2013年02月18日

2013テレビ信州杯レポート23 男子キッズ選手権の勇者たち⑪

2013テレビ信州杯レポート23 男子キッズ選手権の勇者たち⑪

85 藤江拓海(小6/埼玉栄RG)

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「医龍」のサントラ曲にのせて、力強く男らしい「埼玉栄」テイストの演技を見せてくれた。「強さ」の表現がうまかった。 86 工藤 航(小6/BLUE TOKYO kid's)
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なんと3バックが入っていた。1年前は、「まだ新体操歴浅いです」という感ありあり(でも、魅力的な動きをしていた)だったが、すっかりいっぱしの新体操男子になっていた。体の線は美しい選手なので、足先にもっと神経がいき届けば、かなりステキな選手になりそうだ。 87 松永健人(小6/NPOぎふ新体操クラブ)
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「見せる」ことに対する意識が変わったのかな? と思わせる演技だった。基本徒手やタンブリングはもちろんしっかりしているうえで、こういう見せ方ができれば評価も高くなるのは当然! 4~6年の部準優勝。 88 清水優志(小6/南甲子園体操クラブ)
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身長が高く、手足も長いので、普通に動いていても雰囲気がある。大人っぽく見える選手なので、「せつない系」の演技が似合いそうだ。 89 向山蒼斗(小6/国士舘ジュニア)
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どこまでも美しく、爽やかな演技だった。キッズの中では間違いなくトップレベルの徒手能力をもっているが、小柄なせいもあって、強いて言うなら「重み」や「強さ」にはやや欠けるか? 今回はシャープでかっこいい曲を使っていたが、今の体格と動きだとしっとり系の曲のほうが良さを際立たせることができたかもしれない。4~6年の部4位入賞。 90 野口勇人(小6/神埼ジュニア新体操クラブ)
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美しい徒手と力強いタンブリングを兼ね備えた選手。表現力もあり、とても大人びて見える演技だった。4~6年の部6位入賞。 91 小野竜之介(小6/R・Gひろさきジュニア)
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第2回キッズ選手権のトリを務めたのが、「アルプスの少女ハイジ」で踊ったこの選手。隅々まで工夫され、音楽にぴったり合った演技は、感涙モノだった。それでいてただのおふざけではなく、ちゃんと新体操になっている素晴らしい演技だった。 さらに素晴らしかったのが、演技終了後のあいさつ。 深々とていねいにフロアに向かって頭を下げたその姿からは、「新体操に対する真摯な思い」が伝わってきた。
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これだけたくさんの新体操キッズがいるのだから。 男子新体操は、まだまだ大丈夫! そして、このキッズ達の未来が明るいものになるように、上の世代は、それぞれにできることを精一杯、頑張っていくしかない! そんな決意を、今年も新たにさせてくれた第2回男子キッズ選手権だった。                                          <撮影:清水綾子>


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2013年02月17日

2013テレビ信州杯レポート22 男子キッズ選手権の勇者たち⑩

2013テレビ信州杯レポート22 男子キッズ選手権の勇者たち⑩

78 岩﨑あさひ(小3/南甲子園新体操クラブ)

