2011年11月16日
2011 ALL JAPAN直前企画⑪ 青森レポート(青森大学個人①)
2011 ALL JAPAN 直前企画⑪ 青森レポート(青森大学個人①) 「次世代」 今大会、青森大学からは8人の個人選手が出場する。インカレには各大学から8人までしか出場できないので、つまり最多人数の出場だ。この8人という数字は、おそらく過去にはない。 それだけ、現在の青森大学に、個人でも力のある選手が多かったという証明と言えるだろう。 しかし、8人のうち4人が4年生ということを鑑みると、来年以降に向けては楽観はできない。3年生以下の躍進がなければ、来年の青森大学個人は「弱体化」してもおかしくない状況なのだ。 青森大学の次世代を担うのは、彼らだから。 「来年も青大の個人は侮れない」と印象づけるために、3年生以下の選手たちにとっても今大会は重要となってくる。 ●松田陽樹
着実によくなっている選手の1人だと思う。 これと言って悪いところはなにもない。 気持ちよく見ることのできる演技をコンスタントにしている選手だ。 かつてはミスで順位を落とすこともあったが、安定感も出てきた。 ただ、トップの一角に入っていくには、あとすこし「なにか」が足りないようにも思う。その「なにか」をつかむのが難しいことは百も承知だが、そこまで欲張っていいところには、確実にきている。 それが、今の松田だと思う。来年の青大個人では「ただ1人の4年生」になる。その重圧に負けない強さの片鱗を、この全日本で見せたいところだ。 ●川西雅人
「すくすく」という言葉がこんなにぴったりな伸び方をしている選手も珍しいのではないか。
大学2年生。おそらく、自分でも「えっ?」と思っているうちにここまできてしまったのではないか? いつも無欲な感じの川西を見ているとそう思う。もちろん、うまくなりたいと思ったから、大学に進学したはずだ。香川から青森へ。かなりの覚悟をもってきたには違いない。
それでも、彼には、「上を目指す」には自分は「まだまだ」だと思っているようなところがある。大学1年のときはたしかにそうだったし、今もそれはあまり変わっていない。
今回、インカレ以来久々に川西の演技を見たが、またしても「すくすく」と成長していた。このポテンシャルは何なんだろう?
この調子だと、まだまだ天井はきそうもない。あとは、そろそろいい意味での「欲」をもつことなんだろうが…。今の無色透明な感じも捨てがたいので、今は今の彼の演技を楽しませてもらうことにしよう。
●小林 翔
川西と同じ2年生だが、小林は「すくすく」ではなく、はっきりと苦しんでいるのがわかる。大学デビューだった昨年は、明らかに体のコンディションが悪かった。その状態のまま無理をして、試合に出続け、その結果、成績も右肩下がり。それもやむを得ない状況だった。 シーズンオフになり、手術を受け、今年の再起に懸けた小林だったが、インカレでは12位。ブランク明けとしては決して悪くはない順位であり、演技も種目によってはよいものもあったが、周囲が期待し、本人も目指しているだろう「小林翔」にはまだ遠い、そんな印象はあった。 だから。今回の全日本に懸ける気持ちはかなりのものがあると思う。その気迫は十分に感じられる練習ぶりだった。しかし、体は万全とは言い難い。それが小林翔の現在だ。 それでも、この大会に懸ける彼の思いは、演技の質に表れていた。もとから表現力や柔らかい動きには定評のある選手だが、その点は、さらに磨かれてきている。この2年間、あまりうまくいっていないことさえも、小林の演技に深みを与えるという意味では、糧になっているようにも見えた。本当にせつない思いをしたことのない人間が小器用につくって見せる「せつない表情」よりも、本物のせつなさを知った人間の表情のほうが胸に響く、そういう感じだ。 彼が、この大会でどんな演技をするのか、どう評価されるのかはやってみなければわからない。しかし、すべてのことが、いつかは「今の自分を育ててくれた」と思えるようになる日がきっと来る。 今は、まだそこに至る道の途中だ。 ●佐藤秀平
「一生懸命さ」や「必死さ」がこんなに表に出る選手も珍しい。 試合でも練習でも、佐藤は常にフルパワーで動く。それが演技の面では欠点に見える部分もなくはないが、しかし、この持ち味があるから、多くの人が彼の演技に惹かれるのだろう。 東インカレの前に、青大の練習を見たときに、私は彼には、注文ばかりつけていた。指導者でもないのに僭越とは思ったが、長年女子を見てきた私には、目についてたまらない欠点を彼はもっていたからだ。 しかし、今回、そのときに指摘させてもらった欠点は、かなり見えなくなっていた。さすが1年生、すばらしい吸収力だ。 彼の演技は、力いっぱいで、自信に満ち溢れているように見える。意地悪くいえば、「おれ様演技」「勘違い演技」に見えなくもない。しかし、おそらく彼の本質は、そうではなく、謙虚さと向上心を持ち合わせている。この1年の彼の成長を見ればそれはわかる。 1年で、これだけ欠点を克服できたのならば、あと残り3年間で、はたしてどこまで伸びるのだろうか。楽しみでならない。もとより魅力には満ちた選手なのだから。大学生としてのジャパンデビュー! ぜひ、現時点での持てる力を出し切ってほしい。
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- 体操
- posted by rg-lovers
- 09:57
- 2011ALL JAPAN直前企画
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