2014年07月29日

今日もテレビで「男子新体操」!

27時間テレビでの新体操SMAPの反響はすごかったですね。。。

当ブログも、まさかの17000超アクセス!!! ビックリでした。

テレビ放送だけではわからない井原高校の新体操のこと、関心もってもらえれば幸いです。 そして、願わくば井原高校だけでなく、そこを入口にして「男子新体操」そのものを好きになってもらえればなによりです。

さて。

その余韻冷めやらぬ、ですが、今日もまた男子新体操がテレビに出ます。 NHK総合で、本日22:55~23:25  関ジャニがMCを務める「応援ドキュメント 明日はどっちだ」です。


すでに3週にわたり、千葉県唯一の男子新体操部のある袖ヶ浦高校をとりあげていますが、今回で一応、最終回。 今日は、いよいよインターハイ出場の懸かった関東大会が放送されます。

先週の放送では、6月1日の団体選手権でのボロボロ演技が放送され、得点も14点台。 このままではインターハイなんて遠い夢! という終わり方でしたが、その1週間後、彼らは果たしてリベンジできるのか? 今日の放送は、おそらく、かなり感動的な展開になると思われるので必見です。

27時間テレビに続いて、今夜もぜひ! テレビで男子新体操をご覧ください!

<撮影:椎名桂子>

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2014年07月27日

祝! フジテレビ27時間テレビ 男子新体操SMAP(井原高校OB)100点満点獲得!

やりました! フジテレビの27時間テレビで行われた「ご当地SMAP選手権」で、岡山県の井原高校OBたちで組んだ「男子新体操SMAP」が100点満点を獲得して優勝しました。

今夜の27時間テレビエンディングに予定されているSMAPのライブにも出演するとのことです。 朝の「ご当地SMAP選手権」が見られなかった! という人も、夜のライブはぜひご覧ください!

しかし。 素晴らしい演技でした。

スタジオではタンブリングも厳しいだろうなあ、と思いきや、まさかの別スタジオでマットを敷いての演技で、かなり見応えありました。 メンバーのうちの2人は、井原高校の前身である「精研高校」時代の選手でしたが、2人ともブランクをものともしない動きでした。

そのほか、2011年インターハイ、2012高校選抜、団体選手権の3冠を達成したときのメンバーだった房野純さん。 今年の春に高校を卒業したばかりの大舌晃平さん、矢引天行さん。この3人は、まったく現役さながらのパフォーマンスでした。
●高校時代の大舌選手

大舌さんにいたっては、タンブリング、強くなったんじゃないのか? という感じがしました。 あの素晴らしい開脚ジャンプが、全国放送で流れたこと、たくさんの人に見てもらえたことが本当に嬉しかったです。

●高校時代の矢引選手
みなさん、社会人になり、仕事をもっているとのことで、今回の出演も大変だったろうことを思えば、無理は言えないのですが、それでも言わせてもらうならば・・・。 これだけやれるんだったら、ぜひぜひぜひ社会人大会に出てください!!! 1部が無理なら2部でもいいです。6人団体が無理なら、今回のように5人でもいい!

ぜひまた彼らの演技を見たい! そう思いました。 もちろん、そう思っている人は、私だけではないと思います。

さて。 ここに、今回のテレビ放送を見て初めて「男子新体操すごい」「井原高校すごい」と思って検索をかけてくれた方のために(ぜひ、たくさんいてほしい!!!)、過去に掲載してきた井原高校関連記事をリンクしておきます。

探してみたら、こんなにありました!(苦笑)

こんなにたくさん読み切れない! という方は、2011年インターハイの記事、2012年高校選抜、2012年オールジャパンの記事だけでもぜひ目を通してください。 井原団体のすばらしさがわかっていただけると思います。

●2010年インターハイの記事 http://www.plus-blog.sportsnavi.com/rg-lovers/daily/20100902

●2011年3月の記事 http://www.plus-blog.sportsnavi.com/rg-lovers/daily/20110403 http://www.plus-blog.sportsnavi.com/rg-lovers/daily/20110406

●2011年ユースチャンピオンシップ前の記事 http://www.plus-blog.sportsnavi.com/rg-lovers/daily/20110524

●2011年ユースチャンピオンシップの記事 http://www.plus-blog.sportsnavi.com/rg-lovers/daily/20110623 http://www.plus-blog.sportsnavi.com/rg-lovers/daily/20110625