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ラストポーズがユニークだった。しっかり自分の世界を感じさせる演技で、気持ちが入っていた。 79 佐藤慶武(小5/ゆざ新体操クラブ)
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鹿倒立のときのつま先がとてもきれいに伸びていたが、普通に移動するときには緩んでしまうこともあったのは惜しかった。意識すればしっかり伸ばせるつま先なので、練習を積めばどんどんうまくなりそうだ。 80 伴 陽太(小3/国士舘ジュニア)
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上挙の形も、指先も非常に美しく、音と動きの合わせ方も絶妙で、見ていて気持ちのいい演技だった。ひとつひとつの動きがとてもていねいで完成度の高い演技だった。3年以下の部の入賞は、点数が高いほうから9人というわけではなさそうなので、入賞はできなかったが、3年以下の部の中で完成度では間違いなくトップレベルの素晴らしい演技だった。 81 細谷悠樹(小5/ホークジュニア)
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とても気持ちの入った演技で、とくにラストはすごくいい表情をしていた。作品のもつ雰囲気に入り込んでいると同時に、いい演技ができた、という満足感から出た表情だったのだろうか。好感がもてた。 82 田辺大輝(小3/会津ジュニア)
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会津ジュニアの選手達は、低学年が多かったので、まだキャリアの浅さを感じさせる子もいたが、この選手は、もっとも「新体操らしい」しっかりした演技を見せてくれた。「新体操が好き!」という思いが演技を見ているだけでも伝わってくる演技だった。 83 河上黎太郎(小6/Leo RG)
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技術的な部分はさておき、気持ちのこもった動き方ができる選手、という印象だった。基礎の部分がより確立されてくれば、この強みがもっと生きてきそうだ。 84 乾 蒼真(小5/華舞翔新体操倶楽部)
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うまいキッズ選手の多い華舞翔だが、その中でももっともつま先の緩みなどの隙がないのがこの選手だ。堂々の2連覇達成! 来年がまた楽しみだ。4~6年の部優勝。 <撮影:清水綾子>


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2013年02月14日

2013テレビ信州杯レポート21 男子キッズ選手権の勇者たち⑨

2013テレビ信州杯レポート21 男子キッズ選手権の勇者たち⑨

69 國武順乃助(小5/宮崎新体操クラブ)

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ひとつひとつの動きを全力でやっている感じで、力強さがあった。やや力が入りすぎ? という感もあったが、それだけに一生懸命さが伝わる演技で、好感がもてた。 70 石谷真人(小3/智頭RG)
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後転して、そのままバランスというつなぎがしっかりできていた。後屈がよく曲がっていて、柔軟性のある選手。まだ、完成度は高くないが、大きな欠点のないバランスのいい選手で、のびしろを感じた。 71 工藤晃哉(小6/R・Gひろさきジュニア)
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頭で倒立から鹿倒立につなげたり、ユニークかつ難しそうな連続技をいろいろ見せてくれたアイデアマン! とにかく元気いっぱい! 新体操大好き! な気持ちあふれる演技だった。 72 森 輝月(小3/東播体操クラブ)
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え? え? まさかの4バック成功! まだ3年生でとても小さい選手だが、バランスもしっかり止まったし、とびこみ前転も美しかった。ポテンシャルの高さは、かなりのもの! 将来が楽しみな選手。 73 蔵本将輝(小5/田中ジュニア新体操教室)
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ベーシックでなつかしい「ザ・男子新体操!」という印象の演技。ベーシックなだけにごまかしがきかないが、1年前より着実にうまくなっていて、地道な努力のあとが感じられた。 74 田中紳介(小3/華舞翔新体操倶楽部)
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基本的にラインの美しい選手で、動きにも華舞翔の選手らしい華があるが、まだ3年生だけに、今回の演技では、ふらつきが目立ったのが惜しかった。年齢が上がってきて、演技の確実性があがったときが楽しみな選手だ。 75 米田恒倫(小4/智頭RG)
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まだまだ、粗は多い演技なのだが、基本徒手はきちんとしている(しようとしている)ので見ていて気持ちのいい演技だった。とくに深い斜前屈には、目指している新体操の志の高さが感じられた。 77 杉山蓮太郎(小5/島田ジュニア体操教室)
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とても表情がさわやかで好感のもてる演技だった。指先までしっかり使った手での表現がうまくできていたので、あとは足先にももっと意識を注げばぐっとうまくなりそうだ。                                             <撮影:清水綾子>


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2013年02月13日

2013テレビ信州杯レポート⑳ 男子キッズ選手権の勇者たち⑧

2013テレビ信州杯レポート⑳ 男子キッズ選手権の勇者たち⑧

61 吉田祥真(小6/華舞翔新体操倶楽部)

