2015年4月20日(月)
4月19日に千葉県・市川市文化会館 大ホールで、TVアニメ『selector』シリーズのイベント“selector スペシャルイベント”が開催されました。
本イベントは、2014年4月から放送されて注目を集めたオリジナルTVアニメーション『selector infected WIXOSS』と、同年10月から放送された続編『selector spread WIXOSS』のイベントで、8人の声優陣と主題歌アーティスト2名を迎えての豪華イベントとなりました。
加隈亜衣(小湊るう子役)、久野美咲(タマ役)、 佐倉綾音(紅林遊月/ユヅキ役)、茅野愛衣(植村一衣役)、 瀬戸麻沙美(浦添伊緒奈/イオナ/ユキ役)、赤﨑千夏(蒼井晶役)、杜野まこ(ちより役)、種田梨沙(繭役)、 分島花音(OP主題歌アーティスト)、Cyua(ED主題歌アーティスト)
この日のステージは、ストーリー上の重要な場所“白窓の部屋(繭の部屋)”を思わせる作りになっており、作中と同じく大きな窓が印象的なものでした。
開幕は、第1期OP主題歌『killy killy JOKER』のジャケットやPVでもおなじみの、黒と白を基調とした衣装に身を包んだ分島さんによるライブ。トレードマークでもあるチェロを伴ったトップギアからのスタートで、会場のファンを一気に『selector』の世界へと引き込みます。
ライブで会場が熱くなったところで、主演声優陣8名がステージに登場。それぞれ、自身が演じるキャラクターやパートナーであるルリグの色を意識した衣装に加えて、加隈さんが贈ったというシュシュを身につけており、出演者の絆を感じられる一幕でもありました。
『selector』絡みのイベントや番組でおなじみの、そして本作とリンクするTCG『WIXOSS』のバトル開始の宣言でもある「オープン!」を会場の全員で叫んだ後、イベントは出演声優陣によるバラエティコーナーへと突入していきます。
最初の企画は“selector アンケート WIXOSS”で、事前に行われた出演者へのアンケートの結果が発表されました。アンケートの内容はそれぞれの設問に対して、誰が演じたキャラクターが一番イメージに当てはまるかを回答したものでした。
1つ目の設問は“姉”。ここでは佐倉さん演じるユヅキが4名から選ばれ、続く『妹』では久野さん演じるタマが4票を集めていました。その中でも印象的だったのが、司会進行の加隈さんによって、杜野さんの回答だけ他の出演者よりもかなり長いものであったことが明かされた一幕でした。杜野さんがいかに『selector』を愛しているかを訴え、会場は盛大な拍手で応えていました。
“母”の設問ではやや回答がばらけ、誰が一番か決まらないので、会場の拍手の大きさも参考にすることに。晶を選んだファンを、赤﨑さんが作中の台詞である「三下」でいじるなどして、会場は大盛りあがり。少数票の際にも熱烈で大きな拍手が飛び交っていたりと、ファンの間でも人気はかなり拮抗していましたが、ユキ、ユヅキ、一衣への拍手が少し多かったようです。
そしてここで、赤崎さんから「晶が1回しか出ていない」との指摘があったものの、作中での立場から、さらに厳しい戦いが予想される設問“友達”へ。結果は予想どおりとなってしまいましたが、ここで会場を沸かせたのが、佐倉さんがるう子を選んだ理由でした。友達として選んだ理由が「無難」ということで、久野さんがタマの台詞「えいえんしたい」でフォローにまわることとなりました。
ただ、このクセのなさ、ほど良い距離感を持つことが幸いしたのか、続く“仕事仲間”ではるう子が3票を集める結果に。周囲への気遣いなども見込まれてのことではありましたが、ここでも種田さんから「これこそ無難(笑)」と評されてしまい、会場は笑いに包まれました。
しかし、これで終わらないのが蒼井晶という人物。続く“店員さん”“ライバル”の設問では、3票ずつ集める結果となりました。店員のイメージとしては、読者モデルをしていたことから主にアパレル関係のイメージを持たれたようで、センスがありそうだったり、はっきり似合う・似合わないを指摘してくれそうなことが評価に繋がったようです。
“ライバル”の方では、瀬戸さんが遠慮なく「キャットファイトできそう」と語り、久野さんは「怖い」、茅野さんは道に立ちふさがってきそうなイメージと、いずれもなるほどと思ってしまう理由が挙げられていました。