●2011年インターハイ前の記事 http://www.plus-blog.sportsnavi.com/rg-lovers/daily/20110728

●2011年インターハイの記事 http://www.plus-blog.sportsnavi.com/rg-lovers/daily/20110821

●2011年オールジャパンの記事 http://www.plus-blog.sportsnavi.com/rg-lovers/daily/20111130

●2012年高校選抜前の記事 http://www.plus-blog.sportsnavi.com/rg-lovers/daily/20120325

●2012年高校選抜の記事 http://www.plus-blog.sportsnavi.com/rg-lovers/daily/20120329 http://www.plus-blog.sportsnavi.com/rg-lovers/daily/20120419 http://www.plus-blog.sportsnavi.com/rg-lovers/daily/20120426

●2012年ユースチャンピオンシップの記事 http://www.plus-blog.sportsnavi.com/rg-lovers/daily/20120601

●2012年オールジャパンの記事 ↓ 2012オールジャパン井原団体レポート

そして最後に!
今回の放送を見て、「男子新体操を生で見てみたい!」と思った方へ朗報です。 今年はなんと! インターハイが東京で開催されます。 井原高校の現役高校生チームももちろん出場します。

インターハイは、入場も無料です。ぜひぜひ、会場に足を運んで生の男子新体操を見てみてください。 井原高校も素晴らしいですが、ほかにも素敵なチーム、素晴らしい演技がたくさん見られることをお約束します。

●2014高校総体<新体操競技> 8月8日(金):個人競技 8月9日(土):団体競技 会場:代々木第一体育館 大会情報

<撮影:清水綾子>

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2014年07月26日

「音楽が踊りだす」~日本フィル夏休みコンサート2014

7月23日に八王子のオリンパスホールで行われた「第40回日本フィル夏休みコンサート」を鑑賞してきました。
演奏される曲もなじみ深いものが多く、また3部では会場のみんなで歌える曲ばかり、という子どもでも楽しめる、家族で楽しみたいコンサートでした。
そして、なんと言っても、2部には、日本女子体育大学新体操部とダンス・プロデュース研究会が出演。

ダンス・プロデュース研究会が、「美しく青きドナウ」で、バレエのように美しい舞踏を披露したのに続いて、新体操部が「トレパック」の曲にのせて賑やかに登場。新体操を見慣れた人にはおなじみのパンシェも後方ブリッジも、後ろもちピボットも、初めて新体操を見る人にとっては「驚異の技」だったようです。

「トレパック」は短い曲なので、息つく暇もなく、技、技、技をはつらつと披露した新体操部のメンバーたちに、会場からは惜しみない拍手がおくられました。 競技のときとはひと味違う弾けた笑顔が、ステージの上で輝いていました。
「アルルの女<間奏曲>」で登場した遠藤由華さんは、ステージに登場するところから、ドラマチックでなにかこの世のものではないような荘厳な空気をまとっていました。 ゆっくりとした曲で、どこまでもゆっくり動くという、ノリでごまかすことのできない難しい演目だったと思いますが、そこはさすが元五輪選手。フェアリージャパン時代に、表現力を開花させていた遠藤さんならではのすばらしいパフォーマンスでした。 「トレパック」でわいた会場も、この作品のときは、息をのんだような静けさに支配されていました。

日本女子体育大学と日本フィルとのコラボのラストを締めくくったのは、ベートーヴェンの「交響曲第7番」。人気ドラマ「のだめカンタービレ」のテーマ曲にもなっていた、聴いていてわくわくする楽しい交響曲にのせて、新体操部とダンス・プロデュース研究会のメンバー総出で賑やかに、華やかにステージを盛り上げました。
ユニークな動きや表情で、音楽を楽しく表現して見せるダンス・プロデュース研究会。 人を高く上げる組み技や、数えきれないくらい回転するフェッテなど、鍛えられた身体能力を磨きあげた技をいかんなく発揮した新体操部。 その素晴らしい踊りを得て、まさに「音楽が踊りだして」いるような珠玉のステージでした。

日本女子体育大学のパフォーマンスも素晴らしかったですが、MCを担当されていた江原陽子さんの歌も素晴らしかった! 3部のラストでは、なんと!「アナと雪の女王」の「Let It Go」の大合唱となりましたが、江原さんの歌声は、松たか子バージョンのような深みのある歌声でした。