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普通にしていれば、いかにも元気いっぱいに給食のおかわりをしていそうな少年なのだ。が、踊りだすと、とても小学生とは思えないなんともいえない雰囲気を醸し出す。技術の高さも間違いないが、その表現力は、腕や指の動きが雄弁なゆえんか。表現巧者を多く輩出している会津の血を濃く感じさせる演技だった。4~6年の部8位入賞。 62 赤羽拓海(小3/福島新体操クラブ)
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もう一歩、つま先が伸びればなぁ~と思うのは求めすぎだろうか。まだ3年生なのだから、そういう細かい部分はまだまだこれから! なのだが、徒手要素がとてもきちんとしていただけについ望んでしまいたくなる。技術だけでなく、雰囲気も年齢以上の大人っぽさのある演技だった。ファイティング賞受賞。 63 髙城柊矢(小5/国士舘ジュニア)
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斜前屈、体回旋などの基本徒手がとても美しかっただけに、かっこいい振りの部分もとてもよく見えた。ピンと伸びた指先、ひざなど基本に忠実にていねいに踊れていた。 64 齋藤多祐(小1/R・Gひろさきジュニア)
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なにをやってもかわいいちびちゃんだが、このちびちゃん、能力も侮れない。バランス、倒立、側転などもいっちょまえにこなし、おまけに足で手拍子(?)などで笑いもとれる。将来楽しみなエンターテイナーだ。 65 岡本瑠斗(小4/草加ジュニア新体操クラブ)
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とにかく柔軟性がすばらしい! もぐり、横バランス、バックルジャンプ、左右開脚からの脚ぬき、胸倒立など「女子か?」と思うような難度を次々と披露。それでいて、男子新体操的な動きもバッチリ! という全方位的選手。これでまだ4年生! 末恐ろしくも楽しみだ。 66 貝瀬 壮(小2/相模原市体操協会ひかり体操教室)
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まだ2年生。そして、生真面目な演技ぶりからすると、「表現しよう」とまで意識をしているようには思えないのだが、彼の演技には、なんとも言えない雰囲気がある。無意識なのかもしれないが、「思いがこもっている」ように見える美しい動きがとても魅力的だった。 67 武田大河(小6/神埼ジュニア新体操クラブ)
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スリムな体型で、動きの見映えがよい選手。神埼らしいしっかりとした徒手のほか、ちょっとおしゃれな感じの動きも似合っていた。4~6年の部8位入賞。 68 土井政宗(小3/会津ジュニア)
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しっかり深くできていた胸後反が印象に残った。今はまだ、高い得点に結びつく演技ではないかもしれないが、基礎を大切に1つ1つの動きをていねいにやっていることが伝わってきた。この選手だけでなく、会津ジュニアの選手達は、写真になると、とても美しい。動けばまだ粗はあるのだが、決めたときの形のよさや、細かい部分での繊細な美しさは、すでに十分に身に付きつつあるのではないか。彼らの成長ぶりを見ることができる来年が今から楽しみでたまらない!                                          <撮影:清水綾子>


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2013年02月12日

2013テレビ信州杯レポート⑲ 男子キッズ選手権の勇者たち⑦

2013テレビ信州杯レポート⑲ 男子キッズ選手権の勇者たち⑦

53 安藤未藍(小6/NPOぎふ新体操クラブ)

