大阪都構想:27日告示待たず…賛成・反対熱い宣伝合戦

毎日新聞 2015年04月22日 06時00分(最終更新 04月22日 07時27分)

大阪都構想の住民説明会の会場近くでは、賛成派、反対派それぞれが参加者らにビラを配った=大阪市東成区で4月21日午後4時8分、山田尚弘撮影
大阪都構想の住民説明会の会場近くでは、賛成派、反対派それぞれが参加者らにビラを配った=大阪市東成区で4月21日午後4時8分、山田尚弘撮影

 大阪市を廃止・再編する「大阪都構想」の住民投票(5月17日実施)で、「賛成」「反対」双方の呼びかけ運動が熱を帯びてきた。公選法に規定された通常の選挙と異なり、運動の制限が緩やかなため、費用をかければ物量による運動が可能になる。運動期間の縛りもなく、27日の告示を待たずに双方が宣伝合戦を始めている。

 21日午後、同市東成区であった市主催の住民説明会。会場の外では賛成派と反対派がチラシを配った。賛成派は大阪維新の会の府議や市議が「CHANGE OSAKA!5・17」とのロゴ入りTシャツ姿でアピール。反対派の共産党系市民団体は「『都』構想アカン」などと書いたボードやのぼりを掲げた。

 大都市法に基づく住民投票は、▽飲食の提供▽戸別訪問▽公務員や教員の地位利用▽未成年の運動−−などを禁じている。しかし▽ポスターやビラの枚数や種類▽テレビCMや新聞広告▽ウェブサイトや電子メールの利用▽自動車や拡声機の利用−−などは自由だ。

 更に通常の選挙では告示日から投票前日までとされる運動期間の定めもない。事前運動だけでなく、5月17日の投票当日も投票所に向かう有権者に街頭で呼びかけたり、ビラを配ったりすることも可能だ。

 維新は府議選・市議選が終わった翌13日から、在阪民放各社でCMを連日放送している。ロゴ入りTシャツを着た大阪維新の橋下徹代表(大阪市長)が「もっと住みよい街をつくる」と呼びかける。広報費に数億円の予算を投じ、国政政党・維新の党から政党助成金を投入する。大阪維新の松井一郎幹事長(大阪府知事)は「政党助成金は政策実現への活動費。我々は都構想のために(政党活動を)やってきた」と語る。

 これに対し自民党大阪府連もCMを検討している。ある国会議員は「維新はかなりの物量作戦だ。相手がイメージ戦略で来たら、こちらもキャンペーンをやるしかない」と話す。竹本直一府連会長が党本部に住民投票向けの予算を付けるよう働きかける。しかし基本は府連で賄うため、総額でも「数千万円」(自民市議)という。

 反対派の首長でつくる政治団体「府民のちから2015」も、投票を呼びかけるはがきの送付を始めた。

最新写真特集