さらに、7月19~27日の指揮を担当されている川瀬賢太郎さんは、コンサートの最後の最後に、「この指揮者、ただものではない」と思わせるサプライズパフォーマンスを!!! 小さな子どもも多い「夏休みコンサート」ならではのサービスなのかと思いますが、これには感動&大笑いさせてもらいました。

オーケストラのコンサートというと、ちょっと堅苦しいイメージはあると思いますが、このコンサートは、本当に楽しめること間違いなしです。 新体操っ子にとっては、まずは日本女子体育大学のパフォーマンス目当てでもいいと思います。会場に足を運んでみれば、日女の演技以外もとても楽しめると思います。

●日本フィル夏休みコンサート2014~今後の日程

7月27日(日)11時&14時 サントリーホール 7月29日(火)14時 習志野文化ホール 7月31日(木)14時 相模女子大学グリーンホール 8月1日(金)11時&14時 サントリーホール 8月2日(土)14時 東京芸術劇場コンサートホール 8月3日(日)11時&14時 横浜みなとみらいホール ※チケット情報など詳細はこちら!

<写真提供:日本女子体育大学>

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2014年07月25日

第26回東京ジュニア新体操選手権大会

今日は、「東京ジュニア新体操選手権大会」を観戦してきました。 出場者数の多い東京ジュニアは、現在、3日間にわたって行われていて、今日は最終日。個人上位40名、団体1部上位12チームによる決勝が行われました。


私にとっては、東京ジュニアは最初に観に行き始めた試合で、原点のようなもの。 ここ数年は観に行けていませんでしたが、今回、久々に観戦してなんだか懐かしくなりました。

せっかくなので、結果を。

●団体1部(※4位までが関東ジュニア進出)

1位:町田RG 14.780 2位:TESORO 14.000 3位:東京ジュニア新体操クラブ 13.950 4位:KANAI RG 13.500 5位:DIVA RG 12.070 6位:町田RGもりの 12.020 7位:ねもと新体操クラブ 11.450 8位:ウーマンズ新体操クラブ 11.420

●個人総合(※12位までが関東ジュニア進出)

1位 亀井理恵子(世田谷ジュニア新体操クラブ) 2位 藤井 雅(ピュアRG) 3位 角田湖雪(町田RG) 4位 仙波紘佳(DIVA RG) 5位 荒木映令那(TESORO) 6位 勝田聖菜(町田RG) 7位 高須咲絢(世田谷ジュニア新体操クラブ) 8位 森田真由(世田谷ジュニア新体操クラブ) 9位 中澤怜那(世田谷ジュニア新体操クラブ) 10位 関 若菜(東京ジュニア新体操クラブ) 11位 及川愛莉(グレース) 12位 藤井 陽(ピュアRG) 13位 山田瑠葵(シェリーRG) 14位 高須梨々花(世田谷ジュニア新体操クラブ) 15位 仲宗根華乃(世田谷ジュニア新体操クラブ) 16位 城 光季(東京ジュニア新体操クラブ) 17位 関口彩也香(KANAI RG) 18位 松崎菜々(町田RG) 19位 浅野結愛(TESORO) 20位 井上みゆ(KANAI RG)

以前、毎年のように熱心に東京ジュニアを観ていた時代から、変わらず強いチームも多いですが、近年、とても力をつけてきたチームもあります。 世田谷ジュニアやTESOROは、以前から「強くなりそうだなあ」という兆しはありましたが、ここまでになるとは!!!

優勝した亀井選手は、すでに高校生で、インターハイの東京代表にもなっていますが、早生まれとのことでジュニアの試合にも出場。 圧倒的な強さでした。 インターハイでの活躍も楽しみです。

<撮影:末永裕樹>

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2014年07月22日

「タンブリング」が遺したもの

舞台「タンブリングFinal」が、7月21日に千秋楽を迎えました。 テレビドラマから始まり、5年間、舞台として続いてきた「タンブリング」も今年で最後ということで、昨日が、正真正銘の大千秋楽でした。