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すでに昨年、個人、団体ともに全日本ジュニアにも出場している選手であり、実力は折り紙つきだが、どことなくクールというか、さらっとした印象のある選手だった。それが、今回のキッズ演技では、彼の「本気」が見える演技だった。おそらく素質にも恵まれている選手だとは思う。だが、それ以上に、彼はおそらくかなり小さいころから新体操をやってきた。その年月はだてじゃないのだ、というプライドが垣間見える演技、だったように思う。その分、見ている人に伝わるものがあった。4~6年の部5位入賞。 54 室賀友祐(小3/WingまつもとR.G.)
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美しい曲に、しっかりと気持ちをのせて踊れていた。「音楽に気分を合わせること」ができてきたこの選手にぴったりなアーティスティック賞受賞。 55 工藤太雅(小5/BLUE TOKYO kid's)
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つま先やひざがもっと伸びればどんなにか美しい選手になるだろう…と思う選手だった。演技にはとても表情があり、いい雰囲気を持っているだけに、基礎の部分がより強化されたときが楽しみだ。 56 石橋知也(小3/神埼ジュニア新体操クラブ)
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「ほんとに小学3年生なの?」と確認したくなるほど、しっかりした演技を見せてくれた。おそるべし神埼のDNA! ベーシック賞受賞。 57 赤石大翔(小5/R・Gひろさきジュニア)
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楽しい演技をする選手の多いひろさきの中では、珍しくしっとり系の演技だったが、「JIN~仁」のテーマ曲でとても美しく演じていた。 58 船橋透真(小1/町田RG)
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バランスも止まれたし、前屈もしっかり深かった。フロアのコーナーでのホップ(小さい跳躍)が「男子新体操」らしくてよかった。演技の最後、「じゃん!!」と決めたところがかっこいい! 59 三好健太(小4/南甲子園体操クラブ)
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まだ4年生だけに、演技には粗い部分もあった。が、とにかく彼は、自分の世界に入り込んで演技することのできる選手だ。そういう力は、年齢とともに薄れてしまう場合もあるので、ぜひ失くさないでほしいと思う。気持ちが入っている分、とてもいい表情で踊っていた。 60 三浦大空(小3/BLUE TOKYO kid's)
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「パイレーツ・オブ・カリビアン」でかっこよく踊れた。低い姿勢での動きがとてもなめらかで印象に残った。青森の大先輩である松田陽樹選手も、低い姿勢が素晴らしい選手だったが、松田先輩みたいになれるようにこれからも頑張ってほしい。                                            <撮影:清水綾子>


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2013年02月11日

2013テレビ信州杯レポート⑱ 男子キッズ選手権の勇者たち⑥

2013テレビ信州杯レポート⑱ 男子キッズ選手権の勇者たち⑥

44 川嶋龍登(小2/草加ジュニア新体操クラブ)

