シックハルトの運指表における異名異音運指
2015年 04月 22日
シックハルトのg#2について、僕も始めこんな運指は他で見ないので、間違えだと思ったのですが、
後にStanesby Jr(1732)が、テナーリコーダー用の異名異音の運指表の中で、
d#2に234567、e♭2に123456の運指を示しているのと同様に、
この音を異名異音で演奏する場合に、通常運指123456よりも低い音程を得る運指としてシックハルトはg#2に0h23456を採用したのではと考えています。
実際、0h23456はサミングを伴い、234567よりもフレキシブルで、同じ程度ピッチを下げることもできるし、それよりも高く取ることも出来るので、かなり実用的な運指です。
従って、単なる写し間違いとしては解決しにくい、というのが僕の考えです。
実際に私の所有するコピー楽器で試してみると、
Bressan、Stanesby Sr、この2つのロンドンの楽器では、123456は音程がもともと既に充分低いので、この運指は無効です。
しかし、以前Bizey(パリ)をお借りしていたときですが、
その楽器では、123456は逆に高い傾向にあるので、シックハルトの運指も時々使っていました。
という実例からも、Bizey 以外の製作家でも当時のオランダの楽器に同様の傾向のものが少なくとも存在したのかも可能性があります。
ちなみに、異名異音ではありませんが、b♭2に関しては、シックハルトだけでなくて、6番が塗りつぶされている運指表が大多数で、音階の運指表の中できちんと半開になっているのはむしろ小数です。今のところJ.オトテールとあと1,2件だけです。
ただ、音階の運指標で塗りつぶされていても、トリルの運指表を伴っている場合は、b♭2を伴うトリルでは必ず6は半開になっています。
野崎剛右
※使用したコピー楽器はすべて木下邦人氏製作のオトテール運指(6番サポートあり)です。
後にStanesby Jr(1732)が、テナーリコーダー用の異名異音の運指表の中で、
d#2に234567、e♭2に123456の運指を示しているのと同様に、
この音を異名異音で演奏する場合に、通常運指123456よりも低い音程を得る運指としてシックハルトはg#2に0h23456を採用したのではと考えています。
実際、0h23456はサミングを伴い、234567よりもフレキシブルで、同じ程度ピッチを下げることもできるし、それよりも高く取ることも出来るので、かなり実用的な運指です。
従って、単なる写し間違いとしては解決しにくい、というのが僕の考えです。
実際に私の所有するコピー楽器で試してみると、
Bressan、Stanesby Sr、この2つのロンドンの楽器では、123456は音程がもともと既に充分低いので、この運指は無効です。
しかし、以前Bizey(パリ)をお借りしていたときですが、
その楽器では、123456は逆に高い傾向にあるので、シックハルトの運指も時々使っていました。
という実例からも、Bizey 以外の製作家でも当時のオランダの楽器に同様の傾向のものが少なくとも存在したのかも可能性があります。
ちなみに、異名異音ではありませんが、b♭2に関しては、シックハルトだけでなくて、6番が塗りつぶされている運指表が大多数で、音階の運指表の中できちんと半開になっているのはむしろ小数です。今のところJ.オトテールとあと1,2件だけです。
ただ、音階の運指標で塗りつぶされていても、トリルの運指表を伴っている場合は、b♭2を伴うトリルでは必ず6は半開になっています。
野崎剛右
※使用したコピー楽器はすべて木下邦人氏製作のオトテール運指(6番サポートあり)です。
by koske-p-nozaki | 2015-04-22 15:11 | リコーダー | Trackback | Comments(0)