私は、ラス前になる7月20日の公演を観てきましたが、思うこといっぱい! よみがえってくる思い出もたくさん! でなんだかうるうるしてしまいました。

詳しい記事は、今夜あたり(明日が仕事休みなので)書こうと思っていますが、なんというか、「1つの区切り」という思いがありました。

男子新体操にとっては、本当に、得難いものだったように思います。 その遺産を生かすも、殺すも・・・ですが。

今日は、またNHK総合で22時55分から「応援ドキュメント 明日はどっちだ」が放送されます。 「タンブリングFinal」を観ながら、「明日はどっちだ」に出てくる袖ヶ浦高校の3年生たち(水野くん、松垣くん)のことを思い出したら、やけに泣けてしまいました。

「俺だって団体やりたい! ずっとそう思ってた」

・・・団体が組めない環境にいる子は、たいていそう思うんでしょうね。 もともと覚悟のうえの場合は、まだしも、「まさかそうなるとは?」という場合は。

今夜は、ぜひ皆さん、「明日はどっちだ」をご覧ください! 現・全日本チャンピオンの斉藤剛大選手も、今回は、「鬼コーチ」として登場するようです。 お見逃しなく!!!

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2014年07月16日

2014ユースチャンピオンシップ 小林秀圭(NPOぎふ新体操クラブ)

試合での成績が、目標よりも下で終わってしまうことは、どんな選手にとってもつらいことだと思う。

が、その経験は、成長の糧でもあるし、糧にできなければならない。

しかし。 単に1位を目指していたのが3位だった。 10位以内を目指していたのに11位だった。 だけではすまないのが、次の段階の試合につながる試合だ。

ほんの1つ順位が違ってしまっただけで、次の試合に出られる選手と、そこで終わる選手とに分かれてしまう。

そんな明暗が、幼いころからずっと一緒にやってきた仲間の中で別れた場合、その悔しさややりきれなさは、想像に難くない。

2013シーズンは、小林秀圭にとって「しんどい年」だったのではないかと思う。

彼女自身、昨シーズンはどこかぴりっとしなかった。 中学2年生、ジュニアではトップレベルの選手であることは疑いようもない選手だ。 しかし、昨年は、肝心なところでミスが出た。それが成績に響いていた。

小学校の低学年のころから、彼女は、そして同じクラブの同期生である鈴木歩佳は、有望で人目をひく選手だった。

ただ「素質に恵まれている」だけでなく、NPOぎふ新体操クラブのハードな練習にも音を上げない根性もあった。 いや、ことによっては、2人そろっているからこそやってこれた面もあるのかもしれないが。

切磋琢磨しながら、「ぎふの2人」は、順調に成長していた。 うまい具合に、勝ったり負けたりしながら。


ところが、昨シーズンは、シーズンはじめのユースチャンピオンシップの予選種目・フープで、小林は、今まで見たことがないほど崩れてしまった。予選順位は、19位。フープが足を引っ張る形になったが、30位までが進める決勝には残った。鈴木歩佳も、予選は16位。高校3年生までが出場するユースチャンピオンシップだけに、当時中学2年生だった2人は、やや苦戦を強いられていた。

決勝では、2人ともしまった演技を見せ、順位を上げた。 結果、鈴木は10位、小林は17位という最終順位だった。中学2年生としては十分、立派な成績だ。 しかし、15位までが出場できる全日本選手権に、鈴木だけが出場することになった。

ここが始まりだったように思う。 昨シーズンは、その後の試合でも、クラブ選手権ジュニアの部で鈴木が4位、小林が10位。 全日本ジュニアでも、鈴木が4位、小林が10位だった。

少し前まで、どちらかというと鈴木はミスが多い選手で、小林のほうが安定感のある演技をするという印象があったが、こと昨シーズンに関しては逆になってしまった。


べつにそんな年があってもいいと思う。 幼いころからずっとトップ集団で走ってきた選手なのだ。 少し停滞することがあってもなんら問題ない。 苦しかったシーズンは、後になってみれば、きっと彼女の大きなステップになる。

そうは思ったが、今までずっと同じように成長してきた鈴木との間に、今までになく大きな差がついてしまったことだけが気がかりだった。 必要以上に落ち込んだりしていないといいのだけど。そう思っていた。

そんな私の思いは杞憂だったようだ。

今年のユースチャンピオンシップでの小林秀圭は、しっかり輝きを取り戻した姿を見せてくれた。 思い切りよく気持ちよい手具操作や、回りながら、ぐぐっと開脚度が大きくなるパンシェターンなど、彼女ならではの輝きが、その演技のあちこちで見られた。大人びた雰囲気も身につけ、表現力にも進境が見られた。 「成熟したジュニア選手」として、じつに楽しみな、力と魅力のある選手、になっていた。

