2012年07月30日
2012インターハイ直前企画③ 光明学園相模原高校
2012インターハイ直前企画③ 光明学園相模原高校 「イメージチェンジ」 大学に進んで新体操を続けている卒業生の多い光明学園相模原高校だが、貝瀬監督は、ある卒業生からこう言われたことがある。 「高校時代は、基礎しかやってなかったですよね。」![]()
「たしかにそうかも」と貝瀬監督は苦笑いする。 ここ数年の光明相模原高校の演技はまさにそういう感じだった。 非常にベーシック! 決して能力が低いわけではない。 平均的には力のある選手が多いのだが、「実力以上に見える」こともない。そんな実直な演技をするチームなのだ。![]()
3月の高校選抜では、直前で故障者が出て、5人編成での演技になってしまい14.550と、悔しい思いをした。 そして、5月の団体選手権。 光明相模原高校の演技は、「ちょっと変わった?」という印象を与えるものだった。![]()
軽快なノリのよい曲が、印象に残り、演技構成自体はとくに変わったわけではないのだが、雰囲気はずい分変わって見えた。 演技冒頭で、3人の選手がふわっとしたジャンプを見せるところや、きれいにそろった3バックなど一体感のある演技が、とてもさわやかだった。ベーシックな動きの美しさも、健在だった。ただ、団体選手権では、ラスト近くで選手同士が接触した? ように見えヒヤリとしたところもあり、小さなミスが重なったため、得点は17.275。5人編成だった高校選抜よりはずっと上がったが、満足できる得点ではなかっただろう。続く6月3日の関東大会でも、細かいミスが多かった。 そして、ミス以上に気になったのが、選手達の元気のなさ、だった。 「基礎を大切にする」「成果を急がない」 今の光明のそんな雰囲気を、私は悪くないと思っている。 こういう育て方ゆえに、後伸びのする選手が多いのではないかと思っている。しかし。 今、目の前の試合に向かうときに、すこしばかり覇気が足りない感じは否めない。それは、光明に限らず長い目で選手を育てるチームにはありがちなことだ。 決して、力のない選手たちではない。 とくに今年は、ジュニア時代から有望だった選手も加わり、例年以上の結果も期待できるメンバーがそろっているのだが、いかんせん、本人達に「いけるぞ!」という空気がない、ように感じてしまう。 団体選手権も関東大会も、そんな演技だったのだ。ところが。 7月になって光明相模原に練習を見に行ったとき、彼らの演技にははっきりと変化が見てとれた。 なんと表現すればよいのだろうか。 「きらきら」感がぐっとアップしていた。曲は、団体選手権や関東大会と同じだ。 ただ、振り付けがかなり変わっていた。 ノリのいい今年の曲をうまく使った細かい動きが増えて、とてもリズミカルに見える演技に生まれ変わっていたのだ。そして、その振り付けの変化に伴って、選手達の表情もかなり変わったように私は感じた。 高校生くらいの子どもって、こんなものだ。 ちょっとしたことで驚くほど変わることがある。いいほうにも悪いほうにも。 このチームの変化は、もちろんいいほうに、だ。そう。 今までの光明に足りなかったのは、こういう「自分達をよりよく見せたい」という欲ではなかったか、と思い当たった。 こうしたちょっとした振りの変化、表情の変化で、もともと彼らのもっている能力に、輝きを増すことができるなら、この挑戦には大きな意味があると思う。今までやっていないことをやるのは、勇気がいるし、すぐにうまくはできないかもしれない。ましてや結果にすぐに結びつくものではないかもしれない。 それでも、今、彼らは変わろうとしているのだ。 そのことに意味がある。7月に見たときには、まだすこしばかり照れも感じられたが、インターハイに向けては、きっとかっこよさに磨きがかかっているだろう。 インターハイでは、彼らの変化にぜひ注目してほしい。<写真提供:清水綾子>
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