2011年11月17日

2011 ALL JAPAN直前企画⑮ 高校生団体

2011 ALL JAPAN 直前企画⑮ 高校生団体

「仲間」

●井原高校

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インターハイでの演技は、とにかくすごかった!
じつは小さなミスはあったのだが、そんなことは問題じゃない!
と思わせる凄味があった。ジャパンでも、あのときと同じようなクオリティーの演技を見せてくれれば、大学生たちにかなり迫れるのではないだろうか? たしかにタンブリングの難しさや迫力は大学生が勝るとは思うが、美しさや柔軟性なら井原に軍配を上げてもよいのではないかと思う。さらに、高校生ではなかなか出せない「伝える力」も今年のチーム、作品はもっている。
さて、インハイ王者がどんな戦いを見せてくれるか? 楽しみにしておこう。


●恵庭南高校

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圧倒的な演技で会場の空気を変えた井原高校の次に、インターハイのフロアに登場したのが、この恵庭南高校だった。「井原のあとじゃやりにくいだろうな」「ちょっと見劣りするかもな」・・・そんな空気の中で演技は始まったが、なんのことはない、この恵庭南の演技もすばらしかったのだ。「オペラ座の怪人」は、迫力はあるが演技に力がないと曲負けしてしまうことも多いが、恵庭南は見事に演じ切った。タンブリングの強さを生かした弾けるようなイメージ、そして、迫力満点の組み技。さらに、バランスで上げた脚の位置も高いしラインも美しく、微動だにしなかった。全日本ジュニアで2位になった恵庭のジュニアたちも総じて脚のラインは美しかった。全日本は常連の恵庭南だが、今年はいつもより手ごわいチームと言えそうだ。


●科学技術高校

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ある人が、インターハイのあとに、科学技術高校のことをツイッターでこうつぶやいていた。「昔、さえない印象だった同じクラスの女の子に、何年かぶりに会ったらすごくきれいになっていた、みたいな感じ」と。
そうかもしれない(笑)。科学技術高校は、インターハイの常連校ではあるし、そこそこうまい。それはいつものことなのだが、今年のチームはひと味違っていた。うまい、強い、美しい。3拍子そろったチームだった。そして、なんと言ってもこの作品は音楽がすばらしい。5月の団体選手権で初めて演技を見たときから、とても印象に残るチーム、作品だったがこの曲のもつ力も大きかったと言えるだろう。
団体選手権ではミスがあり、点数は伸びなかったが、「今年の科学技術高校はいい」とこのブログでぶちあげてしまったが、インターハイではその予言が見事的中した形になり、ちょっと鼻が高かったものだ。3年生の多いチームだと聞いているので、はたしてジャパンにはどんなメンバーで臨んでくるのかわからないが、願わくばインターハイのときに会場を沸き立たせたあのすばらしい演技を、ぜひもう一度、見せてほしい。


●神崎清明高校

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優勝した井原高校と同様に、「今年はすばらしかった」と絶賛する声が多かったのが、この神埼清明だ。たしかに、今年の神埼は強く、そして美しかった。この演技ならば、優勝してもおかしくないほどだったが、1チームでも上にいかれれば、優勝はないのだから勝負は厳しい。順位だけ見れば、昨年の優勝から3位に落ちた神埼だが、演技の質は今年のほうがよいという評価も高かった。
だから、ジャパンではもうひと勝負かけてもらいたい。少なくとも「高校生の団体の中ではトップ」を奪還する可能性は十分にもっていると思う。


●盛岡市立高校

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インターハイではすばらしい実施を見せた神埼のあとに登場した盛岡市立高校。鹿倒立でひやりとしたところがあったくらいで、大きなミスはなかったが、神崎の堂々たる演技のあとで、すこしばかり非力に見えたことは否定できない。しかし、盛岡市立の今年の作品は、とにかく振りがすばらしい。とくに演技冒頭の音楽と振りの一致は、今シーズン随一と言ってもいいほどだ。この演技序盤のパワーを落とすことなく最後まで演じきれば、悔しい7位に終わったインターハイの雪辱を果たせるに違いない。春の東北大会の試合本番が、この作品の初通しだったのだそうだ。それなのに、見事ノーミスで、青森山田高校に勝ってしまった。そんな「本番強さ」もあるチームだけに期待したい。


●埼玉栄高校

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先日の全日本ジュニアのときに、表彰式前のエキシビションとして演技披露をしたのがこの埼玉栄高校だった。インターハイのときとはメンバーが交代していたにもかかわらず、ほぼノーミスの素晴らしい演技で、同じエキシビションに出ていたフェアリージャパン(女子の日本代表団体チーム=ロンドン五輪出場が決まっている)以上の喝采を受けていた。「ミス・サイゴン」の曲を使用した今年の埼玉栄の演技は、本当にいいのだ。それはこのエキシビションでも証明されたと思う。
しかし、インターハイでは、たしかに実施で惜しいミスがいくつかあった。その分、得点は微妙に伸びきれず19点には届かなかった。そして、表彰台にも届かなかった。インターハイの演技終了後には、満足そうな笑顔を見せていた選手たちだったが、得点を見て表情がくもったことは今も忘れられない。あのとき、悔しい思いをした彼らは、「こんなもんじゃない!」という思いで、ジャパンに向かってきただろう。
ジャパンでは、ぜひ会心の演技を見せてほしい。そうすれば、きっと結果もついてる。今年の埼玉栄にはそれだけの力がある。


●小林秀峰高校

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インターハイで悔しい思いをしたのは、小林秀峰高校も同じだ。青森山田高校が思いがけないミスで優勝を逃した直後、インターハイのトリとしてフロアに登場した小林秀峰高校だったが、まるで青森山田のミスが連鎖したかのように、鹿倒立で1人がつぶれてしまった。得意の組み技もどこかスムーズにいかなかったり、少しずつしっくりいかないまま、4位にあたる点数こそは出たが、おそらく悔いを残す演技となったに違いない。小林秀峰高校の名にかけて、ジャパンでは、インターハイの借りをしっかり返したいところだ。

今年の高校生たちの多くは、春の選抜大会中止という憂き目にあっている。当時の震災の被害を考えれば、やむを得ない中止だったとはいえ、たった3年間しかない(とくに選抜は出場チャンスが2回しかない)高校時代の貴重な試合のひとつを失ったショックは大きかっただろうと思う。
それでも、おそらく仲間がいたから、彼らはそのショックを乗り越えられた。そして、このジャパンを最後の今のチームは解散するところも多いのではないか。一番苦しいときを一緒に過ごした、そんな仲間とのこのジャパンの舞台を、どうか思い切り楽しんでほしいと思う。

頑張れ、高校生たち!


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