きっと、もう大丈夫だ。 中学3年生になった2014年、彼女はきっと「ひと回り強くなった自分」を見せてくれるに違いない。

<撮影:末永裕樹/赤坂直人>

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2014年07月11日

2014インターハイに向けて~猪又涼子(伊那西高校)

この選手の演技には、ジュニア時代からなにか訴えるものがあり、好きだった。 しかし、ジュニアのころは、肝心なところでぽろっとミスをしてしまう危うさもある選手だったが、高校生になってからというもの、非常に安定した演技をするようになり、それに伴って成績ものぼり調子だった。



2013年、高校生になって最初の全国大会「ユースチャンピオンシップ」では、5位。 初出場のインターハイでは、早すぎた試技順で得点こそは伸びきれず8位だったが、すばらしい演技だった。 全日本クラブ選手権では、シニアの部4位。 そして、11月の全日本選手権で11位となり、世界選手権代表候補にも残った。

3回にわたるコントロールシリーズでも、着々と力をつけている印象だった。 高校1年生としての最後の全国大会・高校選抜でも4位。

まさに「高値安定」の1年間だったと言えるだろう。


ところが。 ちょうど高校2年生になったあたりから、少し異変が見えてきた。 4月になってから行われたコントロールシリーズ第3戦では、ややミスが目立ち、世界選手権代表の最終候補に惜しくも残れなかった。

そして、ユースチャンピオンシップでも、7位と前年実績を下回る成績に終わってしまった。

順位は、他の選手との兼ね合いもあるので、あまり気にすることもないとは思うが、昨年1年間がよかっただけに、このところのやや元気のない演技が気になってしまった。

思うに、いかにも真面目そうなこの選手の「生真面目さ」が、このところは少しマイナスに働いてしまったのではないだろうか。

とにかく無我夢中で「1年生」として走り続けられた去年とは、おそらく置かれている立場、期待される役割、すべてが違ってきているだろう。 そして、そういった期待に「応えよう」とする性格のように、猪又涼子は見える。


そんなさまざまな要因が、このところ少しばかり演技に影響してしまっていたのではないだろうか。

しかし、そんな時期があるのは悪いことではないと思う。 むしろ高校生らしいとも思う。

よい意味で、「新体操だけ」ではないんだろう。 新体操に懸けているのは間違いないが、「新体操の成績さえよければいい」とは思っていない。 だからこそ、迷ったり、悩んだりもするんじゃないか。

この春先から、少しばかり苦しそうに見えたが、それでもいざ曲にのって踊っているときの弾ける笑顔には翳りはなかった。 とくに、クラブでのはつらつとしたチャーミングな笑顔。 リボンで見せる周囲までがぱあっと明るくなるような笑顔。


ミスしようが、順位が下がろうが、あの笑顔を見ると、「この選手はきっと新体操が大好きなんだな」と思える。

だから。

少々、調子を落としている時期があっても、あまり心配はしていない。 悔しい思いをすればするほど、きっと次にはもっと力を発揮する。 華奢な見た目とはうらはらな、そんな強さを、彼女はもっている。

インターハイでは、きっと、その強さを見せてくれるに違いない。

<撮影:末永裕樹/赤坂直人>

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2014年07月08日

第68回全日本体操種目別選手権「白井健三&亀山耕平」


この週末は、千葉ポートアリーナで行われた「全日本体操種目別選手権」を取材してきた。

今大会は、10月に行われる世界体操選手権の代表選手を決める最終選考会だった。 男子は、すでに内村航平、野々村笙吾、加藤凌平が代表に決まっており、残るは3枠。 女子も、笹田夏実、寺本明日香、井上和佳奈の3人がすでに決定済。こちらも残り3枠が、種目別選手権で決まることになっていた。

体操競技の代表選手選考は、毎年、見直しされその年の状況に応じて選考基準が定められている。 かなり複雑なので、詳細は省略するが、男子も女子も「残り3枠」に入るためには、まずはこの種目別選手権で1種目でも優勝することが大命題となっていた。

