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 高橋舞子 mtakahashi61@bloomberg.net;東京 Isabel Reynolds ireynolds1@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先: Andrew Davis abdavis@bloomberg.net;大久保義人 yokubo1@bloomberg.net 広川高史, 淡路毅

更新日時: 2015/04/22 15:32 JST

 
 
 
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