2012年06月15日

2012 男子団体選手権レポート② 清風高校

2012  男子団体選手権レポート② 清風高校

「変化」

rg-lovers-327651.jpg
団体選手権では6位だった清風高校。 構成9.275、実施8.500の17.775は、3位の恵庭南の17.950とも0.175差しかないが、7位の島田工業の17.575とも0.200点差しかない。 つまり、今年の団体選手権は3位・恵庭南から9位の光明学園までが0.675差の中にひしめき合う激戦だったのだ。 その真ん中あたりにつけたのが清風高校だが、今年の清風の演技には、得点以上のインパクトがあったと言えるのではないだろうか。
rg-lovers-327652.jpg
インターハイ常連校だった清風だが、昨年は、近畿大会で3位に沈み、出場を逃すという苦杯をなめている。 今年に懸ける思いはひとしおだったに違いない。 そこにもってきて、今年の清風ベンチ(はないが)には、あの木村功の姿があった。 今春から、清風高校で教鞭をとっているいう木村は、自身の演技に対する姿勢そのままに、なかなか厳しい指導者のように見受けられた。 しかし、その厳しい指導の成果はすでに選手達の演技には現れ始めているように見えた。
rg-lovers-327653.jpg
こと、団体は。 以前の清風は、タンブリングは強く、ダイナミックな組みもあるが、美しさや表現という面では、トップグループからは水を開けられている? という印象があった。よくも悪くも「体操らしい体操」。それが清風の団体演技ではなかったか。 しかし、じつは。 去年の選抜大会前に取材に行ったときも、清風はすでに練習にアイソレーションを取り入れていたり、花園大学の選手に指導にきてもらったり、変革に着手はしていた。ところが、その成果を出すべき大会がなくなってしまった。選抜は震災で中止。そして、インターハイは出場権を得られず。
rg-lovers-327655.jpg
中学高校を合わせると50人以上はいるという、全国でもトップレベルの人数を抱えたクラブにとって、目標となる大会が減ることは大きな痛手だったろうことは想像に難くない。ただでさえ、進学校で学業との両立は大変だという清風で、「インターハイに出られなかった」となると、部活を続ける意味を見いだせなくなる子もいるのではないか、と勝手に案じたりもしていたのだ。 ところが、GWの岐阜に現れたという清風高校の写真を見て驚いた! そこに木村功がいたからだ。 驚いて、そしてすぐに楽しみな気持ちが沸いてきた。 木村功という指導者を得て、あの清風高校がどう変わっていくのか。 わくわくしてきたのだ。
rg-lovers-327657.jpg
そして、その「新生・清風」の片鱗は、この団体選手権でも見ることができた。ぴったりそろった3バックなど、従来の清風らしい良さも見せながら、今までにはなかったような、洗練された動きが随所にちりばめられた演技だったのだ。 おそらくまだこなしきれてはいない。 きっと、木村功からは盛大にダメ出しされているだろう、とは思うが、それでも、たしかに彼らは変わろうとしていた。 今、清風にはきっと「新しい風」が吹いている。 団体選手権での演技はそう感じさせるものだった。
rg-lovers-327660.jpg
そして。 6月10日、近畿ブロック大会で、清風高校の団体は、紫野高校に次いで準優勝となり、インターハイへの復活を成し遂げた。 「出られない」という思いをしたからこそ、得られたものもきっとあるに違いない。 今年のインターハイ、新生・清風高校に期待したい。                                              <撮影:小林隆子>


  • 共通ジャンル:
  • 体操
コメントする

コメントの投稿方法はこちら