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女子の演技ではよく見かける「胸倒立」が入っていた。これはかなり柔軟性がないとできない技なので、相変わらず柔軟性がすばらしい! まだ2年生ながら、それらしい雰囲気で演じる力もあり、将来が楽しみな選手だ。 45 大坪 空(小4・神埼ジュニア新体操クラブ)
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すべての要素が文句なしにうまい! おまけにゆるみのないまっすぐな脚のラインがとても美しい。これだけ基礎がしっかりしていれば、この先、どんな個性を見せる選手に育っていくのか楽しみだ。 46 中田光乃介(6才/BLUE TOKYO kid's)
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バランスで少し動いてしまったり、本人にとっては「やや悔しい出来」だったかもしれないが、1年前は、「ゴーカイジャー」の曲で保育園のおゆうぎ? 的な演技だったことを思うと、飛躍的に「新体操」になっていた。キメのときの、下からの強い目線には6才とは思えぬ凄みがあった。 47 菊地圭祐(小6/ホークジュニア)
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止まるべきところで少し動いてしまったところもあったが、それもそのはず! と思わせる動きの大きさとダイナミックさだった。たとえ今は減点につながったとしても、思い切りよく動けることはキッズ世代にはとても大切だと思うので、いい成長の仕方をしている選手だと感じた。 48 高橋 快(小2/STELLA)
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所属クラブの女の子達だろうか? 彼の出番での、女子からの大声援はすごかった。本来は、男子新体操のコースはないクラブだが、「やりたい」という彼の熱意により、キッズ選手権への出場が実現したと聞いている。出場のために国士舘大学に指導を受けにも行ったのだとか。それだけの熱意はたしかに感じられる一生懸命な演技だった。非常に線がきれいで、表情も豊か。「表現力」に長けた選手になりそうだ。続ける環境を整えることは難しいのかもしれないが、ぜひこれからも男子新体操を続けて、来年のキッズ選手権にも出てきてほしい。 50 伴 日和(6才/国士舘ジュニア)
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フロアに入ってくる姿から、もうかわいい。まだ6才とあって、立っていても歩くときも、体がふにゃふにゃしている感じなのだが、演技が始まると、シャキーン! といい緊張ができるのはすばらしい。もちろん、まだ抜けてしまうところはあるが、それでも、常に指先やつま先まで意識して一生懸命伸ばそうとしていることは十分に伝ってくる演技だった。 51 藤綱隼都(小4/東幡体操クラブ)
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1年前のキッズ選手権でも、「まるっきりダンスじゃない?」な演技で沸かせてくれた選手だ。今年も、かなりダンス色の強い曲と振付ではあったが、タンブリングや斜前屈など、新体操的な能力もすばらしく伸びていたことにはビックリ! おそらく、もう少しダンス色を薄めた演技にしたほうが競技での評価はされやすいのではないかと思うが、「ダンス」も4年生でここまで踊れるのは、すごい! 採点では不利だったかもしれないが、他の選手にはない自分の魅力、持ち味をしっかりアピールできていた。 52 土井紀周(小1/会津ジュニア)
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まだ1年生。演技中に、ところどころ不安そうな表情が見えたり、動きも半信半疑なところはあったが、バランスはびしっとしっかり止まれた。おまけに、曲と演技の終わりがずれそうになったが、ラストポーズへの入りを待って、見事に合わせたのはえらかった!                                         <撮影:清水綾子>


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2013年02月09日

2013テレビ信州杯レポート⑰ 女子ジュニアクラブ対抗優勝/WingまつもとR.G.

2013テレビ信州杯レポート⑰ 女子ジュニアクラブ対抗優勝/WingまつもとR.G.

