ポールおかえり！！　ナンシー夫人と１年ぶ来日

　元ビートルズのポール・マッカートニー（７２）が２０日朝、２０１３年１１月以来、２年ぶり５回目の来日ソロ公演のため、関西空港（大阪府）に到着した。

　ポールは１８日、米クリーブランドで「ロックの殿堂授与式」に出席した後、妻ナンシーさんらとチャーター機で米国を出発。給油地のカナダ・ウィニペグからだけでも約１２時間の長いフライトだったが疲れも見せず、午前８時すぎ、黒のシャツとサングラス、左手に愛用のヘフナー・バイオリンベースを携えて現れた。出迎えた約５００人のファンに「おはよう」「こんにちは」などと日本語であいさつ。声援に応えた。

　今回の来日では２１日の京セラドーム大阪（大阪市）、２３、２５、２７日に東京ドーム（東京都）でそれぞれ公演。２８日にはビートルズとして唯一来日した１９６６年以来、４９年ぶりの日本武道館公演を予定しており、５月１日に次公演の地、韓国・ソウルへ向かうまで１２日間、日本に滞在する。

　ポールは昨年５月にも東京、大阪で計４公演を予定して来日したが、当人の「ウイルス性炎症」のために全公演が中止。日本のファンに１曲も披露せずに去った。日本のファンにとって今回はその“埋め合わせ”のツアー。ポールは主催者を通じて「昨年は非常に残念だった。再び一緒にロックンロールの夜を過ごせるのが本当に楽しみだよ」とコメントした。

　ポールは集まったファンの差し出す手に、ときおり握手で、あるいはグッズへのサインで応えた。ピンクのウクレレを持参した大阪市平野区の会社員宮木広宣さん（４７）は、ボディーにサインをもらい感涙。長女初音ちゃん（５）が差し出す作戦が功を奏した。前日午後１０時に関空入りし、家族は車で休ませて自身は徹夜でこの時を待ったという。「めっちゃかっこよかった。涙が出そう。来日ソロ公演は４回全て見た。昨年の公演中止が残念だったので、今回は必ずひと目会いたいとここに来た。このウクレレは家にかざります」と顔をくしゃくしゃにして喜んでいた。

　東京都世田谷区の大学生石原麻衣さん（２１）は長期留学中のドイツからポール来日のために１８日に一時帰国。今回の来日５公演のと２日のソウル公演のチケットをすべて押さえたという気合の入れようだ。７０年代に音楽誌の表紙を飾ったポールが羽子板を持つ写真を貼り付けたコルクボードを自作して持参。一緒に差し出した右手を握ってもらったという。「ポールは雲の上の存在。夢みたいです」と大感激した様子だった。