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 広島空港で着陸時に事故を起こした韓国・アシアナ機は、左右のエンジンが内部まで激しく損傷していたことが21日、国の運輸安全委員会の調査でわかった。機体を製造した仏エアバスの技術者は、日本の事故調査官に「エンジンは地上施設に接触してすぐ壊れ、推進力を失っただろう」との見方を示したという。

 運輸安全委によると、事故機は異常な低空飛行で滑走路東側の計器着陸装置(ILS)に接触した際、エンジンがILSの金属アンテナを吸い込んだとみられ、エンジン内の金属製の羽根の多くが壊れていた。

 運輸安全委は、事故機のデジタル飛行データ記録装置(DFDR)やボイスレコーダー(CVR)を分析中。21日に事故後初めて記者会見した後藤昇弘委員長は分析結果やパイロットへの聴取内容を示さなかった。「整合性のある分析ができない限り発表しない。今は申し上げる段階ではない」とし、公表時期も明言しなかった。(工藤隆治)