その首脳会談で発表予定の日米共同声明には辺野古移設を再確認する文書を盛り込む方向で、日本政府は米国側にプッシュをかけている。いくら辺野古移設の前提条件が崩れようが、県民が選挙で移設反対の民意を示そうが、お構いなしだ。
普天間基地返還の日米合意を主導したジョセフ・ナイ元国防次官補は、今月2日に「沖縄の人々の支持が得られないなら、米政府はおそらく再検討しなければならないだろう」と琉球新報の取材に答えた。知日派のアーミテージ元国務副長官は「日本政府が(辺野古に替わる)別のアイデアを持ってくれば、私たちは間違いなく耳を傾ける」と柔軟姿勢を示している。それでも、安倍政権は結論ありき。辺野古移設という固定観念にかたくなに縛られている姿は異様ですらある。
元法大教授の五十嵐仁氏(政治学)は「今の政権は米国が求める以上にご機嫌うかがいをしている」と喝破したが、首相訪米を控えた安倍政権の“ベタ降り”姿勢は辺野古移設に限らない。その悪影響は全国民に及びかねないのだ。