こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。ポール・マッカートニーさんがまた来日されたとかで。そのたびにニュースでは、ビートルズが初来日したときの若者たちの熱狂ぶりが記録された資料映像を流すのですが、じつは60年代のほとんどの日本の若者は、ビートルズなんて聴いてなかったそうです。ビートルズブームは、あとからかなり誇張されて伝えられているのです。
このことは以前、小熊英二さんの『1968』を読んで知りました。当時中高生だった渋谷陽一さんなどの音楽評論家は口を揃えていってます。そのころビートルズを聴いてた若者はクラスに一人いるかいないかってくらいで、ほとんどの若者は橋幸夫や舟木一夫を聴き、オトナたちと同様にビートルズを否定していたそうです。熱狂してたのはごく一握りの若者だけでした。
ビートルズのレコードが売れるようになったのは70年代にベスト盤が出てからのことで、それ以前はあんまり売れないものだから、レコード会社は売上を水増しして発表することもあったとか。
こんなところにも、庶民文化史の捏造があったんですね。
[ 2015/04/20 20:41 ]
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