安保法制:例外なく事前了承で合意 自衛隊派遣、自公協議

毎日新聞 2015年04月21日 11時28分(最終更新 04月21日 13時03分)

 自民、公明両党は21日午前、安全保障法制の整備に関する与党協議会を開き、他国軍の後方支援のために自衛隊の海外派遣を可能にする「国際平和支援法案」(恒久法)で規定する国会承認について、例外なく事前承認とすることを了承した。派遣期間の延長は事後承認を認める。また、衆参各院は、政府が派遣の基本計画を提出後、「7日以内」に派遣の是非を議決する努力規定を設けることでも一致した。

 自民党の高村正彦副総裁と公明党の北側一雄副代表が協議会で、「国会承認の在り方について」と題した案を共同提案し、異論は出なかった。

 国際平和支援法案の国会承認を例外なく事前承認にするかどうかが、安保法制協議の最大の争点となっていた。両党が了承したことで、協議は大筋で決着したことになる。

 事前承認を巡っては、緊急時に迅速な派遣を可能にするため、例外的に事後承認を認めるよう主張する自民党と、「例外なく事前承認」を求める公明党とが対立していた。

 高村、北側両氏の案は、(1)国会承認について「事前承認に例外は設けない」とし、緊急性がある場合、国会閉会中の場合、衆院解散中の場合でも、国会を直ちに召集するなど所要の手段を尽くす(2)7日以内に各院が議決するよう努めなければならない旨の努力義務規定を設ける(3)派遣後2年を超えて(活動を)継続する場合、国会の了承を求めなければならないが、国会閉会中、衆院解散中は例外として事後承認を認める−−の3点。

 事前承認では、自民党が公明党に譲歩した。高村氏は与党協議会後の記者会見で、「政府から具体的に迅速性を阻害するという説明がなく、民主的統制の重要性にバランスを置くべきだと判断した」と説明した。

 一方、自衛隊の派遣延長は、国会閉会中などの場合は例外として事後承認を認めた。これは、2007年の第1次安倍政権下で、参院が少数与党となった「ねじれ国会」の影響で、テロ対策特別措置法の派遣延長ができず退陣。その後、同法が失効した経験を踏まえたため。インド洋で後方支援活動を行っていた自衛隊は、一時撤退することになった。

 両党は24日に主要な条文の協議を経て、27日に大枠を決定。その後、政府は5月11日に安保関連法案の全条文を提示し、正式合意をする見通し。【飼手勇介、青木純】

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