「17年目の勝利」

第17回テレビ信州杯、クラブ対抗戦1日目を終えた時点で、地元長野県のWingまつもとR.G.は、ジュニアクラブ対抗の部で2位につけていた。

1日目のロープに出場した清沢毬乃は、どこまでも高いかかと、良く伸びる甲が美しく、難度もはっきりと見えやすいチャーミングな演技を見せた。

●清沢毬乃

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リボンに出場した横山美希は、表現力豊かな迫力ある演技を、大きなミスなくまとめた。その結果、1日目の2種目を終えて、暫定2位。それも1位とは僅差という好位置につけたのだった。 ●横山美希
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暫定1位は、NPOぎふ新体操クラブだったが、2日目にWingまつもとR.G.は、エース・猪又涼子を残していた。 今大会のジュニア選手の中では、ミスのない演技をすれば、もっとも高い得点を出せる可能性があるのが猪又だ。 猪又の出来いかんでは、十分に逆転の可能性がある。 そんな試合展開になった。 もしも、WingまつもとR.G.が逆転優勝したら、ひょっとして長野県勢にとっては初の「ジュニアクラブ対抗優勝」なんじゃないか? と私は即座に思った。 なにしろ、テレビ信州杯のジュニアクラブ対抗では、町田RGかNPOぎふがずっと強かったため、近年進境著しい長野県のチームでも、優勝はなかったはずだ。 かつては「北信越のお荷物」と言われていた長野県。 新体操においては、後進県だった長野県。 そこから這い上がるために、県内の協力体制を固め、長野カップを立ち上げ、ゴールデンウィークの合同合宿を実施するなど、あらゆる策を講じてきた。その動きは、県内にとどまらず、県外のクラブも巻き込み、共に成長し、長野カップ(テレビ信州杯)を、全国最大規模の大会にまで育て上げた。 長野県からも多くの名選手も生まれ、多くの選手が、大学でも活躍するようになった。 間違いなく、長野の新体操は進化し、飛躍を遂げた。 それでも。 テレビ信州杯でのジュニアクラブ対抗優勝はまだ成し遂げていなかった。 それが…。 その悲願が、今年、叶うかもしれない。 そう思うと、クラブ対抗の決着がつく、2日目の朝、私までドキドキしていた。 ●猪又涼子
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しかし。 よりによって、猪又涼子は、ボールの演技を新しい作品に変えていた。新ルールを見越し、シニア仕様になった新作演技が完成したのは、なんと12月だったという。 ただでさえ、猪又は、ノーミスの少ない選手だった。 すばらしく美しく、すばらしく情感あふれる演技をするのだが、「ああ~」という惜しいミスが1つはある。そんな演技が多かった。 その猪又が、「長野県初のジュニアクラブ対抗優勝」のかかった局面で、新作演技に挑む。 それはあまりもリスキーに思えた。 正直、「期待しすぎないようにしよう」と思いながら、私は猪又涼子の演技を見ていた。 演技を変えたばかりとは思えないくらい、落ち着いた演技を見せていたが、中盤、もぐりキャッチでボールをこぼした、ように見えたが、それも冷静に処理し、演技には大きな破綻をきたさず乗り切った。 「ノーミス演技」ではなかったが、逆転優勝には十分な点数が出そうな演技に見えた。 あの、いつも「惜しい~」と思わせていた猪又涼子は、いったいいつの間にこんなに強い選手になったんだろう? と驚くばかりだった。 結果、猪又涼子のボールは、だんとつの得点で、1位を獲得。 チームの総合得点でも、見事、逆転優勝を成し遂げた。 テレビ信州杯が始まってから17年目の快挙だった。 今回の優勝チームは、WingまつもとR.G.だ。 しかし、この優勝は、やはり長野県全体で、17年の年月をかけて勝ち取ったものだと思う。 為せば成る! たとえ時間はかかっても。 長野県のこの快挙が、そう教えてくれた気がする。                                        <撮影:榊原嘉徳>                                        


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2013年02月08日

2013テレビ信州杯レポート⑯ 男子キッズ選手権の勇者たち⑤

2013テレビ信州杯レポート⑯ 男子キッズ選手権の勇者たち⑤

35 松本光生(小5/小島新体操クラブ)

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とても基本に忠実な体操をしているという印象だった。動きはベーシックなのだが、指先を見る視線や表情はとても表現力豊かで、将来性を感じさせる。 37 加藤 渚(小4/華舞翔新体操倶楽部)
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腕が付け根からでなく、肩からいっしょに動く感じで、動きに大きさが出ている。目線を下に向けるとき、また、くいっとあごをあげるときなど、メリハリがあり、「演じる力」に長けた選手だ。 38 目黒太郎(小3/会津ジュニア)
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演技中に、向きがわからなくなった? というところがあったが、その後ちゃんと落ち着いて最後までしっかり演じ切った。しっかり伸びた姿勢ではまっすぐな手足が美しかった。 39 森谷祐夢(小4/国士舘ジュニア)
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柔軟性にも恵まれた選手だが、なんと言っても指先の動きでの表現のうまさにはうなるしかない。まだ4年生だが、「せつない」気分を演じさせば大学生顔負け。末恐ろしい演技派だ。 40 細谷啓杜(小2/ホークジュニア)
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表情豊かな上半身や腕の動きがとてもよかった。ベーシック賞受賞。 41 丸山玲央(小4/WingまつもとR.G.)
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1年前は、「いかにも女子クラブの選手」という感じだったが、今年はずい分、男子らしい、かっこいい演技を見せてくれた。なんと、3バックにも挑戦! 来年までにどう変貌しているか? 成長が楽しみな選手だ。 42 白間一颯(小3/智頭RG)
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動きは素直で、まだ初心者ぽさはあるが、動きに対しての目線のつけ方、腕の動きなどにはいっぱしの「表現」が見える。そのため、キメポーズは非常に力強く、「見せる力」のある演技だった。 43 貝瀬 匠(小4/相模原市体操協会ひかり体操教室)
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つま先や指先にも神経がいき届いていて、線の美しい選手。バランスや側転がとてもきれいに、しっかりとできていた。ラストポーズもかっこよく決まっていた。                                            <撮影:清水綾子>


