自衛隊派遣:国会承認 例外なく「事前」 自公が調整

毎日新聞 2015年04月21日 07時00分

国会議事堂=東京都千代田区で、本社ヘリから
国会議事堂=東京都千代田区で、本社ヘリから

 自民、公明両党は20日、自衛隊の海外派遣をいつでも可能にする「国際平和支援法案」(恒久法)で、例外なく国会の事前承認を要件にする調整に入った。派遣期間を延長する際には事後承認を認める方向だ。自民党の高村正彦副総裁と公明党の北側一雄副代表が21日、安全保障法制整備に関する与党協議会でこうした案を説明する。

 国際平和支援法案は、国際紛争に対処する他国軍に対し、自衛隊による給油や物資輸送などの後方支援を随時可能にする法案。政府は国会に提出する基本計画に、(1)紛争などの経緯や国際社会の平和と安全に与える影響(2)国際社会の取り組み状況(3)日本が対応することが必要な理由−−などを盛り込む方針だ。

 ただ、計画の国会承認を巡っては、自民党が迅速な派遣のため事後承認も認めるよう主張したのに対し、公明党は「例外なき事前承認」を求め、調整が続いていた。

 事前承認に例外を認めなければ、国会閉会中や衆院解散中は自衛隊を派遣できなくなる。これに関連し、北側氏は20日、東京都内での講演で「国会閉会中でも3日あれば召集できる。衆院選は政権選択の選挙だから、政権交代の可能性があるのに前の政権が(派遣を)決めていいのか」と述べ、「例外なき事前承認」で問題は生じないとの認識を示した。「各国がどんな役割を担おうとしているのか情報収集が必要だ。緊急性がある場合もあるかもしれないが、基本計画を作るには時間が必要だ」とも述べた。

 国連平和維持活動(PKO)協力法で、停戦監視などで自衛隊を派遣する際に国会は「7日以内」に承認するかどうか議決するとの努力義務規定があることを踏まえ、国際平和支援法案にも同様の規定を設ける方向だ。【高本耕太、飼手勇介】

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