アベノミクスは、このような認識に基づいています。
一九九八年に新日本銀行法が施行されて以降、次章でも示すように、日本経済は世界各国のなかでほとんど最悪といっていいマクロ経済のパフォーマンスを続けてきた。主な原因は、日本銀行の金融政策が、過去一五年あまり、デフレや超円高をもたらすような緊縮政策を続けてきたからだ。*1
- 日本経済のパフォーマンスは最悪
- パフォーマンスの悪さの原因はデフレ
しかし、英国のエコノミストSmithersはこれを「神話」と否定しています。
Abenomics – Myths, Rhetoric and Reality
- I see Abenomics as being based on two myths.
- Myth 1 – The Japanese economy has underperformed relative to other G5 countries.
- Myth 2 – That this non-existent poor performance is due to deflation.
- Being myth based, current policies are failing to address Japan’s key issues.
Smithersは、人口動態を考慮に入れると、日本経済のパフォーマンスはむしろ優れていたと指摘しています。
実際、生産年齢人口(15~64歳)1人当たりの実質GDPの推移を見ると、東日本大震災の打撃を受けたにもかかわらず、日本は「優等生」です。
とはいえ、賃金や雇用者報酬はGDPの伸びに後れを取っています。アメリカ経済と同じく、パイの大きさよりも分配に問題があることが示唆されます。
アメリカの場合は"1% vs 99%"の格差問題につながっていますが、日本の場合は企業の「人件費→配当・内部留保」や「法人税→消費税」シフトの是非が焦点です。
私自身は、これからは間接税である消費税を重んじる代わりに、法人税を大幅に安くした方がいいという考え。
市場任せではおそらく「悪い均衡」から脱け出せないというのが歴史の教訓です。
ヒットラーの社会革命―1933~39年のナチ・ドイツにおける階級とステイ
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「経験によって確かめられたことだが、経済はその赴くままに放置するならば、現在の諸困難の悪用から生じうる深刻な損害を未然に防ぎうるような、内的権威も規律も生み出しはしない。利潤追求は一般に全体の福利にたいする道徳的義務よりも強力なのである。これまで幾度も、国家の責任ある機関による多かれ少なかれ強力な介入が緊急に必要となったことがあったのである」。
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*1:強調は引用者、以下同。