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 日本初のロケット発射実験があった東京都国分寺市で、発射60周年を記念した展覧会が開かれている。実験に使われた超小型ロケット「ペンシルロケット」の実物などが展示されている。

 1955(昭和30)年4月12日、市内にあった銃器工場跡地(現在は早稲田実業学校)で、東京大学生産技術研究所の糸川英夫教授(1912~1999)らがペンシルロケット発射実験に成功した。

 このときのロケットは長さ23センチ、直径1・8センチ。鉛筆(ペンシル)のような形のジュラルミン製機体に火薬を詰め、約15メートルを地面と水平に飛ばした。

 6日間にわたり29機を発射し、ロケットの速度や加速度、重心や尾翼の形状による飛翔経路のずれなど、本格的な飛翔実験に向けたデータを得て、日本の宇宙開発の第一歩とされた。糸川教授は「ロケットの父」といわれ、小惑星イトカワの名前の由来になった。

 展示されているペンシルロケットは、実際に飛ばされたものと試作機を合わせて17機。ほかに、2010年に地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」が小惑星イトカワから持ち帰った微粒子や帰還カプセルの実物も飾られている。