キンキン、ケロンパ　おしどり夫婦３７年

　愛川さんとうつみは、芸能界きっての「おしどり夫婦」で知られた。「キンキン」「ケロンパ」の愛称で親しまれ、４０年近く公私ともに名コンビとして連れ添った。

　テレビ番組「キンケロ歌謡曲」での共演を機に、愛川さんはうつみと１９７８年に再婚。２人は互いに明るい人柄でお茶の間に愛された。

　タレント榊原郁恵（５５）は「私たち夫婦の見本でもありました」とコメントした。自身も俳優渡辺徹（５３）とおしどり夫婦で知られ、愛川さんには仲人をしてもらった間柄。「愛川さんは宮土理さんが大好きで、宮土理さんも愛川さんが大好きで、本当に２人とも支え合っていた」と振り返る。

　愛川さんを父のように慕っていたとコメントするのはタレント神田うの（４０）。愛川さん夫妻が神田の結婚式に出席したといい「『うのちゃん、一生別れちゃダメよ。別れる時はどちらかが死ぬ時だよ』とのお言葉をいただいた。このお言葉をずっと心に留めています」と悼んだ。

　１７日も早朝から東京都内にある愛川さんの自宅前には大勢の報道陣が集まった。午前８時ごろ、自宅前に霊きゅう車が到着。親族や関係者により、愛川さんの遺体が納められたひつぎが自宅から運び出され、笑顔の愛川さんを写した遺影を両手でしっかりと抱えたうつみは、憔悴（しょうすい）し切った表情で霊きゅう車に乗り込んだ。報道陣には無言で、車が走り出すと何度か頭を下げ密葬が営まれる斎場へと向かった。

　その後、自宅前で報道陣の対応にあたった愛川さんの事務所関係者は「昨日お話しした通り、午前１０時に各社にファクスを流します」と説明。落胆の激しいうつみがこの日、会見を行うことは難しいことも説明し「今後のことは決まり次第、随時報告します」とした。

　午前１１時前、密葬を終えたうつみが、両手で大事そうに愛川さんの骨つぼが入った箱を抱え、関係者にガードされながら車を降りた。表情は早朝と変わらず、報道陣の呼び掛けには一切応じず、足早に自宅に入った。

　午後になると、自宅には愛川さんや夫妻と親交があった、女優の中村玉緒（７５）、歌手の美川憲一、歌手でタレントのアグネス・チャン（５９）、女優の有馬稲子（８３）らから次々と花が届いた。