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【原発再稼働】代替案なき「脱原発」の思考停止 資源小国の現実に目をつぶるな

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【原発再稼働】
代替案なき「脱原発」の思考停止 資源小国の現実に目をつぶるな

福井地裁で運転差し止めの仮処分決定がなされた関西電力高浜原発の3、4号機(手前から)=昨年11月、福井県高浜町(本社ヘリから)

 「人間は、見たいと思う現実しか見ない」。古代ローマ帝国の初代皇帝、ユリウス・カエサルはこう語った。多くの人々は「見たくない」現実に目をつぶる。古今東西変わらぬ人間の性だろう。

 震災前、東京電力や規制官庁は、福島第1原発を巨大津波が襲うという可能性を一顧だにしなかった。結果、防潮堤など対策を怠り、あの事故を招いた。

 だが福島の事故を忘れてはならないように、エネルギー不足のリスクもまた、忘れてはならない。

 事故後、全国の原発が次々と停止したことで、日本の発電は火力頼みとなった。その結果、電気料金は震災前に比べて家庭向けで2割、企業向けは3割も上昇した。

 それでも、発電できているだけましかもしれない。

 昭和16年、米国などによる対日石油輸出の全面禁止が実行された。日本は石油を求めて南方に進出し、先の大戦の原因の一つとなった。戦後の昭和48年に起きた第1次石油危機は、社会・経済を大混乱に陥らせた。

 わが国の石油備蓄は、危機を教訓に増やしたとはいえ、国家・民間合わせて190日分程度しかない。中東危機が再燃し、日本に原油が届かなくなる事態を想起し、備えることは欠かせない。

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