さらに男子に関しては、派遣基準得点というものが種目ごとに定められていて、その基準得点を超える得点で優勝すれば、その場でほぼ代表入りが決まる。しかし、この派遣基準得点は、かなり高い設定になっており、これを超えられるようならば、世界選手権でも種目別優勝を狙えるというハードルの高さなのだ。

7月6日の男子決勝では、最初の種目・ゆかで、さっそく派遣基準得点超えが飛び出した。


昨年の世界選手権で、初出場ながらゆかで金メダルを獲得したスーパー高校生・白井健三(県立岸根高校)だ。

今大会は、3週間前に捻挫をし、一時期は足を床につくこともできない状態だったそうだが、本人いわく「周囲の人たちの支えがあって」なんとかこの大会に間に合わせてきた。

十分に練習ができていたわけではないのだろうが、それでも、本番の演技では「世界チャンピオンの意地」を見せた。 「シライ」「シライ2」ともきっちりと決め、16.100をマークし、派遣基準得点(16.000)を超えた。


さらに2種目目のあん馬でも、昨年の世界選手権のあん馬王者・亀山耕平(徳洲会体操クラブ)が、非のうちどころのない美しい実施で、15.900をたたきだした。昨年は世界選手権後から腰の痛みで、満足に練習できなかった。冬場には、なんとか腰への負担を減らせるように筋力トレーニングなどに励んできたが、5月の全日本選手権の時点では、6種目を満足に通せる状態にはなく、得意のあん馬さえやり切れなかった。

結果、NHK杯に進むことができず、世界選手権の代表入りをするには、この種目別選手権で派遣基準得点を超えての優勝、が絶対条件となってしまった。 5月の時点では、まだコンディションが悪かったそうだが、そこからの2か月。 「徳洲会の素晴らしいスタッフのおかげ」で、今回はやれる! と思えるところまでこぎつけた。

あん馬決勝では、試技順8番。 直前の7番目には、昨年の種目別選手権のあん馬で優勝している長谷川智将(日本体育大学)が、高難度の構成をミスなく演じきっていた。

演技に入る直前には、かなり緊張している表情が見られたが、「できる」「大丈夫」と自分に言い聞かせ、ノーミスで演技を通し、15.900が出て喜ぶ、というプラスのイメージだけをもって演技に臨んだという。

世界一美しいつま先。スピードがあり、スムーズな旋回。 演技中の倒立の姿勢の美しさ。開脚したときの脚の角度。 風格すら感じさせる「王者の演技」で、堂々と代表の座をもぎとった。


白井も亀山も、昨年に続いての代表入り。 しかも、昨年はゆかとあん馬の世界チャンピオンだ。 それだけ聞けば、今年も代表には入って当然、と思われそうだが、2人とも苦しんで苦しんでつかんだ代表だ。

なにしろ、日本の男子体操は層が厚く、昨年の世界チャンピオンといえど、いつ抜かされてもおかしくない状況なのだから。 そんな中で、必死になってつかんだ代表の座だから、価値がある。

10月3~12日の世界体操選手権大会(南寧/中国)での、彼らの、そして日本チームの活躍を楽しみにしたい。

<撮影:末永裕樹>

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2014年07月07日

2014インターハイに向けて~テレビ出演情報


さて、いよいよ明日に迫りました!

7月8日(火)午後10時55分~午後11時20分 NHK総合 「応援ドキュメント 明日はどっちだ #49」

関ジャニ∞が頑張る人々を応援する連続ドキュメンタリー。今回は、千葉県にある珍しい男子新体操部の青春群像1回目で、千葉県立袖ケ浦高校男が登場します。

袖ケ浦高校・男子新体操部は千葉県内で唯一の男子新体操部。ここ数年は、団体も組めない状況にあまんじていたが、今年は久しぶりに団体を組んで、先日の団体選手権にも出場し、久しぶりにインターハイ出場も決めた。 現全日本チャンピオンの斉藤剛大(国士舘大学)や、畠山可夢(国士舘大学)、現在はミュージカルなどでも活躍している佐久間雄生(国士舘大学卒)ら、多くの選手を輩出している袖ケ浦高校だが、決して環境には恵まれていない。やっと集まった団体メンバーも、高校から始めた素人も多いが、果たしてインターハイはどうなるのか?