続くコーナーは、声優としての技術を披露する生アテレコ“selector アテレコ WIXOSS”。本編の映像に合わせて、4パターンの貴重な生アテレコが行われました。演じる人が前に出て、出番ではない人が後方から見守る状況は、アニメのアフレコ現場みたいで懐かしいという感想を持たれたようです。
感動の名シーンなどが目の前で再現される……と思いきや、晶の学校を訪れるシーンの緊迫感はそのままに、真面目な雰囲気のまま語尾だけが綺麗に「ござる」になっていたり、「オープン!」の掛け声が「開け!」になるなど、まさかの“武士言葉アレンジ”となっていました。このギャップには、後ろで控える声優陣、全力で聴き入る体勢に入っていた会場も爆笑でした。
さらに、『spread』でタマと戦うことになったシーンは“不良言葉風アレンジ”になり、タマの口から『タイマン(バトルの置き換え)』や『ぼっち』『シャバい』『ダチ(友達)』と、タマも久野さんも使わない言葉が飛び出し、ちよりと晶がバトルしそうになるシーンは、スタッフによって事前に指導を受けた“難波風アレンジ”となり、収集がつかない事態に。
最後はユキが消えそうになっていたところに、閉じ込められていたはずのタマが現れる作中屈指の名場面。もちろんこの感動的な場面も素直にアテレコとはいかず、“博多弁風アレンジ”となっていました。
しかし、最初の方は京言葉のようなユキだったり、そのまま使われることになったウリスの音声に対しては、繭が「なんで標準語(東京弁)なん!?」とツッコミを入れるシーンも。とどめは、るう子が「グロウ! レベル5、うまかっちゃん!!(※)」と叫び、最初から最後まで会場は笑いっぱなしのコーナーでした。
(※注:九州のご当地ネタ。九州といえばこれと言われるぐらい、とても有名な袋ラーメンです)
盛り上がる一方のイベントは、ここから2チームに分かれて罰ゲームありの対戦を行う“selector チームバトル WIXOSS”に突入。加隈さんがリーダーの白チーム、種田さんがリーダーの黒チームに分かれることになりましたが、ここですごいミラクルが発生します。
カードをシャッフルしてメンバーを決めたにも関わらず、白チームのメンバーが作中のパートナー&友達関係をなぞるように久野さん、佐倉さん、茅野さんとなる事態に。リハーサルもこのメンバーで行ったらしく、他の出演者からも仕込みを疑われるほどに、両リーダーが神がかったカードの引きをみせました。
先に3勝したチームが勝ちで、まずは4人が回答を合わせられるかが問われることに。各チームカラー以外で1色を選ぶとしたらという問題でしたが、白チームは間の色にする方針となったようで、全員が白でも黒でもないグレーと回答、黒チームは種田さんが選びそうな色にするという方針を取り、見事に全員が青と回答して引き分けからスタートとなりました。
続けてルリグカードの持ち歩き方という問題では、両チームとも3名はタッパー(※)と回答したものの、久野さんと杜野さんが作中の描写に沿って「パスケース」「肩からぶらさげる」と回答したため、続けての引き分けとなりました。
(※注:赤﨑さんがWIXOSSカードを保管した写真をTwitterにアップロードして以来、店舗特典やカードの案としても採用されるなど、ファンの間ではお約束の収納方法です)
とりあえずタッパーにいれた #selector_anime #WIXOSS pic.twitter.com/K8BdJNGlNM
赤崎千夏 (@R172) 2014, 4月 22
勝負は均衡状態を保ったまま、3問目の“イラスト伝言ゲーム”に移ります。チームの一番外側のメンバーがお題のキャラクターを見て絵を描き、隣の人にイラストを見せて描いてもらいを繰り返す伝言ゲームです。最後にイラストを見る人から回答していき、早く答えられたチームの勝ちですが、絵から絵を描く過程で情報が欠落するので、かなり難しいものだったようです。
白チームの並びは外から佐倉さん、茅野さん、久野さん、加隈さんで、お題は“ミルルン”。黒チームは種田さん、瀬戸さん、赤﨑さん、杜野さんの順で“緑子”がお題でした。両チームとも最初の2名まではかなり特徴が伝わるイラストだったものの、3人目になるとかなり厳しくなり、4人目である最初の回答者にはほぼ伝わらなかった様子でした。しかし、2人目の回答者(=3人目にイラストを描いた人)は多少ヒントがあれば答えられる程度には伝わっており、両チームとも2人目が正解して引き分ける結果となりました。
