ドローン:放射線を検出 首相官邸へ意図的に飛ばす?

毎日新聞 2015年04月23日 00時37分

 首相官邸(東京都千代田区)の屋上で22日、小型無人機「ドローン」が見つかった事件で、ドローンに取り付けられたプラスチック製容器の外側から微量の放射線が検出されたことが捜査関係者への取材で分かった。直ちには人体に影響がないレベルとされるが、警視庁公安部は、何者かが意図的に飛ばした可能性があるとみて、威力業務妨害容疑などを視野に麹町署に捜査本部を設置した。

 同庁によると、発見されたドローンは「ファントム」と呼ばれる商品とみられる。大きさは約50センチ四方で四つのプロペラがあるタイプで、小型カメラと発煙筒2本も付けられていた。

 また、捜査関係者によれば、見つかったドローンは販売時は白い色の商品だといい、夜間に飛行させるために黒く塗装し直した可能性があるという。同庁は周辺の防犯カメラを解析するなどして飛来した時期の特定を進める。

 同庁によると、容器(高さ約10センチ、直径約3センチ)には放射能を意味する英語とマークを記したシールが貼られていた。1時間当たり最大1マイクロシーベルトのガンマ線が測定され、セシウム134と同137が検出された。福島第1原発事故の後、千代田区は区内6カ所で放射線量を測定しており、直近の今月2日は最大でも毎時0.07マイクロシーベルトだった。

 容器は小豆色でふたがしてあり、発煙筒には導線のようなものが付いていたが、爆発物ではなかった。ドローンは22日午前10時半ごろ、新人職員を案内していた官邸職員が発見し、麹町署に通報した。【岸達也、松本惇】

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