この「応援ドキュメント」、放送の情報が入ってからも、どこの高校を取材しているのか明かされていませんでした。 どこなんだろう? と思っていたんですが、袖ケ浦高校だったんですね。 若い監督になり、久しぶりのインターハイに挑むチーム、なかなか絵になりそうです。

明日の放送をお見逃しなく!

ところで。 袖ケ浦高校といえば、2011年の3月に、私は取材に行ったことがあります。 このとき見た袖ケ浦高校の練習場は、衝撃でした。

そして、このとき初めて私は、畠山可夢、斉藤剛大とも話をしたのでした。

青森山田高校と盛岡市立高校にしか行ったことがなかった私が、その後、たくさんの高校に取材行くようになったスタート地点が、この袖ケ浦高校だったことを思い出しました。

そのときの記事を、リンクしておきます。 明日の放送前に、予習? として見てもらえれば嬉しいです。

2011年袖ケ浦高校取材記事①

2011年袖ケ浦高校取材記事②

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2014年07月03日

2014インターハイに向けて~岩本 司(武豊高校)


この選手も、この1年で大きく「化けた」と感じさせる選手だ。

1年前の佐賀インターハイに、1年生ながら愛知県代表として出場。 ロープ8.750、クラブ8.900の13位と、なかなかの健闘を見せた。

このときの彼の印象は、「そつない」「これと言って欠点のない」演技であり、選手だった。


初めてのインターハイ出場で、これくらい落ち着いて「そつなく」やれるというのはそれだけでもすごいことではあるが、1年生にしてはやや「まとまりすぎ」? という気がしなくもなかった。

「この選手、これからどう育っていくんだろう?」というワクワク感は、あまりない。 失礼ながら、そんな印象を受けた。

しかし、今年の3月に行われた高校選抜大会で、岩本は6位になった。 ロープだけが惜しくも8.975と9点台にのらなかったが、ほかの3種目はしっかり9点台。 インターハイからわずか9か月で、平均点を軽々とあげて見せた。

いわゆる「のびざかり」なのだろう。 高校選抜での岩本は、高校生の「のびる力」をまざまざと見せつけた。



ところが。 岩本の「のび」は、得点や順位だけにとどまっていなかった。

ユースチャンピオンシップでは、予選のロープ、クラブはややもたついたところもあり、9点にのせることができなかったが、圧巻だったのは決勝だ。

決勝1種目目のスティックは、動きのキレや緩急、音楽との一致が際立ちながらも、手具操作の面白さも見せるバランスのよい演技だった。 得点も、9.125で順位もぐっと上げた。

そして、最終種目のリングは、半田中学の先輩である竹内佑真(花園大学卒)の作品だったと思うが、大学生としてもかなりテクニカルなこの作品を、見事にノーミスで決めた。いや、ノーミスだっただけでなく、特筆すべきは、ほんの1年前まで「そつない」印象だったこの選手が、大会を重ねるごとに、どんどん「自分の色」を濃く出すようになってきていることだろう。 得点も、9.075。 決勝の2種目は、どちらも9点台にのせた。



ユースでの彼の演技を見て、5月に武豊高校の練習を見に行ったときのことを思い出した。 岩本は、おそろしいほどに自分に集中した練習をしていた。 武豊高校、そして半田中学の選手たちもいる、全国でも屈指の賑やかな練習風景だったが、彼は、こと練習に関しては、非常に内にこもるタイプに見えた。 試合が近い時期だったので、プレッシャーがあるのか、と思っていたが、おそらくそれだけではなかったのだろう。

岩本司は、おそらく「まずはちゃんとやる」ことから始めるタイプの選手ではなかったか。 だから、1年前までは、「そつなく」、インパクトにはやや欠ける演技をしていた。 表現だの、自分の色や個性などを追求する前にやるべきことがある、と彼は思っていたのではないか。

そして、9点台を出せるだけの力をしっかりつけ、実績も重ねてきた今、彼は「本当にやりたいこと」をやり始めたのだ。

本当の彼は、おそらく「そつなくまとまった」とは対極にいる。 もっともっと。 自分らしい色を出した演技を、きっと彼はこの先、追っていくんじゃないか。 ユースでの彼の演技は、そう予感させた。

ときに失敗したり、後退することもあるかもしれないが。 それでも、いずれ彼が咲かせるだろう花の色や、花の大きさを、楽しみにしておきたい。

なにしろ、先はまだ長いのだから。

<撮影:清水綾子>

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