決着がつかなそうなので、別のキャラクターを描いて再び伝言ゲームをすることになりましたが、ここで両チームとも戦略的に並び順を変更することに。白チームは外から茅野さん、加隈さん、佐倉さん、久野さんに変えて“アン”を、黒チームは種田さん、赤﨑さん、杜野さん、瀬戸さんに変えて“ピルルク”を描きました。
白チームは2人目の回答者である佐倉さんが、キャラクターは分かったものの名前を思い出せずにいましたが、ヒントを得てどうにか正解しました。一方の黒チームは、瀬戸さん、杜野さんが回答に詰まってしまい、時間切れで白チームがようやく一歩リードとなります。
次は趣向を変えて“四文字熟語クイズ”を行うことになりましたが、これは意味だけが書かれた不明な四字熟語に対して、4名が自分の位置にあたる漢字を回答するものになります。正解は“全身全霊”だったのですが、黒チームは瀬戸さんが「五」、杜野さんが「神」、赤﨑さんが「全」、種田さんが「意」と回答。“五神全意”と、一見するとありそうな新しい四字熟語を生み出しそうになっていました。
一方の白チームはといえば、先頭の茅野さんが「The」と答えて周囲を困惑させると、加隈さんが「肉」、佐倉さんが「神」、久野さんが「魂」と回答。“The 肉神魂”とチームメンバーらが焼肉屋みたいと評する回答になり、この勝負の軍配は黒チームに上がりました。
勝敗は振り出しに戻りましたが、ここで最後の“カード推理ゲーム”で決着をつけることになりました。相手のチームでジョーカーのカードを持つ人物を当てるゲームですが、白チームが、黒チーム内でジョーカーを持つ瀬戸さんを見事に当てる結果に。黒チームは佐倉さんを指名したものの外してしまい、総合戦績で白チームの勝利となりました。
勝利した白チームには記念撮影をする権利が与えらえれましたが、『WIXOSS』の大会会場などにも持ち込まれるカードフレームのセットで仲良く記念撮影するという、勝利条件を満たした方がカードになるという、ある意味でセレクターバトルらしい結末となりました。一方の黒チームも撮影をすることになりましたが、こちらは勝利した白チームによる、厳しいディレクションが伴う撮影となりました。
背景は、作中のモデル仕事で伊緒奈と晶がイメージキャラクターをつとめた美容商品“スベスベスーベニア”を再現したもので、瀬戸さんと赤﨑さんが2人と同じポーズをとり、さらに杜野さんと種田さんも加わってスベスベポーズをとるように指示を受けて、それぞれが考えた謎の(?)スベスベポーズでの記念撮影となりました。
対戦コーナーが終わると、イベントはいよいよCyuaさんのライブパートへ。以前に行われた“selector & WIXOSS festival”では、カード化されるほど強烈な印象を残した花魁姿でライブを行いましたが、この日は普通の衣装でライブを行い、会場をさらなる『selector』の世界へと誘います。
ED主題歌ライブも終わり、ついにイベントも終幕へ。出演者が全員揃ってイベントを振り返り挨拶をしようとしたところで、本作のプロデューサー・川瀬浩平氏が急遽登壇。スクリーンには謎の映像が流れ、サプライズ発表として本作の劇場版プロジェクトが発表されました。
この発表は声優陣とアーティストにも秘密にされていたようで、出演者と会場の両方から歓声があがり、うれし涙を浮かべる出演者もいました。
感動のあまり言葉に詰まるシーンも見られましたが、ここから出演者ひとりひとりが挨拶と感謝を述べました。今回のイベントが『selector』ファンの前に出る最後の機会になるかも知れないことを覚悟はしていたものの、まだ『selector』が続くことが分かってうれしいというのが、出演者全員に共通する想いだったようです。
まだ続きがあるという気持ちを込め、『selector』のイベントを締めるかけ声といえばの「ターンエンド!」で会場がひとつになり、この日のイベントも無事に幕をおろしました。
(C)LRIG/Project Selector
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