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2013年02月07日

2013テレビ信州杯レポート⑮ 男子キッズ選手権の勇者たち④

2013テレビ信州杯レポート⑮ 男子キッズ選手権の勇者たち④

26 土井完太郎(5才/会津ジュニア)

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なんと5才! 小さいので、側転の前の助走の歩数が多いこと、多いこと。なんともそれがかわいい! ラストは、少し音が余ってしまったようだったが、終わりを合わせるためにしっかりポーズを待っていたのがえらい! 27 岩崎 光(小4/埼玉栄RG)
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1年前に見たときに比べて、とても体が柔らかくなっていたことにびっくり! 横バランスもよく脚が上がっているし、斜前屈も深いし、見事なブリッジも見せてくれた。1年間、しっかり柔軟を頑張ったんだなあ、ということがよくわかる演技だった。 28 芹澤宗一郎(小3/国士舘ジュニア)
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とってもかわいい! それでいて、かかとは高いし、つま先もよく伸びていて、基本がきっちり身についているのがとてもいい。音楽をよく聞いてとてもていねいに動いているところがすばらしい。 29 長倉大知(小4/宮崎新体操クラブ)
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つま先やひざがよく意識できていて、ひとつひとつのポーズが美しい。まだ4年生だが、重みもあるしっかりとした徒手を見せてくれた。ラストポーズに向かうところの「ため」がかっこよかった。 30 木村熙作(小1/舞エンジェルスR.G.)
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「春よ来い」の美しい旋律にのせて、どこまでも美しく、ていねいな演技だった。左右開脚やローリングなどで柔軟性もアピールできていた。アーティスティック賞受賞。 31 大野哲平(小6/Leo RG)
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やわらかい胸の使い方、動きのキレのよさ、正面を見据える視線の強さなどが魅力的だった。4~6年の部3位入賞。 33 佐々木恭太(小5/R・Gひろさきジュニア)
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鹿倒立で1歩動いてしまったのは押しかったが、走り方にも勢いがあり、表情もいきいきとしていてとてもよかった。ジャンプターンが入っていたのも男子としては珍しく、チャレンジ精神を感じさせた。 34 前田 剛(小3/BLUE TOKYO kid's)
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上半身の動きがとても表情豊かで、「パイレーツ・オブ・カリビアン」の曲をかっこよく踊ってくれた。上半身や腕の動きはとてもいいので、つま先をもう少し意識できるようになるとぐっと上手になりそうな選手だ。                                                <撮影:清水綾子>


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2013年02月06日

2013テレビ信州杯レポート⑭ 男子シニア団体3位/甲府工業高校

2013テレビ信州杯レポート⑭ 男子シニア団体3位/甲府工業高校

報道ステーションの興奮まだ冷めやらぬ、だが、こんな番組もあったことをどのくらいの人が知っているだろうか。

その番組は、テレビ山梨が制作した

「新体操ボーイズ ~汗と涙と努力の日々~」

部活動を再開し、インターハイ出場を目指す甲府工業高校新体操部を追った1時間のドキュメンタリー作品で、なんと! 平成24年日本民間放送連盟賞 青少年向け番組 優秀賞を受賞している。

当初は、山梨県内だけでの放送だったようだが、この受賞により、最近になって全国あちこちの局で放送されているので、「これ、見た!」という方も増えてきたのではないだろうか。

じつは、私も最近になってやっと見ることができた。
(以前、DVDをいただいたりもしていたのだが、我が家のデッキで再生することができず、見られないままになっていたのだ。)
最近の放送を録画してもらい、今度はやっと見ることができた。

