15日に東京で始まったTPP交渉の日米実務者協議で、日本側は米国産のコメ輸入枠の拡大など次々と妥協策を打診。19日から閣僚級協議に格上げすることで合意し、安倍首相の訪米までに雪崩を打って実質合意に持ち込む構えだ。
自衛隊を米軍支援に差し出す安保法制の与党協議も対米合意が最優先。27日の日米ガイドライン改定に間に合わせるよう急ピッチで進めている。GPIFの外国株保有率の25%への引き上げだって、我々の年金資産を使った“米国株の買い支え”のようなものだ。
曲がりなりにも独立国のトップが米国を訪れる前に、これだけの「お土産」を準備する国は日本くらいじゃないのか。
「米国の一極支配はとっくに終焉したのです。中国主導のアジアインフラ投資銀行の加盟問題でハッキリした通り、世界各国は多極支配の時代を悟って柔軟かつ、したたかに外交のかじを取っています。そのうえ、安倍政権は歴史修正主義がオバマ政権の反感を買ったため、どうにか振り向いてもらおうと、歴代政権以上に卑屈になって米国の機嫌を取ろうとしている。戦後最悪の対米従属政権と言うしかありません」(五十嵐仁氏)
安倍政権は辺野古移設を推進するにあたって、必ず「日本の国益」を持ち出すが、政権サイドの方がよっぽど国益を損ねている。