この番組で追っているのは、2011年の青森インターハイに向けての甲府工業高校で、団体チームが組めるようになってまだ1年足らずという状態だ。私はこの年の5月、多摩市で行われたチャリティー競技会での彼らの演技を覚えているが、それはかなり前途多難と思わせるものだった(このチャリティー競技会にもテレビ山梨は、取材に来ていたようだが、内心「大丈夫か…?」と思ったのではないだろうか)

しかし、この番組を見ると、5月からインターハイまでのわずか2か月間で、彼らが驚異的な頑張りで伸びたことが誰の目にもわかる。
このときのインターハイの成績は、下から数えたほうが早かったが、それでもそこで彼らが見せた演技は、ドキュメンタリー番組の締めとしてはこのうえないものだったし、だからこそ、番組を見た人にも共感され、優秀賞受賞にもつながったのだろうと思う。

ただ。

この番組が、2011年のインターハイで終わっているのがじつに惜しいな、と私は思った。

なぜなら、甲府工業高校の快進撃は、ここがスタートだったのだから。
この番組の中で、インターハイの本番直前に、雨宮監督が、チームの1、2年生に向かって言う言葉がある。「1、2年生にとっては、ここは通過点でしかない」・・・まったくその通りだった。

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2011年インターハイ終了後、当時の3年生を抜いた新チームで挑んだ2012年3月の高校選抜大会では、得点こそ15.950とインターハイでの15.900をわずかに上回るにとどまったが、その演技からは、インターハイのころとはまったく違う迫力が伝わってきた。地元・山梨県で開催された選抜大会という地の利もあったかもしれないが、その利をプレッシャーにしてしまわないだけの力を彼らはつけていたのだ。

そして、2012年8月の福井インターハイでは、試技順1番ながらも素晴らしい演技を披露。得点16.650は試技順の不運もあったのでは? と思わせるほどのインパクトのある演技だった。それでも、1年前には「夢の16点台」だったのに、それを軽々と彼らは超えてみせた。

テレビ山梨の番組を改めて見てみると、1年前には、この程度のチーム(失礼な言い方だが)だったのがウソのようだ。福井インターハイでの甲府工業は、もう「人数不足のため休止していた部活動を再開してやっとインターハイに出てきたチーム」ではなかった。まだトップチームでこそないが、そこを目指して、一歩一歩進んでいるチームだった。

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そして、2013年1月。
長野カップで、私はまた彼らに会うことができた。
すでに3年生は抜けた新チームになっている。

甲府工業の現在の3年生には2年生のころから中心選手だった内田諒がおり、彼の抜けた穴は小さくないだろうと思われた。
それでも、長野カップで彼らは、3位になった。

公式戦ではないとはいえ、構成8.800、実施8.400=17.200。
ついに17点台の壁も突き破った。

写真を見てもわかるとおり、静止した状態で見ると、トップチームにひけをとらない。
彼らは、じつに美しいチームに成長している。

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2011年のドキュメンタリーで、当時は団体メンバーに入っていなかった1、2年生を週末ごとにやってくるOB達が指導している場面があった。

雨宮監督の恩師であり、前監督の原田氏が、「自分が監督だったころは、選手以外の子の指導はほとんどできなかったが、今は見てくれるOB達がいて、ほんとうにありがたい。」と言っていたが、今の甲府工業を支えているのは、そのころOBの指導を受けていた子達だ。

すぐにレギュラーにはなれなくても、また、頑張っている先輩達がすぐには結果を出せなくても、ずっと頑張ってきた。そんな彼らが、今、「ここまで」きている。

2013年、甲府工業はもうひと伸びを見せてくれるに違いない。
男子新体操は、こういうチームがいるから面白いのだ。

テレビ山梨にも、今年はぜひ「新体操ボーイズ2」を制作してもらいたものだ。前回を上回る感動が、そこにはきっとあるはずだから。
                                          <撮影:清水綾子>


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